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2 LUNARIAからの電話
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しおりを挟む午後3時を過ぎた頃、椛乃社長の社内インタビューを終えた私は秘書室に戻ってきた。
スケジュールは概ね順調。商品部の試作品確認は少し時間がかかったが、広報部の社内インタビューは予定よりも少し早く終わった。
それも元々私がインタビュー内容を確認して、社長に内容を伝えておいたお陰かもしれないけど。
「あ、黒瀬さん。さっきLUNARIAの秋月さんから電話あったよ」
「LUNARIAから? なんだろう?」
デスクに戻ると、キーボードに付箋が貼ってある。
『2:52 LUNARIA 秋月さん』
これは文字通り、取引先のひとつであるLUNARIA株式会社から電話がかかって来たことを伝えてくれるメモ。秋月さんというのはその会社の社長秘書の名前。つまり――私と同じ立場の人。
「明日の打ち合わせのことかな?」
折り返す前にスケジュール帳を広げる。うん、間違いない。記憶通り明日の午後2時から椛乃社長とLUNARIAへ行く予定になっている。
LUNARIA株式会社。高機能×洗練美を追求する主にメンズやジェンダーレスコスメ・スキンケア・フレグランスを提供する今急成長中の化粧品メーカー。創業5年目にして老舗の美容ブランドに並ぶ、業界大注目の会社だ。
そしてCOCONOE化粧品はLUNARIAとの合同ブランド『Yorui』を展開してる。これは椛乃社長が就任した時に立ち上げた大きなプロジェクトで、発表当時はメディアでも話題になった。
Yoruiは2つの会社の魅力を混ぜ合わせたコラボブランドで『夜に咲く知性』と『夜に咲く、私だけの香り』の2つをテーマにしたスキンケア用品やフレグランスが、感度の高い層から人気を集めている。
最初は1商品だけの予定が、人気が相まってコラボブランドとしてもう2年近く展開している。もちろん私の夜のスキンケア用品は全てYoruiでまとめている。
つまりCOCONOE化粧品にとってLUNARIAは最重要の取引先相手。その会社の社長秘書から電話がかかって来た。折り返さない理由はひとつもない。
電話に手を伸ばすと私は外線短縮の3番を押した。
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