ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

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私の目標は

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  木の陰に来るとシシリーは、寝袋から出て来た。


 「で、話しって何よ」

 「悪かったよ。試す様な事をして。気になってさ。たださ、なつめが超初心者だとしても、神官からランクアップする仕組みとかは話しておけよ。やった事がないってばればれだ!」


 やっぱり私の言動からばれちゃってたのね。


 「ご忠告どうも。それは、さっき話したわ」

 「回復の仕方は?」


 回復の仕方?
 あ、そっか。歌で皆は回復しないもんね。


 「寝袋で寝るんだよね? あと、神官に回復してもらう」

 「それから?」

 「え? それから!?」


 まだ、方法あったの?
 驚いてシシリーを見ると、あっという顔つきをしている。それは説明していないって、顔よね?


 「やっぱりな。なつめには必要ないかもしれないけど、知らないとおかしいから。もう一つの方法は、回復薬でだ! これは、神官に回復してもらうと、回復薬いかがですかって勧められるんだ。勿論、お金を払う。コアでも交換可能だ」

 「え? そうなの? あ、そっか。戦闘中にHP減った時に回復出来ないと困るもんね」

 「でも、SPやMPを回復出来るアイテムは今の所ない」

 「え? そうなの? 皆どうしてるの?」


 私の質問を聞いたミチルは、大きなため息をついた。


 「マジで神官使った事ないんだな。まあ戦闘した事あるようには見えなかったけど」

 「神官に回復してもらう以外には、寝袋で寝るしかないのよ。勿論、遺跡でもね」

 「え?! 遺跡で寝てるの?」

 「それしかないからな。魔法使い以外は、普通攻撃で倒せるモンスターでコア集めをしている。仕事クエスト時以外は、無理をしてない」


 そうだったんだ。皆さん大変だったんだね。
 って、まともに戦闘をしたのは、炎の石の時だけなんだけどね。
 そっかぁ。だったら歌で回復できるのは、凄い事だったんだ!
 今更ながらようやくわかった。


 「でだ。これからが本題。なつめ、俺専属にならないか?」

 「え? 何それ?!」

 「あ、ごめん。言い方が悪かった。そうだなぁ。チームを組むとランクがわかちゃうだろう? あ、それは知ってたか?」

 「うん。それは聞いてるわ」

 「そうか」


 うんと、私は頷く。


 「お前、神官だしチームを組もうと言われる事はないとは思うけど。こはるに口止めしたのは、シシリーの事だけだろう? 歌の事まではしてない。つまりMPを回復出来る事がばれてるかもって事だ」

 「しまった! そうだったわね!」

 「えっと……」

 「噂を聞けば、目もくれなかった人達が、あなたを追いかけ回す事になるわね! チームって5人まで組めるのよ。今までは、神官は弱いし攻撃は皆無。回復は出来るけど、その前に死なない様に守らないといけないから、足手まといでしかなかったのよ」

 「それが、MP回復やHP回復が全体に出来るとなれば話は別だ。しかもマッピングもしてくれる。だったらコアやお金を払ってでもチームを組みたいとなるだろう? 遺跡に入って奥に行けるわけだ」

 「それって今まで行けなかったって事?」

 「ランク4ぐらいのサブから魔法使いにも回復系のサブが出現するわ。でも他の人のMPやSP回復は、神官のサブにしかないのよ。これ、公開されてないから知らないでしょうけど」

 「俺も歌があんなに凄いなんて思わなかったもんな。で、歌ってランクいくつまで上げてあるんだ?」


 って、いきなり凄い質問を投げかけて来た!
 危なく答える所だったよ。


 「こはるには、歌の事も口止めしておいたよ」

 「あら、ありがとう」

 「でだ。チームを組めば、メインランクだけじゃなくそこら辺も凄いって気づくはずだ。隠したいんだよな? シシリーの事」

 「だからミチルだけにしておけって事?」


 シシリーが聞くと、ミチルは頷いた。
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