【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました

すみ 小桜(sumitan)

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第七章 彼と彼女の復讐劇

第七十四話

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 夕方、ダグが部屋に来た。

 「あぁ、疲れた」
 「えっと。お疲れ様です」

 ドカッとダグは、ティモシーの横に座った。

 「そう言えば、あの事どうなった?」
 「あの事って?」

 ダグはティモシーを見て眉を寄せる。

 「ビン壊しちゃった事だよ」
 「あぁ、オーギュストさんに伝えた。名前はザイダさんだって。調合は、今日の分は間に合うって言っていた」
 「そうか」

 ダグには、今日あった出来事は言わないでおいた。色々あって疲れていて説明が面倒だったし、これ以上迷惑も掛けられない。ティモシーも少しは成長したのである。

 「もし辛かったら、部屋に戻って休んでもいいんだぜ。お前、休養中なんだし」

 ティモシーは、無意識に左肩を擦っていた。

 「あ、うん。そうするかな……」
 「大丈夫か? 部屋まで送ろうか?」

 思ったより元気がなさそうに見え、ダグはそう声を掛ける。

 「え? あ、大丈夫! 三階に降りるだけだし」
 「そうか。じゃ、また明日な」
 「うん。また明日」

 そう返しティモシーは、部屋に戻った。


     ☆~~~~~☆~~~~~☆~~~~~☆


 「ティモシーさん」

 そう呼ばれてティモシーは、目を覚ました。目を開けるとエイブが顔を覗き込んでいた。

 「え!」

 驚くも体は動かない。そして、覗き込んでいたと思ったエイブと立って向き合っていた。周りは暗闇だ。なのになぜか彼の姿はちゃんと見えていた。

 「こんばんは。今日はなんか体調悪そうだね?」
 「………」

 (なんだろう? これ前にもあった? ……あ、これ夢か……)

 ボーっとする頭でそう考える。

 「今日は何していたの?」

 ふと、ザイダの事を思い出す。エイブは彼女を知っているのだろうか? ティモシーはそう思うと口にしていた。

 「ザイダさんに会った。エイブさんを知っている感じだったけど……」
 「ザイダさん? あぁ、あの人……気が強かっただろう? 俺はあまり好きなタイプじゃないな。ティモシーさんはどう?」

 そんな質問を振られると思っていなかったティモシーは、慌ててしまい本音をこぼす。

 「え? いや、あの人とはもう関わりたくないというか……」
 「だよね? でもあの人、しつこいから気を付けて」

 エイブは心配そうにそう声を掛けて来た。つい、ティモシーは頷いた。

 「でもどうやって知り合ったの? あ、調合室近いか……」

 エイブは、右手を顎に持っていき考えるしぐさをする。

 「あ、ぶつかってビン壊しちゃって……」
 「あらら。怪我しなかったかい?」
 「あ、それは大丈夫。でも、調合薬無駄にしちゃった」

 ため息をしつつティモシーは答えた。いつの間にか警戒心を解いて話していた。

 「ところで君、家には帰ってる?」
 「家? なんで?」
 「何となくね」

 ジッとエイブはティモシーを見つめる。答えなくてはいけない気がしてティモシーは口を開く。

 「今、王宮に泊まってるんだ」
 「そう。だからずっと近くにいる感じがしてたんだ……」
 「え?」
 『ティモシー……』

 誰かの声が聞こえティモシーは辺りを見渡すも誰もいない。そして、エイブの姿も消えていた――。
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