15 / 43
ドンの声
しおりを挟む
やっぱり少なからず強制が働くようだ。腕輪を外したい……。でも毒針仕込みだと確定済みだから外せない。
「靴?」
そう呟くとドンは、ハッとして靴のクロラを見つめる。
やっぱり靴が何か知らなかったみたいだ。
「あの時のウサギ……」
「そうだ。あの時のウサギだ」
ドンの言葉を拾って、レックスさんはニヤリとそう返す。
あぁ、クロラだとバレた。
「その少年をご存じのようだな」
猫族がドンに言った。
っちと舌打ちしたドンは、レックスさんを睨みつける。そしてオレを見つめた。
今のセリフで、ドンが閣下だったと確定づけられたようだ。まあイミフだろうけど。
「ヒソカ、武器を出せ!」
さっきより強めに言われ、ごくりとオレは唾を飲み込んだ。彼の言葉には、強制力がある。召喚した者の特権なんだろうか。
『それは無理ね』
「え……」
突然、クロラが言って驚く。武器も装備の一部じゃないの?
『レベルに対して一体しか召喚できないわ。レベル1のご主人様は、私を召喚しているので、もうこれ以上召喚できないのよ。まあ、私を返還すれば、召喚できるけど』
あぁそういう意味か。でも素直にそう教えてやる必要もない。なのに素直に言っちゃいそうだ。うぐぐ……。
「……で、できません」
「何? 歯向かうのか」
「よせ!」
レックスさんが睨みつける。
二人が気が付いたみたい。オレが強制的に言わされていると。
「まさか、本当に彼を召喚したのか」
レックスさんの行動で、他種族の獣人達もドンがオレを操ろうとしていると気が付いたようだ。猫族の人が驚いて言った。
信じているようで、召喚の事はやっぱり信じきれていなかったらしい。
どうやら召喚された者は、召喚した者の言う事を聞くようになっているみたいだ。
「ヒソカ、召喚しろ。歯向かうな!」
「違う。いち……一日一回なんです!」
危なかった。一レベルにつき一体って言っちゃうところだった。
ふうっとドンが、仕方ないなと息をはく。
何とか抗う事ができたけど、これだと捕まれば明日召喚させられそうだ。
「やれ! ヒソカを捕らえろ!!」
「え~!」
「こっちへ」
犬族に言われ、二人は他種族に合流する。
なぜそこまでオレに執着するんだ。装備召喚ってそんなに魅力的か? だったとしても、こんな怖い国は嫌だ。
オレは、振り落とされない様に、必死にレックスさんにしがみつく。
レックスさんは、兵士が槍を振り回して来るので、攻撃を仕掛けられないでいる。防戦一方だ。こっちは素手だからなぁ。というか、魔法はないの? いやここで派手に魔法合戦されても困るけど、ちょっと見たかったなぁ。不謹慎だけど。
「ヤン殿、準備は?」
「終わりました。こちらへ!」
リス族の人が言う方へオレ達も向かう。って、目の前が真っ白に!
眩しい。ギュッと目を瞑った。
なんだろう。凄く静かになった気が……。
「え? どこ、ここ」
「我々、リス国との境界線近くです」
目を開けると、辺りは鬱蒼と茂る森に変わっていた。まさか、ワープした?
船から降りた先にあった森とは、植物の種類が違うみたい。もしかして、ベア族の国って広い?
「悪いがリス国で、取り調べを受けてもらう。よいな」
犬族の人がオレ達に言った。素直に頷いておく。
さて、魔の者をどういう扱いをするのか。お手柔らかにお願いします。
パーン。
何か花火の様な音が遠くで聞こえた。
「あれは、魔導発火だな」
何それ。
猫族の人が呟いた言葉に首を傾げていると、犬族の人が答えてくれた。
「合図を送る音を打ち上げたんだ。ほとんどの場合、種類によって内容が決まっている。たぶん私達が逃げたとか、逃がすなとかの合図だろう」
うーむ。準備がいいこって。
魔導って言うと、魔力とか魔石とかを使った道具だよね、きっと。もし仲良くなれたら色々聞いてみたいな。……というか、仲良くなりたい。助かる道はそれしかないから。
「靴?」
そう呟くとドンは、ハッとして靴のクロラを見つめる。
やっぱり靴が何か知らなかったみたいだ。
「あの時のウサギ……」
「そうだ。あの時のウサギだ」
ドンの言葉を拾って、レックスさんはニヤリとそう返す。
あぁ、クロラだとバレた。
「その少年をご存じのようだな」
猫族がドンに言った。
っちと舌打ちしたドンは、レックスさんを睨みつける。そしてオレを見つめた。
今のセリフで、ドンが閣下だったと確定づけられたようだ。まあイミフだろうけど。
「ヒソカ、武器を出せ!」
さっきより強めに言われ、ごくりとオレは唾を飲み込んだ。彼の言葉には、強制力がある。召喚した者の特権なんだろうか。
『それは無理ね』
「え……」
突然、クロラが言って驚く。武器も装備の一部じゃないの?
『レベルに対して一体しか召喚できないわ。レベル1のご主人様は、私を召喚しているので、もうこれ以上召喚できないのよ。まあ、私を返還すれば、召喚できるけど』
あぁそういう意味か。でも素直にそう教えてやる必要もない。なのに素直に言っちゃいそうだ。うぐぐ……。
「……で、できません」
「何? 歯向かうのか」
「よせ!」
レックスさんが睨みつける。
二人が気が付いたみたい。オレが強制的に言わされていると。
「まさか、本当に彼を召喚したのか」
レックスさんの行動で、他種族の獣人達もドンがオレを操ろうとしていると気が付いたようだ。猫族の人が驚いて言った。
信じているようで、召喚の事はやっぱり信じきれていなかったらしい。
どうやら召喚された者は、召喚した者の言う事を聞くようになっているみたいだ。
「ヒソカ、召喚しろ。歯向かうな!」
「違う。いち……一日一回なんです!」
危なかった。一レベルにつき一体って言っちゃうところだった。
ふうっとドンが、仕方ないなと息をはく。
何とか抗う事ができたけど、これだと捕まれば明日召喚させられそうだ。
「やれ! ヒソカを捕らえろ!!」
「え~!」
「こっちへ」
犬族に言われ、二人は他種族に合流する。
なぜそこまでオレに執着するんだ。装備召喚ってそんなに魅力的か? だったとしても、こんな怖い国は嫌だ。
オレは、振り落とされない様に、必死にレックスさんにしがみつく。
レックスさんは、兵士が槍を振り回して来るので、攻撃を仕掛けられないでいる。防戦一方だ。こっちは素手だからなぁ。というか、魔法はないの? いやここで派手に魔法合戦されても困るけど、ちょっと見たかったなぁ。不謹慎だけど。
「ヤン殿、準備は?」
「終わりました。こちらへ!」
リス族の人が言う方へオレ達も向かう。って、目の前が真っ白に!
眩しい。ギュッと目を瞑った。
なんだろう。凄く静かになった気が……。
「え? どこ、ここ」
「我々、リス国との境界線近くです」
目を開けると、辺りは鬱蒼と茂る森に変わっていた。まさか、ワープした?
船から降りた先にあった森とは、植物の種類が違うみたい。もしかして、ベア族の国って広い?
「悪いがリス国で、取り調べを受けてもらう。よいな」
犬族の人がオレ達に言った。素直に頷いておく。
さて、魔の者をどういう扱いをするのか。お手柔らかにお願いします。
パーン。
何か花火の様な音が遠くで聞こえた。
「あれは、魔導発火だな」
何それ。
猫族の人が呟いた言葉に首を傾げていると、犬族の人が答えてくれた。
「合図を送る音を打ち上げたんだ。ほとんどの場合、種類によって内容が決まっている。たぶん私達が逃げたとか、逃がすなとかの合図だろう」
うーむ。準備がいいこって。
魔導って言うと、魔力とか魔石とかを使った道具だよね、きっと。もし仲良くなれたら色々聞いてみたいな。……というか、仲良くなりたい。助かる道はそれしかないから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜
まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、
専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活
現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。
しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。
彼は大陸一の富を誇る名門貴族――
ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。
カイルに与えられたのは
・世界一とも言える圧倒的な財力
・財力に比例して増大する規格外の魔力
そして何より彼を驚かせたのは――
彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。
献身的なエルフのメイド長リリア。
護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。
さらに個性豊かな巨乳メイドたち。
カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。
すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――
「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」
領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、
時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、
最強の御曹司カイルは
世界一幸せなハーレムを築いていく。
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。
強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!
ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」
それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。
挙げ句の果てに、
「用が済んだなら早く帰れっ!」
と追い返されてしまいました。
そして夜、屋敷に戻って来た夫は───
✻ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる