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1章
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疼く腰の痛みで目を覚ます。
冷たい隣のシーツに寂しさを覚えて、起き上がりのそのそと黒田の部屋を出た。
「おはよう! ――と言ってもお昼だけど」穏やかに笑む黒田の姿があった。
つられて、微笑み返す。
「ご飯、食べよう。できてるよ」
椅子に座り向かい合う。相も変わらず美味しいご飯にありつけて、腹の底から満足感を味わう。
「――昨日はご飯どうしたの?」
「ああ、昨日は実家に帰ってたんだよ」
「実家?」
物件を求めて出ていったと勘違いしていた黒田が不思議に思うのも無理はない。「そうそう、一緒に居続けるよ、僕は! っていう意思を行動で示そうと思ってね」。
「――でも、黒田君の事をよく知らないから、怖いと思ったら距離はとるよ。だって、僕、黒田君の名前すら知らなかったし、義理とは言え兄弟じゃん!! まぁ、僕を生んでくれたお母さんはまた別にいるから、親戚のしの字も入ってないんだけど」
「黒田君は知ってて近づいたんだろうけどさー」ぷぅと頬を膨らませる。
「黒田君ばかりずるい」
「それはゴメンね。でも、俺らちゃんと一回会ってるよ」
「・・・・・・覚えてない」
「だろうね。ヒロキさん人見知り激しかったし、お母さんにも未だ懐いてないって感じだったから、相当人間不信だったのかな?」
「・・・・・・そうだね。お恥ずかしい話だけど、気が強くて我道を突っ走る人が身近に居続けるから、苦手だったよ」
「――そのお陰で、俺はヒロキさんを守ってあげなきゃ、て思ったんだよ」
「この人も母に振り回されてるんだ、てね」黒田はにんまりする。
「今でも、お義母さんのこと、嫌い?」
「・・・・・・」
「聞かせてよ。僕、黒田君の名前すら知らないのに、好きとか口走っちゃってさ。とんでもないヤツじゃん。そんな僕にさせたままにするの? もっと健全なお付き合いしようよ」
「・・・・・・とっくに健全なお付き合いはできてないよ。俺ら、身体も繋がっちゃってるわけ――」
「こら、逸らさない!」
「ハハハッ、ヒロキさん大好き。くだらない嫉妬とか独占欲がヒロキさんの前じゃどっかに飛んでいくよ」黒田はいった。
それから互いに育った環境から、心境まで吐露し合った。
「・・・・・・ねぇ、黒田君のお父さんの顔見たいんだけど」
「いいよ、これなんだけど」
スマホの画像を田淵に見せる。「あ、この人見たことある!! 僕の家にあった写真と同一人物だよ」田淵は黒田にいう。
「昨日実家に帰って仏壇の棚からちらっと見えちゃってね。お義母さんが僕に通帳を渡してきて、お父さんが少しづつ貯めてきたものだからってくれたんだ」
「その時に、イケオジの写真が入ってて、浮気か?! って思ったけど、そういえば、うちに来たのも理由が理由だから、あんまり気にしないようにして帰ってきたんだけど・・・・・・黒田君のお母さんって、本当に読めない人だよね」眉尻を下げて笑う。
「・・・・・・汚染もなにもっていう話か・・・・・・」
「汚染?」
「いや、少しだけ、気が紛れたって言う話。それにしても、昨日の帰り際にまた何か言われなかった?」
「言われたよー、100万でも持って帰ってきなさいだってさ! 僕は嫌ですって言ってやったさ!」
「強くなったんだね」黒田が頭を撫でる。
「それにしても、イケオジっていう感想が・・・・・・っツボなんだけど」
「黒田家は両親揃って美男美女だから、黒田君がこんなにカッコイイのは素晴らしい遺伝をもらってるからなんだね! いいよね」
「俺、カッコイイの?」きょとんとする黒田に、田淵が呆気にとられた。
そうして、内心で思ってきた事が口に出た瞬間であった。
幸せを感じると、口から出てくる言葉の検問もゆるゆるになるらしい。
「あ、えっと・・・・・・今のナシ、でいい?」
「無理でしょ」ニヒルに笑う黒田が、何故か黒田らしい、そう思ってしまった。
冷たい隣のシーツに寂しさを覚えて、起き上がりのそのそと黒田の部屋を出た。
「おはよう! ――と言ってもお昼だけど」穏やかに笑む黒田の姿があった。
つられて、微笑み返す。
「ご飯、食べよう。できてるよ」
椅子に座り向かい合う。相も変わらず美味しいご飯にありつけて、腹の底から満足感を味わう。
「――昨日はご飯どうしたの?」
「ああ、昨日は実家に帰ってたんだよ」
「実家?」
物件を求めて出ていったと勘違いしていた黒田が不思議に思うのも無理はない。「そうそう、一緒に居続けるよ、僕は! っていう意思を行動で示そうと思ってね」。
「――でも、黒田君の事をよく知らないから、怖いと思ったら距離はとるよ。だって、僕、黒田君の名前すら知らなかったし、義理とは言え兄弟じゃん!! まぁ、僕を生んでくれたお母さんはまた別にいるから、親戚のしの字も入ってないんだけど」
「黒田君は知ってて近づいたんだろうけどさー」ぷぅと頬を膨らませる。
「黒田君ばかりずるい」
「それはゴメンね。でも、俺らちゃんと一回会ってるよ」
「・・・・・・覚えてない」
「だろうね。ヒロキさん人見知り激しかったし、お母さんにも未だ懐いてないって感じだったから、相当人間不信だったのかな?」
「・・・・・・そうだね。お恥ずかしい話だけど、気が強くて我道を突っ走る人が身近に居続けるから、苦手だったよ」
「――そのお陰で、俺はヒロキさんを守ってあげなきゃ、て思ったんだよ」
「この人も母に振り回されてるんだ、てね」黒田はにんまりする。
「今でも、お義母さんのこと、嫌い?」
「・・・・・・」
「聞かせてよ。僕、黒田君の名前すら知らないのに、好きとか口走っちゃってさ。とんでもないヤツじゃん。そんな僕にさせたままにするの? もっと健全なお付き合いしようよ」
「・・・・・・とっくに健全なお付き合いはできてないよ。俺ら、身体も繋がっちゃってるわけ――」
「こら、逸らさない!」
「ハハハッ、ヒロキさん大好き。くだらない嫉妬とか独占欲がヒロキさんの前じゃどっかに飛んでいくよ」黒田はいった。
それから互いに育った環境から、心境まで吐露し合った。
「・・・・・・ねぇ、黒田君のお父さんの顔見たいんだけど」
「いいよ、これなんだけど」
スマホの画像を田淵に見せる。「あ、この人見たことある!! 僕の家にあった写真と同一人物だよ」田淵は黒田にいう。
「昨日実家に帰って仏壇の棚からちらっと見えちゃってね。お義母さんが僕に通帳を渡してきて、お父さんが少しづつ貯めてきたものだからってくれたんだ」
「その時に、イケオジの写真が入ってて、浮気か?! って思ったけど、そういえば、うちに来たのも理由が理由だから、あんまり気にしないようにして帰ってきたんだけど・・・・・・黒田君のお母さんって、本当に読めない人だよね」眉尻を下げて笑う。
「・・・・・・汚染もなにもっていう話か・・・・・・」
「汚染?」
「いや、少しだけ、気が紛れたって言う話。それにしても、昨日の帰り際にまた何か言われなかった?」
「言われたよー、100万でも持って帰ってきなさいだってさ! 僕は嫌ですって言ってやったさ!」
「強くなったんだね」黒田が頭を撫でる。
「それにしても、イケオジっていう感想が・・・・・・っツボなんだけど」
「黒田家は両親揃って美男美女だから、黒田君がこんなにカッコイイのは素晴らしい遺伝をもらってるからなんだね! いいよね」
「俺、カッコイイの?」きょとんとする黒田に、田淵が呆気にとられた。
そうして、内心で思ってきた事が口に出た瞬間であった。
幸せを感じると、口から出てくる言葉の検問もゆるゆるになるらしい。
「あ、えっと・・・・・・今のナシ、でいい?」
「無理でしょ」ニヒルに笑う黒田が、何故か黒田らしい、そう思ってしまった。
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