ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

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ランク戦3私も一人前の戦闘員

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 リューキさんを先頭に私達は進んだ。
 リューキさんがいた部屋を出た向かいにある扉の向こうに出ると、ずっと下に続く階段があった。
 って、それが途中で途切れてる。


 「うお。こりゃちょっと高いな」


 ぽっかりと空いた穴から外を覗いたミチルが言った。
 どうやら洞窟の天井穴と繋がっているみたい。知らずに落ちたらまたHPが減る所だった!


 「まあ、あれね。ここに掴まって下りれば、大丈夫だと思うわよ」

 「また嵌めてないよな?」

 「嵌められるような事言った覚えがあるの?」

 「ないよ! わかった。俺が先に下りるから」


 足元の穴からミチルは下に下りる。まず、この穴に掴まってぶら~ん。勿論、足は地面に着かない。
 そして、ぱっと手を離した。無事着地した。


 「HPは、減らなかったな。で、どっちが先に下りて来る? 一応受け止めるけど」

 「そうね。まずは、なつめにした方がいいわよ」


 したほうがいいってどういう意味だろう?
 って、怖いんだけど!
 こんな高さから下りた事ない。リアルなのも考え物だよね!


 「早く下りてこいって!」

 「うん……」

 「げ!! ちょっと待て! シシリー! 上から援護って出来るのか?」

 「あら? もう来た?」

 「わかってるなら先に言えっていつも行ってるだろうがぁ!!」


 そう言ってミチルは、剣を抜いたぁ!?
 もしかしてモンスター? って、覗くんじゃなかった……。
 大きな青いカエルが!!


 「取りあえず援護してあげましょうか。物理防御と物理攻撃の歌よ」

 「うん!」


 下に下りなくてよかったと思いつつ、物理防御の歌と物理攻撃の歌を歌った。これでミチルは、物理防御が20%アップして物理攻撃は10%アップ。


 「サンキュ! 攻撃力UP!」


 ミチルは、二体現れたモンスターの一体に斬りかかって行く!
 斬りつけるも3分の1ほどしか減らなかった。


 「うお! アブね!」


 すぐにモンスターのカウンターがくるもミチルは、後ろに下がって交わした!


 「シシリー! こいつらえらく強くないか? 俺のスキルも付けたのに、炎の石の時より削れないってどうよ!」

 「当たり前でしょう。ここランク8よ。前は、想定6でしょう?」

 「って、これ俺一人で倒すわけ? 他に何か歌ないのかよ!」


 文句を言いつつ、また斬りつけた!
 そう言えば、炎の石の時は、ミチルは自分のスキルを使っていなかった。それでも瀕死なぐらい攻撃を与えていたっけ。
 確かに大変そう。


 「仕方ないわね。なつめ、魔法攻撃の歌よ。それから、ミチルが相手をしていないモンスターにファイヤーで攻撃よ!」

 「うん」


 私は、頷いた。そして、魔法攻撃の歌を歌う。それからモンスターに狙いを定める!


 「ファイヤー!!」


 ぼふん!
 なんと! 一撃でモンスターが倒れた!


 「はぁ!? 何だよそれ! 最初から、ぐぁ!」


 文句を言っていたミチルに、残っていたモンスターが攻撃を仕掛けた!
 あの攻撃は受けたくないわ! だってベロでピシッよ!


 「っつ。って、15%ぐらいダメ受けたんだけど! 早く攻撃!」

 「もう。だらしないわね! あと一回で倒せるんだから倒しちゃってよ!」

 「あぁ。もう! ムカつく! なつめ! HP回復!」

 「あ、え? うん。優しい風よ。傷を癒せよ♪」


 ミチルが、光りながらモンスターを倒した。
 キッと私達の方をミチルが向く。


 「さっさと下りて来い!」

 「何か怒ってない?」

 「自分より強かったからじゃない?」

 「下りるよ」


 怖いけど、下りないと進めない。
 覚悟を決めて、地面というか天井に掴まって下りた。どさっと落ちるもミチルが受け止めてくれる。


 「ありがとう」

 「うん……」


 何となく生返事だと思ったら、目線がムネ!


 「どこ見てるのよ!」

 「あいて!」


 ばちんと平手打ちしてしまった!


 「いや、目の前にあったら見るだろう」


 ミチルは、すりすりとひっぱたかれた左頬を擦りながら言い訳をする。
 まったく。もう早く着替えたい!
 その後、リューキさんも下りた。
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