わがまま秘書は冷徹社長の独占愛に溺れていく

椿綾あこ

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【番外編】 儚げ社長の休日

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 え、うそ。

 本を読み終えてふと窓の外に目を向けると驚いた。

 1時間前まで綺麗な青空が広がっていたのにいつの間にか空が黒ずんでいる。厚い雲に覆われてしまったのか、太陽も青空はすっかり姿を消していた。

「……雨、降りそう」

 思わず零れ落ちた小さな声が静かな館内に響く。

 今日は一日中晴天と朝のニュースでも言っていたし、スマホの天気予報でも同じだった。だけど明らかに雨が降り出す数秒前――と言った雰囲気。少しだけ館内が肌寒く感じたのは太陽の光が遮られたせいかもしれない。

「あ……」

 その予想は見事に当たり、小さな雨音が次々とアスファルトを打ち付けるような音が重なれば、あっという間に世界は濡れてしまった。

 大粒の雨が世界をますます暗くして、突然の雨に道行く人々が逃げるように走りだす。

 この一冊を読み終わったら帰ろうと思っていたのに。

 帰りもタクシーを呼ぶつもりだったけど、雨の中帰りたくないし、止むのを待つのが無難かもしれない。この後も予定はないし、少し帰るのが遅くなっても構わない。

 もともと晴天予定だし、この突然の大雨はすぐに止むはず。だってこれは――。

「絵に描いたようなゲリラ豪雨ですね」
「え……?」

 ふいに横から飛んで来た柔らかい声に聞き覚えがあった。すぐに横を向くと2つ離れたに座っていた甘いマスクの青年が私を見て微笑んでいる。

 柔らかい面持ちに、誰もが見惚れる整った見た目、座っていても背が高いと誰もが気づくだろう。

「……秋月さん?」
「こんにちは、九重社長」

 休日の図書館の一角、突然目の前に現れたのはLUNARIAの社長秘書――秋月綴さんだった。

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