38 / 63
第38話 呪いの魔導士リレイスタル
しおりを挟む
『この部屋はもしかしたら処罰対象の冒険者を一時的に入れておく部屋かもな』
僕が落ち込んでいるのに、追い打ちをかけるような言葉言わないで。僕は何もしてないじゃないか!
『この部屋がそうだと言っただけで、君が処罰対象の人物だとは言っていない。まあ勝手に出歩かないようにしたのだろうけどな』
「だからって閉じ込めなくても……うん?」
リルがポーチの中で暴れている。
『出たいのだろう。出してやったらどうだ』
そうだね。暇だし。
ポーチから出して床に降ろした。
リルは、嬉しそうに駆け回り始めた。
「凄く元気になったね」
『うーん。魔素酔いは、君が魔素空間を作成した時にリルの魔素も抜いたと思われるのだが、なぜ急に元気になったのかがわからないな』
え? ハイヒールしたからじゃないの?
『もし魔素空間を作成した時に魔素を抜き、魔素酔い状態でなくなっていたのならば、普通は君が言った通りハイヒールで元気になっただろう。だが二度掛けたがその時は、元気にならなかった。魔素酔いが治ったのは、魔素空間を作成した時しかないはずなのだが……』
たしかにそうかも。
『何が原因だ? そうだ。鑑定で確認してみろ』
え? 僕は詳しく見れないからやっても変わらないと思うよ。
『何か変わっているかもしれないだろうが』
わかったよ。
「リルおいで」
そういうと、一目散に駆け寄ってきた。なんてかわいいんだ!
「ちょっとごめんよ。鑑定」
魔狼『リル』総合レベル:1
HP:22/100
MP:110/500
魔法:疾走
「あぁ! 名前にリルが!」
『それよりHPとMPを見ろ!』
「あれ? 最大値が増えている。でもレベルが1のままだ。どういう事?」
『これも憶測だが、能力封印をされていたかもしれない。たぶんキモンもそれに気が付き、君に預けても大丈夫と言ったのかもしれないな』
「じゃ、あの時はまだ封印されていたって事? え? いつ封印が解かれたの?」
『この仮説で行けば、あの鈴の音だろうな』
「そっか! え? あれってそういう事もできるの?」
『あのスライムはカモフラージュかもしれんな……』
トントントン。
『だれか来たな』
「はい?」
「ディルダスだ。入るぞ」
ディルダスさんの顔には笑顔はない。なんとなく、怖いんだけど。
「君と二人っきりで話がしたかっくてな」
「ぼ、僕と?」
なんだろう? リルの事かな?
『さあな』
「魔眼だが、本当にもらった箱を開け偶然手に入れた魔法なのか?」
「え?」
魔眼? なぜそんな事を今更?
「話した通りです。まあ普通は開けないかもしれませんが」
「呪いがある魔法だと知っていて、手に入れたというわけではないのだな?」
「え? 何それ。呪われた魔法なら普通、いらないでしょ」
呪い耐性があったって、そんな魔法いらないよ。だいたいどんな魔法かも取得してから知ったのに。
「これは、ほとんど知られていないが、呪われた魔法は作られた魔法なのだ」
「え? 作られた? あ、魔法陣とかと一緒って事?」
「いいや違う」
ディルダスさんは、首を大きく横に振った。
「一人の人物によって作られた。その者は、呪いの魔導士と言われ――」
呪いの魔導士? って……。
『………』
「その魔導士の名は、リレイスタル」
「え、うそ。呪いの魔法を作ったのはリレイスタルさん?」
ど、どういう事!?
『はぁ……。単純そうな少年だから上手く行くかと思ったが、余計な事を教える者がいるとはな。この時代の者は知らないようだったのに』
何それ! 僕をだましたの!?
『ほぼ言った事は本当だ。ただし封じたのは己自身。魔眼の力を使ってな』
「えー!!」
「お、落ち着け!」
「あ……すみません」
そうだった。ディルダスさんと会話しているんだった。
「あの、その話、もう少し詳しく教えてください!」
「いいだろう。ただし、古い文献にしか載っていない話だから殆どの知られておらず、俺も魔眼の呪いの話を聞くまでは与太話だと思っていた。呪いの魔導士は、魔法を幾つか作成したらしいが、それは全て呪いの魔法だった」
「……うん? それだけ?」
ジッと僕の様子をうかがっていたディルダスさんが、深いため息をついた。
「本当に何も知らないようだな。この話は、冒険者より元貴族の子孫共の方が興味があるようで、その呪いの魔法を手に入れようとしている者もいる」
「え? 呪われるのに?」
「呪いと引き換えに、凄い力を手に入れられるらしいからな。ただし、手に入れる方法は記されていない。だが俺は、命と引き換えではないかと思っている。つまりそれが、呪いだ」
命……たしかに、魔眼もそんな感じかも? あれでも、自分で作ったのになんでそんな風にしたんだ? もう意味わかんないよ!
僕が落ち込んでいるのに、追い打ちをかけるような言葉言わないで。僕は何もしてないじゃないか!
『この部屋がそうだと言っただけで、君が処罰対象の人物だとは言っていない。まあ勝手に出歩かないようにしたのだろうけどな』
「だからって閉じ込めなくても……うん?」
リルがポーチの中で暴れている。
『出たいのだろう。出してやったらどうだ』
そうだね。暇だし。
ポーチから出して床に降ろした。
リルは、嬉しそうに駆け回り始めた。
「凄く元気になったね」
『うーん。魔素酔いは、君が魔素空間を作成した時にリルの魔素も抜いたと思われるのだが、なぜ急に元気になったのかがわからないな』
え? ハイヒールしたからじゃないの?
『もし魔素空間を作成した時に魔素を抜き、魔素酔い状態でなくなっていたのならば、普通は君が言った通りハイヒールで元気になっただろう。だが二度掛けたがその時は、元気にならなかった。魔素酔いが治ったのは、魔素空間を作成した時しかないはずなのだが……』
たしかにそうかも。
『何が原因だ? そうだ。鑑定で確認してみろ』
え? 僕は詳しく見れないからやっても変わらないと思うよ。
『何か変わっているかもしれないだろうが』
わかったよ。
「リルおいで」
そういうと、一目散に駆け寄ってきた。なんてかわいいんだ!
「ちょっとごめんよ。鑑定」
魔狼『リル』総合レベル:1
HP:22/100
MP:110/500
魔法:疾走
「あぁ! 名前にリルが!」
『それよりHPとMPを見ろ!』
「あれ? 最大値が増えている。でもレベルが1のままだ。どういう事?」
『これも憶測だが、能力封印をされていたかもしれない。たぶんキモンもそれに気が付き、君に預けても大丈夫と言ったのかもしれないな』
「じゃ、あの時はまだ封印されていたって事? え? いつ封印が解かれたの?」
『この仮説で行けば、あの鈴の音だろうな』
「そっか! え? あれってそういう事もできるの?」
『あのスライムはカモフラージュかもしれんな……』
トントントン。
『だれか来たな』
「はい?」
「ディルダスだ。入るぞ」
ディルダスさんの顔には笑顔はない。なんとなく、怖いんだけど。
「君と二人っきりで話がしたかっくてな」
「ぼ、僕と?」
なんだろう? リルの事かな?
『さあな』
「魔眼だが、本当にもらった箱を開け偶然手に入れた魔法なのか?」
「え?」
魔眼? なぜそんな事を今更?
「話した通りです。まあ普通は開けないかもしれませんが」
「呪いがある魔法だと知っていて、手に入れたというわけではないのだな?」
「え? 何それ。呪われた魔法なら普通、いらないでしょ」
呪い耐性があったって、そんな魔法いらないよ。だいたいどんな魔法かも取得してから知ったのに。
「これは、ほとんど知られていないが、呪われた魔法は作られた魔法なのだ」
「え? 作られた? あ、魔法陣とかと一緒って事?」
「いいや違う」
ディルダスさんは、首を大きく横に振った。
「一人の人物によって作られた。その者は、呪いの魔導士と言われ――」
呪いの魔導士? って……。
『………』
「その魔導士の名は、リレイスタル」
「え、うそ。呪いの魔法を作ったのはリレイスタルさん?」
ど、どういう事!?
『はぁ……。単純そうな少年だから上手く行くかと思ったが、余計な事を教える者がいるとはな。この時代の者は知らないようだったのに』
何それ! 僕をだましたの!?
『ほぼ言った事は本当だ。ただし封じたのは己自身。魔眼の力を使ってな』
「えー!!」
「お、落ち着け!」
「あ……すみません」
そうだった。ディルダスさんと会話しているんだった。
「あの、その話、もう少し詳しく教えてください!」
「いいだろう。ただし、古い文献にしか載っていない話だから殆どの知られておらず、俺も魔眼の呪いの話を聞くまでは与太話だと思っていた。呪いの魔導士は、魔法を幾つか作成したらしいが、それは全て呪いの魔法だった」
「……うん? それだけ?」
ジッと僕の様子をうかがっていたディルダスさんが、深いため息をついた。
「本当に何も知らないようだな。この話は、冒険者より元貴族の子孫共の方が興味があるようで、その呪いの魔法を手に入れようとしている者もいる」
「え? 呪われるのに?」
「呪いと引き換えに、凄い力を手に入れられるらしいからな。ただし、手に入れる方法は記されていない。だが俺は、命と引き換えではないかと思っている。つまりそれが、呪いだ」
命……たしかに、魔眼もそんな感じかも? あれでも、自分で作ったのになんでそんな風にしたんだ? もう意味わかんないよ!
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!
川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。
だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。
だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。
馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。
俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる