ランクアップ!~枕が誘(いざな)う夢の世界で……

すみ 小桜(sumitan)

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ランク戦4後ろには気を付けて

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 「優しい風よ。傷を癒せよ♪」


 4分の1までいったん減ったミチルのHPは、全回復した。
 そう言えば、なんで一気に減ったんだろう?
 後ろから攻撃されたから? 場所って関係あるの?


 「ねえ、何で一気にHP減ったの?」

 「クリティカルだろう」

 「クリティカルは、1・5倍の威力があるのよ。それと歌の効果が切れたのよ」

 「あ、そっか。歌の効果が切れたのか」


 納得。歌の効果が切れて防御力が戻った所に、通常の1.5倍の攻撃を受けたって事ね。
 私だったら死んでるわね。


 「そう言えば、ここで死んだらどうなるの?」

 「コーデチェンジした神殿に、HPが半分になって戻るわ」

 「そうだったんだ」

 「どっちかが死んだらアウトだな……。さて、進むか」


 ミチルは、リューキさんが無事なのを確認すると、そう言って走り出した。


 「ところであとどれくらい?」

 「そうね。後一回、戦闘があるわ」

 「俺は、距離とか時間とか聞いたんだけど。まあいいや。後一回戦闘だな。了解!」


 走り続けていると、マップに何か違う場所が端に現れ始めた。


 「ストーップ」


 シシリーの合図で私達は止まった。
 赤い点は、八つある。さっきより多いけど大丈夫かな?


 「先に聞いておく。何体だ?」

 「八体」

 「げ! そんなにいるのかよ。さて、どうするかな」

 「そうね。なつめには、ずっと歌を歌ってもらう事になりそうね」

 「え!? ずっと?」

 「チェンジガードの後に、一回MP回復を歌ってからファイヤーを二回放つ。その後に、物理防御の歌を歌って、MP回復でしょう。それから……」

 「ちょっと待って! 覚えきれないわ! 戦いながらだし」

 「大丈夫。指示は出すわ。どうミチル、それでいい?」

 「いいけど、ただ逃げるだけはするなよ」

 「うん。わかった! 逃げながら歌うわ!」

 「じゃまずは、物理防御と物理と魔法攻撃の歌よ」

 私は頷いて、物理攻撃の歌と物理防御の歌、それと魔法攻撃の歌を歌った。
 歌い終わると、私とミチルは走り出す。


 「二人共OKよ」

 「攻撃力UP!」

 「ガードチェンジ!」


 ミチルは、モンスターに近づくけど、私はその場でMP回復の歌を歌う。


 「ファイヤー! ファイヤー!」


 そして、ファイヤーを連続攻撃! 二体を倒した。


 「物理防御の歌! そしてMP回復」


 頷いて物理防御の歌を歌い、それからMP回復の歌を歌う。


 「ファイヤー!」


 更に一体倒した。 その間に、ミチルも二体倒していた。


 《プレイヤーレベルが16になりました》


 あ、レベルアップした! やったー!


 「次は、物理攻撃の歌。そして魔法攻撃の歌。それからMP回復の歌よ!」


 シシリーに言われた通り、物理攻撃の歌、魔法攻撃の歌、MP回復の歌を歌った。
 って、リアルでもこんなに一生懸命歌った事ないわ!


 「悪いけど、HP回復も頼む!」


 ミチルを見れば、残りの三体に囲まれていた。
 HPが半分切っている!


 「優しい風よ。傷を癒せよ♪」


 私は、慌てて歌った!
 ミチルの体は、光に包まれ25%回復する。


 「サンキュ!」

 「なつめ! あと一息よ! ファイヤーよ!」

 「うん! ファイヤー!」


 ミチルが相手にしていた一体を倒すと、ミチルも一体倒す。
 後はきっと、ミチルが倒してくれるよね?
 私はMP回復の歌を歌うもファイヤーは唱えない。


 「優しい風よ。傷を癒せよ♪」


 ミチルが最後のモンスターを倒した!
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