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15 止められない夜
3 ※
しおりを挟む「ほら命令だ――イけ」
耳元に吹き込まれた低温に、熱が爆発するかのように背中が大きく反る。もう耐えきれない――そう思った瞬間、奥で指が絶妙な角度で擦れて、快感が一気に爆発する。
「や、あっ、あああっ……!」
一段と甘く、高い声を抑えることなんてできなかった。頭から足先まで電流が流れると絶頂の波に呑まれて、シーツをぎゅっと掴んだ指先が震える。
身体中痺れるみたいに気持ちよくて、息も出来ない。視界が白く染まって、何度も身体が跳ねて、快楽を身体に刻み込まれる。
「……はぁっ、あっ……ンっ」
絶頂のあとズルりと抜けた指の感触に、下腹部が名残惜しそうに蠢く。ふかふかのベッドにぐったりと沈んで、どうにか荒い呼吸を整えようとした時――。
カサッ、と何かのフィルムが剥がれるような音が聞こえた。
「え……?」
そっと目を開けると、久世社長が避妊具の銀色のパッケージを静かに開いていた。
嘘……!
頭の中で何かが一気に点灯すれば、更に体温が上昇する。
まさか、最後まで……ってこと? 嘘、だって……今まで……。
「久世社長……?」
問いかけても、彼は何も言わない。これまで久世社長に愛撫されたことはあっても最後までしたことはない。
だけど考えてみれば今日はこれまでとシチュエーションが違い過ぎる。ここは彼が住んでいるタワマン。ロマンチックな展開――普通ならここは最後までする。
「本気……ですか?」
心臓の鼓動のせいで声が震える。けれど、久世社長の動きは止まらない。瞳は何も語らないのに、すでに答えを決めているような圧がある。その気配に抗えなくて、身体がまたじわりと熱を帯びてくる。
ふと気づいた。久世社長がいつの間にかシャツのボタンを開いている。いつもシーツの下に隠れている鍛えられた身体が視界の端に映ればまた呼吸が出来なくなる。
やだ、かっこいいなんて思いたくないのに。
久世社長の男の一面を知ってしまった。それを認めてしまった時、ようやく視線が合う。次の瞬間、またシーツに縫い付けられる。
「ん……っ、久世社長……っはぁ、ん」
甘ったるいキス。何度目かもわからない。すっかりふやけた唇までも気持ちよくて、腰を引き寄せられると自然と甘えるように彼にキスを返してしまった。
「黒瀬」
「……やだ、言わないで……っ」
低く囁かれたその声に、抵抗する。次に何を言われるかわかってしまったから。
だって、拒めない。――もう、戻れないところまで来てる気がする。
「お前は俺のものだ――わかったな」
こんなこと言われて、嬉しいなんて思っちゃう自分がいて、怖い。なのに――早く久世社長が欲しいって思っちゃってる。
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