29 / 79
4-7
しおりを挟む
「紅葉をペットとして飼うなら首輪を付けた方がいいよ。出来れば取れないやつ。万が一連れ去れても君達のだと証明できるからね」
「え……」
何を言うのかと思ったらアドバイスだった……。ガクッと肩の力が抜けた。
「ねえ、それで相談なんだけど」
「うん? そ、相談?」
こくんとルイテットさんが頷く。僕は、ごくちりと唾を飲み込んだ。
「これから四人で一緒に、Eランクの依頼受けてやらない?」
「な、なんで?」
どうしていきなりそんな事?
「君、本当は……」
本当は何? 二人がいつの間にか僕にギュッとつかまっていた。
「Eランクになりたくて俺の依頼受けたんだよね? でも今回は誰でもだからランクづけないんだ。だからEランクにはなれないけど、一緒に行けばEランクになれるよ」
「なぜそこまでしてくれるの?」
「その腕輪だよ。君、本当は魔法系からっきしだろう? 杖はカモフラージュ。腕輪はそれなりにいいものだ。けど杖は、一番安いのだよね、それ」
うわぁ。バレちゃったよ。
ラスの言う通り、見てわかる人にはわかるんだ。どうしよう。
「君が使える魔法は、サーチと感知なんだろう? 君の役割は敵の場所の把握。彼女達がモンスターを倒していたんじゃないのかな?」
うん? どういう事?
『うふふふ。うまい事勘違いしたみたいねぇ』
全然わかんないけど? ちらっと、見るとラスが頷いた。
『普通パーティーを組む時には役割があったりするのよ。前線で戦ったり援護したり回復したり。彼は、レンカとサツナが前線で戦って、有利に戦闘が出来る様に、スラゼが敵の位置を把握して奇襲をかけていたと思っているのよ』
「なんでまたそんな風に?」
ボソッと僕は聞いた。
『まずさっき敵がいるのに気がついていた点と、二人の武器がいいからでしょうね』
「まあ、芋のお礼ね」
「お礼?」
そんなに珍しい物だったのか。それを紅葉は食べちゃったと……。
「俺さ、錬金術にはまちゃって。採取のついでだから。あ、Eランクのを倒せなんて言わないよ。全部俺が倒すから大丈夫。でも、感知でモンスターを察知してくれると助かる」
『いんじゃない? 三人いっぺんにEランクに上がれるって事でしょう?』
「では、お願いします」
こうして僕達は、冒険者協会で依頼を受けて四人でサイサイの丘へと向かった。
「え……」
何を言うのかと思ったらアドバイスだった……。ガクッと肩の力が抜けた。
「ねえ、それで相談なんだけど」
「うん? そ、相談?」
こくんとルイテットさんが頷く。僕は、ごくちりと唾を飲み込んだ。
「これから四人で一緒に、Eランクの依頼受けてやらない?」
「な、なんで?」
どうしていきなりそんな事?
「君、本当は……」
本当は何? 二人がいつの間にか僕にギュッとつかまっていた。
「Eランクになりたくて俺の依頼受けたんだよね? でも今回は誰でもだからランクづけないんだ。だからEランクにはなれないけど、一緒に行けばEランクになれるよ」
「なぜそこまでしてくれるの?」
「その腕輪だよ。君、本当は魔法系からっきしだろう? 杖はカモフラージュ。腕輪はそれなりにいいものだ。けど杖は、一番安いのだよね、それ」
うわぁ。バレちゃったよ。
ラスの言う通り、見てわかる人にはわかるんだ。どうしよう。
「君が使える魔法は、サーチと感知なんだろう? 君の役割は敵の場所の把握。彼女達がモンスターを倒していたんじゃないのかな?」
うん? どういう事?
『うふふふ。うまい事勘違いしたみたいねぇ』
全然わかんないけど? ちらっと、見るとラスが頷いた。
『普通パーティーを組む時には役割があったりするのよ。前線で戦ったり援護したり回復したり。彼は、レンカとサツナが前線で戦って、有利に戦闘が出来る様に、スラゼが敵の位置を把握して奇襲をかけていたと思っているのよ』
「なんでまたそんな風に?」
ボソッと僕は聞いた。
『まずさっき敵がいるのに気がついていた点と、二人の武器がいいからでしょうね』
「まあ、芋のお礼ね」
「お礼?」
そんなに珍しい物だったのか。それを紅葉は食べちゃったと……。
「俺さ、錬金術にはまちゃって。採取のついでだから。あ、Eランクのを倒せなんて言わないよ。全部俺が倒すから大丈夫。でも、感知でモンスターを察知してくれると助かる」
『いんじゃない? 三人いっぺんにEランクに上がれるって事でしょう?』
「では、お願いします」
こうして僕達は、冒険者協会で依頼を受けて四人でサイサイの丘へと向かった。
173
あなたにおすすめの小説
追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる