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第48話 一歩近づきました
「へえ、きれいにしてるんだな」
ユイジュさんが僕の部屋を見渡して言った。
「というより、何もないな」
とダダルさん。
失礼な。机とベットがあるじゃないか。あと、今日購入した二人のお布団。
「失礼します。あのここに置きますね」
「すみません。ありがとうございます」
お母さんが、ジュースとダダルさんが持って来たクッキーを置いて行った。置くとこがないので、床にだけど。
セードさんは帰ったけど、二人は話があると僕の部屋に来た。ユイジュさんとダダルさんは床に座った。僕はベットに腰掛ける。そうすると、ぴょんとチェトが僕の膝の上に乗っかった。そのチェトを撫でると気持ちよさそうに目を細める。
「まるで犬だな」
ダダルさんがボソッと呟く。犬なんだけどね。
「で、お話ってなんですか?」
「うん。今回の事は、そこのサザナミだっけ? 彼が尻尾ではなく体当たりをして倒した事にしてもらっているからな」
「なんで?」
「なんでって。普通の犬は尻尾で人を投げ飛ばさないんだ。聖獣だとバレて一緒に入れなくなってもいいのか?」
ダダルさんの言った意味が、ユイジュさんの説明で理解した。それは困る。
「わかった。そういう事にする」
「あと、お前の怪力も見なかった事にしてもらったからな」
とダダルさん。
「怪力?」
「あのな。どんな力持ちでもスキルなしで、あの量は持ち上げられないんだ! 言っただろう。人前でスキルは使うなと」
そうユイジュさんに言われて、初めて人前で使ってしまった事に気がついた!
「本当だ。使ってた」
「使ってたって……はぁ。人前であのスピードで走るのもなしな。このままだと、スキル錬金の事が明るみに出る」
ユイジュさんがそういうけど、大丈夫そうだけどなぁ。
「知れたらだめなもん?」
「お前がいいならいいが、たぶんチェトが聖獣だとバレるのは確実だ。言って置くけど、聖獣を一個人で私有するのは認められないと思われる。使役出来るのなら使えとなるだろう。だがそれは、お前が思っているのとは違う。チェト達を前線に出しモンスターと戦わせたり、お前がさせたくないと思った事でもさせなくてはいけなくなる」
ダダルさんが険しい顔つきで言った。
「させたくない危険な事もって事かな? だったら嫌だな。別にそういう事をさせたい訳じゃない。一緒に冒険をしたいだけなんだ」
「だろう? 今回、お前はランクDに上がる」
「え? そうなの?」
「今回の依頼は、商店の人達の要望で、国が依頼した仕事だったんだ。死活問題だからな。で、それをEランクとDランクの二人でかたを付けた。というか、捕まった奴と賊の話を聞けば、お前がサザナミにやらせた様に見えている。つまりは、ほぼお前の業績なんだ」
「そう俺は捕まっていたからな」
「そうなると、Dランクに上げるに決まっている。Dランクからは、名指しで仕事の依頼を頼めるからな。ただなぁ……」
「ただなんですか?」
「お前がそんな格好をしているから犬を連れたお嬢さんっていう事になってしまっているぞ?」
「え~~!!」
そんな格好ってどんなだよ。たれ耳がついたフードなだけじゃないか。ちょっと背が低いけど、ツオレンさんだって僕が男だと気がついたのに!
「たれ耳がダメなのかな? 普通の耳なら……」
僕は、サザナミを見た。黒くてかわいい三角耳。
「耳から離れろ。まあそれもだろうけど、女性だと思われるのが嫌ならせめて上に外套を羽織れ」
ユイジュさんがそういうけど、走る時邪魔そうだ。でも間違われるのなら買うかな。それに、サザナミにもネックレスを買ってあげなくちゃ。
□
次の日僕はめでたく、ダダルさんが言う通りDランクになれた!
今回も昇格試験なしだ。
「やったぁ~! 二人のお蔭だよ」
『われは何もしておらんがな』
『あら、私何かしたかしら?』
「もう、そんな謙遜しなくても……」
「け、謙遜? お前がそんな言葉を知っているとはな!」
ユイジュさんが驚いている。失礼な! 初めて使ったけど知ってはいたよ!
「あの~~」
うん? 玄関からそっと建物内を覗く少女がいた。たぶん十歳ぐらいの子。
「あ、かわいい!」
目線は、チェト達だ。
タタタと入って来て、チェト達の前に屈んで右手でなでた。左手にはちょっと毛が長い茶色い犬を抱っこしている。
「きみ、ここは立ち入り禁止だよ」
ユイジュさんが言うと、顔を上げ何故か僕を見た。
「おねえちゃん! おねえちゃんだよね! きれいにブラッシングしたのって! この子みたいにラリーをふわふわにしてほしいの!」
どうやら抱っこしている子は、ラリーって言う様だけど、おねえちゃんって誰の事?
三人の笑い声が聞こえてきた。もしかして、僕の事? やっぱり外套を買おう。
「してやればいいんじゃないか? おねえちゃん」
とにやっとしてユイジュさんが言った。バカにして!!
「もう。その子、ラリーて言うんだ。かわいいね。あのね、フワフワで白い方がチェト。黒くてツヤツヤがサザナミって言うんだ。宜しくね」
「なぜ、本人同士は紹介しない……」
ボソッとユイジュさんが漏らす。あ、そう言えばそうだ。
「僕は、ロマド」
「私は、アルリア」
「その子をブラッシングすればいいのかな? でも、その前に洗おうか」
「うん」
『どうせなら、われも』
『あらいいわね。私も』
「はいはい。順番だよ」
「しかしロマドといると退屈しないな」
「あ、ダダルさんここで洗っていい?」
「ダメだ。外でしろ」
「はーい」
こうして建物の外で、ラリー達を綺麗にする事になった。
ユイジュさんが僕の部屋を見渡して言った。
「というより、何もないな」
とダダルさん。
失礼な。机とベットがあるじゃないか。あと、今日購入した二人のお布団。
「失礼します。あのここに置きますね」
「すみません。ありがとうございます」
お母さんが、ジュースとダダルさんが持って来たクッキーを置いて行った。置くとこがないので、床にだけど。
セードさんは帰ったけど、二人は話があると僕の部屋に来た。ユイジュさんとダダルさんは床に座った。僕はベットに腰掛ける。そうすると、ぴょんとチェトが僕の膝の上に乗っかった。そのチェトを撫でると気持ちよさそうに目を細める。
「まるで犬だな」
ダダルさんがボソッと呟く。犬なんだけどね。
「で、お話ってなんですか?」
「うん。今回の事は、そこのサザナミだっけ? 彼が尻尾ではなく体当たりをして倒した事にしてもらっているからな」
「なんで?」
「なんでって。普通の犬は尻尾で人を投げ飛ばさないんだ。聖獣だとバレて一緒に入れなくなってもいいのか?」
ダダルさんの言った意味が、ユイジュさんの説明で理解した。それは困る。
「わかった。そういう事にする」
「あと、お前の怪力も見なかった事にしてもらったからな」
とダダルさん。
「怪力?」
「あのな。どんな力持ちでもスキルなしで、あの量は持ち上げられないんだ! 言っただろう。人前でスキルは使うなと」
そうユイジュさんに言われて、初めて人前で使ってしまった事に気がついた!
「本当だ。使ってた」
「使ってたって……はぁ。人前であのスピードで走るのもなしな。このままだと、スキル錬金の事が明るみに出る」
ユイジュさんがそういうけど、大丈夫そうだけどなぁ。
「知れたらだめなもん?」
「お前がいいならいいが、たぶんチェトが聖獣だとバレるのは確実だ。言って置くけど、聖獣を一個人で私有するのは認められないと思われる。使役出来るのなら使えとなるだろう。だがそれは、お前が思っているのとは違う。チェト達を前線に出しモンスターと戦わせたり、お前がさせたくないと思った事でもさせなくてはいけなくなる」
ダダルさんが険しい顔つきで言った。
「させたくない危険な事もって事かな? だったら嫌だな。別にそういう事をさせたい訳じゃない。一緒に冒険をしたいだけなんだ」
「だろう? 今回、お前はランクDに上がる」
「え? そうなの?」
「今回の依頼は、商店の人達の要望で、国が依頼した仕事だったんだ。死活問題だからな。で、それをEランクとDランクの二人でかたを付けた。というか、捕まった奴と賊の話を聞けば、お前がサザナミにやらせた様に見えている。つまりは、ほぼお前の業績なんだ」
「そう俺は捕まっていたからな」
「そうなると、Dランクに上げるに決まっている。Dランクからは、名指しで仕事の依頼を頼めるからな。ただなぁ……」
「ただなんですか?」
「お前がそんな格好をしているから犬を連れたお嬢さんっていう事になってしまっているぞ?」
「え~~!!」
そんな格好ってどんなだよ。たれ耳がついたフードなだけじゃないか。ちょっと背が低いけど、ツオレンさんだって僕が男だと気がついたのに!
「たれ耳がダメなのかな? 普通の耳なら……」
僕は、サザナミを見た。黒くてかわいい三角耳。
「耳から離れろ。まあそれもだろうけど、女性だと思われるのが嫌ならせめて上に外套を羽織れ」
ユイジュさんがそういうけど、走る時邪魔そうだ。でも間違われるのなら買うかな。それに、サザナミにもネックレスを買ってあげなくちゃ。
□
次の日僕はめでたく、ダダルさんが言う通りDランクになれた!
今回も昇格試験なしだ。
「やったぁ~! 二人のお蔭だよ」
『われは何もしておらんがな』
『あら、私何かしたかしら?』
「もう、そんな謙遜しなくても……」
「け、謙遜? お前がそんな言葉を知っているとはな!」
ユイジュさんが驚いている。失礼な! 初めて使ったけど知ってはいたよ!
「あの~~」
うん? 玄関からそっと建物内を覗く少女がいた。たぶん十歳ぐらいの子。
「あ、かわいい!」
目線は、チェト達だ。
タタタと入って来て、チェト達の前に屈んで右手でなでた。左手にはちょっと毛が長い茶色い犬を抱っこしている。
「きみ、ここは立ち入り禁止だよ」
ユイジュさんが言うと、顔を上げ何故か僕を見た。
「おねえちゃん! おねえちゃんだよね! きれいにブラッシングしたのって! この子みたいにラリーをふわふわにしてほしいの!」
どうやら抱っこしている子は、ラリーって言う様だけど、おねえちゃんって誰の事?
三人の笑い声が聞こえてきた。もしかして、僕の事? やっぱり外套を買おう。
「してやればいいんじゃないか? おねえちゃん」
とにやっとしてユイジュさんが言った。バカにして!!
「もう。その子、ラリーて言うんだ。かわいいね。あのね、フワフワで白い方がチェト。黒くてツヤツヤがサザナミって言うんだ。宜しくね」
「なぜ、本人同士は紹介しない……」
ボソッとユイジュさんが漏らす。あ、そう言えばそうだ。
「僕は、ロマド」
「私は、アルリア」
「その子をブラッシングすればいいのかな? でも、その前に洗おうか」
「うん」
『どうせなら、われも』
『あらいいわね。私も』
「はいはい。順番だよ」
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「はーい」
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