【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
50 / 73

第50話 無料は魅力的

 「え~。なんで~。じゃ走っていく!」

 僕は猛烈に抗議する!

 「お前な、わがまま言うな!」

 ユイジュさんにはわからないんだ! これは、わがままではない事が!


 シャンプーとブラッシングをするのはチェト達だけとお達しが昨日出たというのに、今日来てみると僕宛てに仕事の依頼が来ていた。それがなんと! 『羊の毛を綺麗にする』というものだったんだ。
 遠いので馬車でとなった。でも、馬車だとチェト達を乗せれない。

 「いいか。遊びじゃないんだぞ」

 「わかってるよ! でも何日も家に帰れないなら連れて行く! って、羊の毛を綺麗にするだけなら僕とチェト達で行くからユイジュさんは、ここに残ればいいじゃないか。見回りもあるでしょう?」

 「あぁそうか! じゃ、勝手にしろ。馬車も使わずその村にちゃんと行けるのならな!」

 うん? 使わないで行くのって難しいの?

 「馬車でないと行けない場所なの?」

 「あのな、お前がその場所を知らなければ行けないだろうって話をしているんだ。乗り合い馬車なら迷うことなくそこに連れて行ってくれるんだぞ?」

 「あぁ。そっか。じゃ地図を買えばいいかな?」

 「言いわけないだろう。人前でスキルを使うなと言っただろう? スキルがないとおかしいスピードなんだから普通に行け!」

 「……もう馬でも借りて犬コロには走ってついて来てもらったらどうだ? それなら地図があれば行けるだろう? この前、お金が入ったんだ。それでいいんじゃないか」

 ダダルさんは、物分かりがいい!

 『いい考えだな。われはそれでもいいぞ。ついていく。毎日ブラッシングをしてもらわないと、調子がでないしな』

 『そうね。私も毎日してほしいわね』

 二人も大丈夫みたいだね。じゃ馬を探さないと。

 「ダダルさん! 何かあったらどうするんですか」

 「お前、結構心配性だな」

 「後処理する身にもなってくださいよ……」

 「ユイジュ。彼に来た仕事だ。アドバイスは出来ても強制は出来んぞ。一度失敗して懲りれば馬車にも乗るだろうし」

 「ありがとう。ダダルさん!」

 「但し、全部自分で責任を負うんだからな。自分で馬を見つけて地図を買って。その上で、期限までに依頼を終わらせる」

 「はい!」

 よし、やるぞ。

 「ユイジュ、ちょっと」

 ダダルさんがユイジュさんを手招きしている。

 「じゃ、僕は用意して出発しますね」

 「おぉ。気をつけれよ!」

 「はい! 行ってきます!」

 ダダルさんは送り出してくれたけど、ユイジュさんは渋い顔をしていた。
 そういえば、いつも乗っている馬車は何も言われないんだけどな。まあほとんどが僕しかいなかったりだけど。

 「地図と馬ってどこに行ったらいいんだろう?」

 『冒険者の街だろう?』

 「あ、そっか。そうだ! サザナミにもペンダントを買ってあげるね」

 『あらペンダント。嬉しいわ』

 僕達は冒険者の街へと向かった。
 そしてまずは、サザナミのペンダントを買った。色は紫。とっても似合う。

 「お? ロマドだっけか?」

 「あ、ツオレンさん」

 って、酒臭い。

 「一人か? ユイジュは?」

 「お留守番です。これから僕、エクールーセ村に行かなくてはいけなくて」

 「うーん。聞かない村だな。何しに行くんだ?」

 「依頼が来て、羊の毛を綺麗にしに」

 そう言うと、ツオレンさんはゲラゲラと笑い出した。

 「ヒ……ヒヒ。なんだそれ……。久々にお腹の底から笑ったよ」

 「そんなに笑わなくても」

 「まあそれなら一人でも行けるな」

 「あ、そうだ。地図ってどこで売ってますか?」

 「ここでも売っていただろう?」

 「あ、ここでも売っていたんだ」

 「どれ見てやる。こい」

 「え!?」

 頼んでないのにツオレンさんは、建物の中へと入って行った。
 中に入って姿を探し近づくと、ほれっと手渡された物は地図ではない。

 「あのこれ……何?」

 「マジカルマップ。腕に着けるタイプだ。これのいいところは、自分の位置がわかる事。まあ、セットしなくちゃいけないけどな。あと、魔力もいるなぁ。そういえば、おたく魔力持ちか?」

 「あ、はい。魔力持ちですけど。僕にこれ使えるかな? 魔力は少ないって言われたんだけど……」

 「おや、魔力持ちかい。だったらこっちだよ」

 「おぉ、そっか」

 お店の人に言われて、僕に渡したアイテムを棚に戻した。もう違うじゃないか。

 「こちらのが魔力持ち用。勿論、先ほどのでもお使い頂けますが、こちらですと腕に装着するだけで自分の魔力を使って作動してくれますので、いちいち魔力を込めなくて宜しいのです」

 「あぁ、なるほど」

 『待てロマド。紙の地図でよいだろう。わざわざ魔力を使わなくてもよい』

 「あ、紙の地図か……」

 「おや紙の方が宜しいですか? こちらの方が宜しいでしょう。今いる場所を登録すれば、魔力が切れない限り自分の居場所を把握できます。お買い上げいただければ、今いるこの場所のセットは無料でして差し上げますよ」

 「え? 無料で?」

 『おい。無料にとか抱き合わせに弱すぎだ!!』

 チェトはそう言うけど、無料だよ。よく考えれば、魔力を使うと言う事は最大魔力が増えるって事じゃないか!

 「買います。いくらですか?」

 「五万テマです」

 凄く高かった!!
感想 34

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

没落貴族と拾われ娘の成り上がり生活

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
 名家の生まれなうえに将来を有望視され、若くして領主となったカイエン・ガリエンド。彼は飢饉の際に王侯貴族よりも民衆を優先したために田舎の開拓村へ左遷されてしまう。  妻は彼の元を去り、一族からは勘当も同然の扱いを受け、王からは見捨てられ、生きる希望を失ったカイエンはある日、浅黒い肌の赤ん坊を拾った。  貴族の彼は赤子など育てた事などなく、しかも左遷された彼に乳母を雇う余裕もない。  しかし、心優しい村人たちの協力で何とか子育てと領主仕事をこなす事にカイエンは成功し、おまけにカイエンは開拓村にて子育てを手伝ってくれた村娘のリーリルと結婚までしてしまう。  小さな開拓村で幸せな生活を手に入れたカイエンであるが、この幸せはカイエンに迫る困難と成り上がりの始まりに過ぎなかった。

無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する

タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。 社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。 孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。 そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。 追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

悪女の針仕事〜そのほころび、見逃しません!〜

陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
ファンタジー
公爵令嬢として生まれながら、子ども時代からメイドや周囲の陰謀で、次々と濡れ衣を着せられ、「悪女」扱いされてきたミリアム。 第3王子との婚約を聖女に奪われ、聖女への嫌がらせの冤罪で国外追放された後、平民として生き延びる中で、何度も5年前へのロールバック(逆行)を繰り返すことに。 生計をたてる為に、追放後の平民生活で極めた針仕事が、ロールバックが繰り返されることで、針仕事の能力だけは引き継がれ、天才的な実力を手に入れる。 その時女神「アテナ」の加護を得て、2つの力を手にすることに。 「加護縫い」 (縫った布に強力な祝福を込められる) 「嘘のほころびを見抜く力」 (相手の嘘を布のほころびとして視覚的に捉え、引き抜く、または繕うことで、真実を暴いたり修正したりする) を手にしたミリアムは、5歳の幼女時代まで遡り、2つの力で悪評をぬりかえ、仲違いしていた家族も、加護の力を与えることで協力な味方へと変貌。 さらに、女神から可愛いしもべ「アリアドネ」を授かり、元婚約者と聖女にザマァを狙う中、加護縫いの能力が最も高い人間を王太子妃に迎える決まりのある大国、ルーパート王国の王子が近付いて来て……?

神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として

たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。 だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。 一度目では騙されて振られた。 さらに自分の力不足で全てを失った。 だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。 ※他サイト様にも公開しております。 ※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※ ※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!

加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。 カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。 落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。 そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。 器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。 失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。 過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。 これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。 彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。 毎日15:10に1話ずつ更新です。 この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。