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第36話
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次の日、学園に行くと昨日クラブで私を見たと言った令息が、謝りに来た。
「思い込みでした。申し訳ありませんでした。馬車が……」
「ごほん」
「いえ、髪色が似ていたのでそう思ってしまって。本当に申し訳ありませんでした」
何か今、フランシスク様が咳ばらいをして、彼の言葉を遮ったように感じたけど、そんなわけないわよね。
「いえ。わかってくれてよかったわ」
「あの、ひとつ聞きたいのですが……」
何かしら? オドオドしてフランシスク様の反応を伺いながら私に訪ねている。
「今日乗っていた馬車は、いつからあったのですか!」
はい? なぜそんな質問を?
しかも勇気を振り絞って聞いて来ていない?
「いつって。一昨日の夕方に届いて、昨日から通学に使っているわ。おかげで置いて行かれる事もなくなって、フランシスク様にもご迷惑を掛けずに済みますわ」
「え? 一昨日? 一昨日の夜にはあったのですか!?」
「はい。そうです」
なんだろう。凄く驚いている。
「本当にごめんなさい」
そして、また謝って来たのだけど?
「もういいわ。でも聞くなら考えた行動を取って欲しかったわ。今みたいに」
フランシスク様に呼ばれて、人が来ない場所で彼は謝って来た。昨日もこうやって聞いてくれば、大事になっていないと思うわ。
「そう言えば、ダマレドゴ嬢は?」
彼女が主犯でしょうに。
「彼女は、停学中だ」
フランシスク様が困り顔でそう答えた。
「そう……」
「君が気に病む必要はないからね。彼女が、私達を貶めようとして、やった事だから。こうやって陰で君に確認をしていれば、停学になんてならなかったのに」
「俺もちゃんと彼女に確かな情報を伝えていれば、こうはならなかった」
「彼には、君にきちんと謝る事とクラスメイトにきちんと誤解だったと伝えるが条件で停学が免れた」
まあ彼も正義感でこうなったからね。間違ったやり方だったけど。
ユゲット嬢は、私達を嵌めようとしたと言うより、噂に踊らされてる感じがしたわね。
クラブに出入りしているというのは、彼女が流した噂ではないみたいだし。
「それと今日、ウルミーシュ子爵令嬢にも話を聞く事になっている」
「え? アンナに?」
「詳しくは言えないが、彼女の事だ。君のせいだと言ってくるかもしれないからね」
「はい……」
アンナが嘘の噂を流したの?
私を貶める為に? どうして?
あれ? でもパスータン令息は、本当に私を見たと思ったのよね? 昨日は、私だったと言い切っていたわ。でも私ではない。ではどうしてそう思ったのかしら。
『いつもの馬車に乗り込んだのを見ました』
そうだわ。馬車で判断したんだわ。
え? じゃ、私とアンナを間違えたって事?
嘘! もうそんな相手がいるの!?
落ち着いて私。
まずは、家に帰ったらエルダ夫人に……待って。昨日、エルダ夫人は何と言った?
『ウルミーシュ子爵家の馬車は使われてはいない』
と言っていたわ。
でも実際は使われていた。
エルダ夫人も知っているんだわ。アンナにそういう方がいる事を。……あれ? 何か変。
あ! その噂がアンナの事だと知っていて私の噂がどうとか言ったのよね?
ではそもそもあの噂ってエルダ夫人が仕組んだって事?
フランシスク様を屋敷に来なくする為に!? これ知れたらただじゃすまないと思うけど。
でも相手はだれ? 本当にそういう相手がいたのを利用したの?
いやいや。そもそも、学園に通う年齢で隠れて行く場所ではないわ。だって、婚約者になればいいのだもの。
そうなれないのなら、相手に婚約者がいるって事よね。それを利用しようとは思わないわよね。
それに、クラブで私達が逢瀬しているなどという噂は、立てないとそんな噂は生まれないわ。
数時間屋敷に居れば、逢瀬の場所は屋敷になるのだから。
それなのにユゲット嬢は、確信をしていたのよね。まあクラブで私達を見たと言う噂があったからだけど。
あ、私を置いて行くのも作戦の内だったのね。私をフランシスク様の馬車に乗せて真実味を持たせる為に!
でも一昨日、急にフランシスク様がこれで最後といい、新しい馬車が急に届いた。
本当はきっと、一昨日に決行するつもりはなかったけど、その日にしかできなくなってしまったのよ。
学校に通っていた馬車でないと、私だと思わせる事ができないもの。通学と同じの馬車を目撃させるのは、その日しかなかった。
だから見張りを始めたその日の目撃になったのよ。
じゃ、急遽頼める相手って、ガストン様!?
ま、まさかよね? 何事がなかったとしても、誓約に触れるでしょう!!
「思い込みでした。申し訳ありませんでした。馬車が……」
「ごほん」
「いえ、髪色が似ていたのでそう思ってしまって。本当に申し訳ありませんでした」
何か今、フランシスク様が咳ばらいをして、彼の言葉を遮ったように感じたけど、そんなわけないわよね。
「いえ。わかってくれてよかったわ」
「あの、ひとつ聞きたいのですが……」
何かしら? オドオドしてフランシスク様の反応を伺いながら私に訪ねている。
「今日乗っていた馬車は、いつからあったのですか!」
はい? なぜそんな質問を?
しかも勇気を振り絞って聞いて来ていない?
「いつって。一昨日の夕方に届いて、昨日から通学に使っているわ。おかげで置いて行かれる事もなくなって、フランシスク様にもご迷惑を掛けずに済みますわ」
「え? 一昨日? 一昨日の夜にはあったのですか!?」
「はい。そうです」
なんだろう。凄く驚いている。
「本当にごめんなさい」
そして、また謝って来たのだけど?
「もういいわ。でも聞くなら考えた行動を取って欲しかったわ。今みたいに」
フランシスク様に呼ばれて、人が来ない場所で彼は謝って来た。昨日もこうやって聞いてくれば、大事になっていないと思うわ。
「そう言えば、ダマレドゴ嬢は?」
彼女が主犯でしょうに。
「彼女は、停学中だ」
フランシスク様が困り顔でそう答えた。
「そう……」
「君が気に病む必要はないからね。彼女が、私達を貶めようとして、やった事だから。こうやって陰で君に確認をしていれば、停学になんてならなかったのに」
「俺もちゃんと彼女に確かな情報を伝えていれば、こうはならなかった」
「彼には、君にきちんと謝る事とクラスメイトにきちんと誤解だったと伝えるが条件で停学が免れた」
まあ彼も正義感でこうなったからね。間違ったやり方だったけど。
ユゲット嬢は、私達を嵌めようとしたと言うより、噂に踊らされてる感じがしたわね。
クラブに出入りしているというのは、彼女が流した噂ではないみたいだし。
「それと今日、ウルミーシュ子爵令嬢にも話を聞く事になっている」
「え? アンナに?」
「詳しくは言えないが、彼女の事だ。君のせいだと言ってくるかもしれないからね」
「はい……」
アンナが嘘の噂を流したの?
私を貶める為に? どうして?
あれ? でもパスータン令息は、本当に私を見たと思ったのよね? 昨日は、私だったと言い切っていたわ。でも私ではない。ではどうしてそう思ったのかしら。
『いつもの馬車に乗り込んだのを見ました』
そうだわ。馬車で判断したんだわ。
え? じゃ、私とアンナを間違えたって事?
嘘! もうそんな相手がいるの!?
落ち着いて私。
まずは、家に帰ったらエルダ夫人に……待って。昨日、エルダ夫人は何と言った?
『ウルミーシュ子爵家の馬車は使われてはいない』
と言っていたわ。
でも実際は使われていた。
エルダ夫人も知っているんだわ。アンナにそういう方がいる事を。……あれ? 何か変。
あ! その噂がアンナの事だと知っていて私の噂がどうとか言ったのよね?
ではそもそもあの噂ってエルダ夫人が仕組んだって事?
フランシスク様を屋敷に来なくする為に!? これ知れたらただじゃすまないと思うけど。
でも相手はだれ? 本当にそういう相手がいたのを利用したの?
いやいや。そもそも、学園に通う年齢で隠れて行く場所ではないわ。だって、婚約者になればいいのだもの。
そうなれないのなら、相手に婚約者がいるって事よね。それを利用しようとは思わないわよね。
それに、クラブで私達が逢瀬しているなどという噂は、立てないとそんな噂は生まれないわ。
数時間屋敷に居れば、逢瀬の場所は屋敷になるのだから。
それなのにユゲット嬢は、確信をしていたのよね。まあクラブで私達を見たと言う噂があったからだけど。
あ、私を置いて行くのも作戦の内だったのね。私をフランシスク様の馬車に乗せて真実味を持たせる為に!
でも一昨日、急にフランシスク様がこれで最後といい、新しい馬車が急に届いた。
本当はきっと、一昨日に決行するつもりはなかったけど、その日にしかできなくなってしまったのよ。
学校に通っていた馬車でないと、私だと思わせる事ができないもの。通学と同じの馬車を目撃させるのは、その日しかなかった。
だから見張りを始めたその日の目撃になったのよ。
じゃ、急遽頼める相手って、ガストン様!?
ま、まさかよね? 何事がなかったとしても、誓約に触れるでしょう!!
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