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ランク戦3私も一人前の戦闘員
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しおりを挟む「あのさ! リューキさんを無事に地底湖まで連れていかなくちゃいけないんだからな! 戦えるなら戦えさせろよ!」
「そんなに吠えないでよ。なつめが下りる前にモンスターが来ちゃったんだから仕方ないでしょう。あ、そうだなつめ。一応MP回復の歌ね」
「俺が言わなかったら戦わせてないだろうが!」
私はMP回復の歌を歌った。
何かこの二人、いつも言い合いと言うか喧嘩してるよね。
でもそう言えば、ファイヤーって、炎の石の時にMAXにしたよね? 使わなかったけど。
「ねえ、シシリー。炎の石の時にファイヤーMAXにしたよね? どうするつもりだったの? 私の知識では、同じ系統のモンスターに攻撃すると、回復しちゃったり半減したりなんだけど、このゲームは違うの?」
「MAXかよ……」
あ、やばい。つい言ってしまった。
使ってないのにMAXは、凄すぎるよね。バシップならアイテムをどうにかしてと誤魔化せるけど、攻撃魔法は使った回数だからね。
「本当は、こはるに使おうと思ったのよ。炎攻撃でもMP回復できるからさせようかなって思っていたんだけど、魔法攻撃は受けたくないってなったから思惑通りに行かなかったわ」
「歌があるのに、なつめにこはるを攻撃させるつもりだったのかよ」
「歌の方は、本当は内緒にさせるつもりだったんだけど、あなた達が喧嘩を始めるからでしょう」
あ、そう言えば、それがきっかけでMP回復の歌を歌ったんだっけ?
いやでも、それ言われてもやりたくない方法よ。
「たぶん、それなら歌を歌う方を選んでいたわ」
「そう。まあ次からは、なつめにも戦わせるわよ。なつめ、戦闘の時は、最初にチェンジのスキルよ。それからMP回復の歌。そして、ファイヤーよ」
「え? あ、うん」
「大丈夫かよ……」
「大丈夫よ。つど命令……じゃなかった伝えるから。で、MP回復の歌を歌って全回復しておくのよ」
「……はーい」
また命令って言ったよね?
私は、MP回復の歌を歌った。これでMPは、全回復をした。
「こほん。もう話はまとまったかな?」
「あ、忘れてた」
リューキさんに言われ、そうだったとミチルは言った。
私も忘れていたわ!
「ここからは、洞窟を螺旋状に下って行く事になるわ。一本道だし迷わないけど、ちょっと長いから走った方がいいけど」
「モンスターは、追いかけてくるのか?」
「ある程度までね。でも足が速いから逃げるのは無理よ。倒して進む事ね」
「OK! で、マップはどうなってる?」
「あ、いつの間にか表示されてる!」
ここに下りるまでは、マップは表示されていなかった。
ちゃんとモンスターも赤く表示されている。
「モンスターも把握できるか?」
「うん」
「だったらモンスターに、むやみに突っ込まなくてすみそうだな。シシリー、ちゃんと声掛け宜しくな!」
「わかったわ」
「うんじゃ、GO!」
そう言ってミチルは走り出した。
チラッとリューキさんを見ると、普通に走ってる!
この人が凄いのか、ゲームってこういうものなのか……。
段々、赤い点が近づいて来た。
「ストーップ!」
シシリーの掛け声で私達は、止まった。
「じゃ、まずは、魔法と物理攻撃の歌、物理防御の歌よ。それから近づいてからチェンジスキルを発動。バトルフィールド内に突入してからじゃないと、歌以外のスキルはダメだからね」
「わかったわ!」
私は頷いて、魔法攻撃の歌、物理攻撃の歌そして、物理防御の歌を歌った。
私とミチルの二人で、モンスターに近づいて行く。
「なつめOKよ!」
「ガードチェンジ!」
「攻撃力UP!」
さっきと同じモンスターが、目の前に五体現れた。
「多いな。俺は、こっちから攻撃するからなつめは左からな!」
「了解。じゃ、ファイヤーよ!」
ミチルは、右に向かいながら言った。
シシリーに言われた通り、私はファイヤーを唱える。
「ファイヤー」
ぼふん。一体倒れた!
「ファイヤー!」
ぼふん。魔法でもう一体倒れ、ミチルも一体倒した。
後残りは二体。
私は、MP回復の歌を歌い始める。
「二連荘しか出来ないのかよ!」
突然モンスターが、私の方に向かってきた!
「きゃー!!」
「ばか! 逃げる前に、歌を歌って攻撃だろう!」
だって! 大きなカエルだよ!
遠くからならまだいいけど、近づくなんていや!
「ミチル!」
「っち。もう! MP回復の歌を歌わせろ!」
ミチルは、私を追いかけて来たモンスターに攻撃をした! すると、モンスターは私を追いかけるのをやめた。よかったぁ!
「ほら、MP回復の歌!」
シシリーに急かされて、今度は最後までMP回復の歌を歌った。
「うわぁ!」
声に驚いて見ると、ミチルは倒れていた!
たぶん、さっきまで相手にしていたモンスターに攻撃を受けたんだと思う。
って、HPが、4分の1ぐらいしかないんだけど?
「まずいわ! さっきのモンスターにファイヤー! それからHP回復の歌!」
「えっと。ファイヤー! 優しい風よ。傷を癒せよ♪」
ファイヤーがモンスターに当たり倒れ、歌でミチルのHPが半分まで回復した!
よかったぁ!
「なつめ、物理攻撃の歌! その後、HP回復の歌よ!」
私は頷いて、物理攻撃の歌を歌った。
「サンキュ!」
そう言って、ミチルはモンスターに斬りかかって行く。
「優しい風よ。傷を癒せよ♪」
ミチルは、モンスターを倒した!
「やばかったぁ……。って! 逃げるのはいいけど、歌いながら逃げろ!」
まだ手にしていた剣を向けてミチルは私に言った。
「ごめ~ん」
ため息をしつつ、ミチルは剣を鞘にもどしたのだった。
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