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第三章 仕掛けられた罠
第三十五話
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トントンとドアをノックし、粥を持ってベネットが入って来る。
「少しでもいいので食べましょう?」
ベネットがそう言った時、ティモシーのお腹がぐ~~っとなり、ティモシーは顔を赤らめる。
「体の方は、食べたいみたいね」
にっこりほほ笑んでベネットはそう言った。
ティモシーは、受け取ると食べ始める。
「おいしい……」
「良かったは食欲はありそうね。さて、私はおいとましますね」
「すまない。助かった」
ランフレドが立ち上がりそう言うと、ベネットは首を横にふる。
「ティモシー、落ち着いたら仕事に復帰してね。皆、待ってるから……」
ティモシーは、こくん静かに頷いた。
ランフレッドは、彼女を玄関まで送った。そして、戻って来ると言いづらそうに口を開く。
「あのさ、明日から仕事にいかなきゃならない。客人が来るからルーの護衛しなくてはいけなくて……。一人で大丈夫か?」
ティモシーはそれを聞いて初めて、ランフレッドが仕事を休んで自分を看病していた事に気づく。
「大丈夫だ。仕事休ませてゴメン……」
頷いてそう答えた。
「そうか。後、もう一つお願いがあるんだ……」
そう言って、また膝をおり、ティモシーに目線の高さを合わせる。
「今回、エイブが魔術師だった事は伏せられている。だからお前が見た事は誰にも言わないでほしい。これはお前を守る為でもある。それと……エイブはお前に手を出そうとして俺に半殺しの目に遭い、王宮を追放された事になっている。ごめんな。好奇な目で見られるかもしれない……」
「大丈夫だ。そういうのは慣れてる……」
「俺、最初から間違ていたのかもな……」
そう言ってランフレッドは、ティモシーの髪に触れた。
「女じゃなくて、男として振るわせればよかった。そうしたら、こんな事になってなかった……。やがっていたしな……。って、お前、なんで髪伸ばしてるんだ?」
話していてふと、ランフレッドは疑問に思った。似合っていたので特段気にしていなかったが、女に見られるのがいやなら、せめて髪を切れば印象が違うのに何故だろうかと。
「……母さんが伸ばせって言うから」
目を伏せてティモシーは答えた。
どんだけ母親が好きなんだとランフレッドは思うが、母親が髪を伸ばせと言った理由は、魔術師に由来する。別に魔術師として暮らす訳ではないので伸ばす必要もないのだが、父親に反抗する唯一の手段だった為に母親の言う通り伸ばしていただけだった。
だがランフレッドにそう問われ、ティモシーは気が付いた。薬師になったのなら父親に反抗する意味はないので切ってもよかった。もう今更の話であるが。
「……切ろうかな」
「そうだな。気分転換もかねて……。明日、出来るだけ早く帰って来るからさ。切りに行こう」
ティモシーは頷く。
粥を食べ終わったティモシーは、また横になった。髪を切ればきっと少しは気分は晴れると、眠りについた。
翌日、約束通り午前中にランフレッドが帰って来た。思ったより早いと着替えていると、『話がある』と言われ、居間で話を聞く事になった。
ランフレッドはすまなそうに切り出す。
「髪を切りにいけなくなった……」
「え? なんで?」
「レオナール王子がお前と会いたいと言い出して……」
初めて聞く名前にティモシーは、誰だよという顔をして返す。
「昨日言っていた客人だ。隣国ハルフォード国の第一王子。……わかる事だから先に言っておく、彼は魔術師だ……」
ティモシーは、一瞬耳を疑った。ガタッと勢いよく立ち上がる。
「嫌だよ! なんで会わなくちゃいけないんだ!」
「落ち着けって! 別にお前に何かしようとかじゃなくて、ほら、エイブに何かされたんだろう? 刻印だっけ? それ診てくれるようだ」
それを聞いてもティモシーは首を横に振る。
「大体、なんで関係ない国の人に話してるんだ!」
「関係あるんだ。話すから座れって……」
ティモシーは、そう言われ渋々座った。
聞きたいような聞きたくないような心境だった。
大きく息を吸い込むと、ランフレッドは語り出した……。
「少しでもいいので食べましょう?」
ベネットがそう言った時、ティモシーのお腹がぐ~~っとなり、ティモシーは顔を赤らめる。
「体の方は、食べたいみたいね」
にっこりほほ笑んでベネットはそう言った。
ティモシーは、受け取ると食べ始める。
「おいしい……」
「良かったは食欲はありそうね。さて、私はおいとましますね」
「すまない。助かった」
ランフレドが立ち上がりそう言うと、ベネットは首を横にふる。
「ティモシー、落ち着いたら仕事に復帰してね。皆、待ってるから……」
ティモシーは、こくん静かに頷いた。
ランフレッドは、彼女を玄関まで送った。そして、戻って来ると言いづらそうに口を開く。
「あのさ、明日から仕事にいかなきゃならない。客人が来るからルーの護衛しなくてはいけなくて……。一人で大丈夫か?」
ティモシーはそれを聞いて初めて、ランフレッドが仕事を休んで自分を看病していた事に気づく。
「大丈夫だ。仕事休ませてゴメン……」
頷いてそう答えた。
「そうか。後、もう一つお願いがあるんだ……」
そう言って、また膝をおり、ティモシーに目線の高さを合わせる。
「今回、エイブが魔術師だった事は伏せられている。だからお前が見た事は誰にも言わないでほしい。これはお前を守る為でもある。それと……エイブはお前に手を出そうとして俺に半殺しの目に遭い、王宮を追放された事になっている。ごめんな。好奇な目で見られるかもしれない……」
「大丈夫だ。そういうのは慣れてる……」
「俺、最初から間違ていたのかもな……」
そう言ってランフレッドは、ティモシーの髪に触れた。
「女じゃなくて、男として振るわせればよかった。そうしたら、こんな事になってなかった……。やがっていたしな……。って、お前、なんで髪伸ばしてるんだ?」
話していてふと、ランフレッドは疑問に思った。似合っていたので特段気にしていなかったが、女に見られるのがいやなら、せめて髪を切れば印象が違うのに何故だろうかと。
「……母さんが伸ばせって言うから」
目を伏せてティモシーは答えた。
どんだけ母親が好きなんだとランフレッドは思うが、母親が髪を伸ばせと言った理由は、魔術師に由来する。別に魔術師として暮らす訳ではないので伸ばす必要もないのだが、父親に反抗する唯一の手段だった為に母親の言う通り伸ばしていただけだった。
だがランフレッドにそう問われ、ティモシーは気が付いた。薬師になったのなら父親に反抗する意味はないので切ってもよかった。もう今更の話であるが。
「……切ろうかな」
「そうだな。気分転換もかねて……。明日、出来るだけ早く帰って来るからさ。切りに行こう」
ティモシーは頷く。
粥を食べ終わったティモシーは、また横になった。髪を切ればきっと少しは気分は晴れると、眠りについた。
翌日、約束通り午前中にランフレッドが帰って来た。思ったより早いと着替えていると、『話がある』と言われ、居間で話を聞く事になった。
ランフレッドはすまなそうに切り出す。
「髪を切りにいけなくなった……」
「え? なんで?」
「レオナール王子がお前と会いたいと言い出して……」
初めて聞く名前にティモシーは、誰だよという顔をして返す。
「昨日言っていた客人だ。隣国ハルフォード国の第一王子。……わかる事だから先に言っておく、彼は魔術師だ……」
ティモシーは、一瞬耳を疑った。ガタッと勢いよく立ち上がる。
「嫌だよ! なんで会わなくちゃいけないんだ!」
「落ち着けって! 別にお前に何かしようとかじゃなくて、ほら、エイブに何かされたんだろう? 刻印だっけ? それ診てくれるようだ」
それを聞いてもティモシーは首を横に振る。
「大体、なんで関係ない国の人に話してるんだ!」
「関係あるんだ。話すから座れって……」
ティモシーは、そう言われ渋々座った。
聞きたいような聞きたくないような心境だった。
大きく息を吸い込むと、ランフレッドは語り出した……。
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