【完結】ケーキの為にと頑張っていたらこうなりました

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
54 / 83

第54話

しおりを挟む
 これどっちに転んでもダメじゃない?
 いう事を聞くと言えば、魔物退治をしなくてはいけない。
 聞かないと言えば、全属性出来ると暴露されて、きっと彼は魔物退治をほのめかす。そして、王命で魔物退治。

 うん。それなら条件を飲んで何とかやり過ごそう。

 「私に出来るかどうかわからないけど、協力はするわ。でも私、あなたに嫌われていると思っていたわ」
 「あぁ、気に入らない。君達のお陰で僕は大変辱められた」
 「え……」

 私、この人に何かしたっけ?

 「優良クラスの最下位は僕だ。お陰で頭を下げて優良クラスに入れてもらう事になった。そうそう本当は君がトップだよ」

 それは逆恨みと言うのでは……。うん? トップ? まさかイルデフォンソ殿下より順位が上だったって事!?
 あぁ、なるほど。だから二人共あんな態度だったのね。

 「もしかして、本当の2位はフロール嬢」
 「そう言う事」

 なるほど。イルデフォンソ殿下の攻略は、この絡みだろうか。
 ちょっと待てよ。王族が三人もいるし、彼はパッとしないから攻略者ではないと思っていたけど、王弟の息子でこれだけ闇があれば、攻略対象者よね。きっと。
 気を付けないと、足元をすくわれるわね。って、今その状況か!?

 「そうそう。彼の事は任せて」

 彼ってレオンス様の事。
 そう言えば、この録音って応接室よね。マジか。王族が休憩する部屋に仕掛けたってありえる?
 これでお咎めなしとかになるの? 王弟の息子だから?

 「罰せられないの? この録音聞かせれば、応接室にしかけたのがバレるわよ」
 「心配いらないよ。謹慎ぐらいで済む予定だから。この件は表にでない」
 「にしたって……」

 一体何のためにしかけていたのかしら。
 そう言えば、その隣は生徒会室よね。そこにも仕掛けてある?
 そこで、レオンス様とフロール嬢は、密談したのよね?

 「し、仕掛けたのってそこだけ? 隣の生徒会室とかにはしかけてないの?」
 「ないよ。僕は入れないからね。何? 知りたい事でもあるの?」
 「いえ、アリマセン」

 とりあえずよかった。
 まあ聞いていたら、私など脅してないか。
 間接的にタカビーダ侯爵家に脅すほどの秘密があるという会話を聞いたはずだから。
 まあ意味不明な会話も聞く事になっただろうけど。

 「ではまずは、マルシアール殿下に近づいてもらうよ」
 「え……近づくって何をすればいいのよ」
 「国に遊びに行きたいがいいかな」

 もしかして、倒しに行けとおっしゃる!?

 「えーと。急にそんな事を言ったら怪しまれるのでは?」
 「当たり前だろう。それぐらい仲良くなっておけと言う事だよ」

 無理難題をおっしゃる。
 今までクラスメイトという以外の接点がなかったのに、どうやって仲良くなれというのよ。
 下手に近づけば、フロール嬢が仕掛けた罠に掛かるかもしれないじゃない。
 というか、これフロール嬢が仕掛けている罠って事はないわよね。
 あぁもう、せめて攻略対象者がわかれば何とか……ならないか。

 ――◇――◆――◇――

 『――一番欲しいのは、今君が抱きしめている彼女なんだけど?』
 『諦めろ。ファビアは渡さない!』

 何これ、録音?

 レオンスがベビット殿下に殴りかかったと、ガムン公爵が彼を捕らえて来た。
 本来は、ファビアがベビット殿下を誘惑し、そこにレオンスが乗り込んだ。つまり、美人局よ。
 それを知った私が、止めに入った。
 そういう段取りで捕らえに行ったはずなのに、なぜか彼一人だけ捉えて来たという。

 まあ証拠もないし、謹慎処分にでもなればいいと思ったけど、そこに王弟であるノーモノミヤ公爵が乗り込んで来た。

 『残念だけどそれは無理。僕が魔法を手に入れるのには、彼女と結婚するしかないんだ』
 『ファビアは、連れて行かせない』
 『違うよ。私が彼女のモノになるんだ。彼女が魔法博士でよかったよ。大人として扱われて、今すぐにでも婚姻出来る。私は、来年には国に戻り、候補者の中から婚約者を決め翌年には結婚。このまま帰ればそうなる!』
 『だから? 無理やり事におよび、結婚してこの国に残るって言うのか――』

 ぶつりと音声が切れた。どうしてこんなものが……。

 「ノーモノミヤ公。これは、この者達が会話した内容が録音された物であっているか?」
 「はい。愚息が仕掛けた盗聴器なるもので録音したものです」

 盗聴器! そうだったわ。
 ルイスは、自分の野望の為に応接室に盗聴器を仕掛け、王族達の弱みを握ろうとした。
 今回の出来事は、ゲームでは発生しないからすっかり失念していたわ。
 ゲームでは、彼の行為を知ったフロールが諭し止めるのよね。
 色んな魔法陣いえ、魔法アイテムを作成していた功績を認めさせ、彼は晴れて魔法学園へ入学を果たす。
 そして、ルイスは彼と共に魔物を倒し、祈願を達成。

 婚約者の令嬢とは、貴族学園を辞め魔法学園に行った為に婚約破棄になる。
 プロポーズされたフロールは、彼と結婚。
 あぁ。これも流れたか。まあどちらにしても、彼には出会えないから魔物は倒せないでしょうけどね。

 「確かに最初の方でレオンスがベビット殿下に襲い掛かった様な音は聞こえたが……」

 陛下は困惑しているわね。

 「フロール嬢から彼が突然教室を出て行き、探し出したベビット殿下に殴りかかったと聞き、とりあえずは捕らえておきましたがどう致しましょうか」

 ガムン公爵がそう陛下に問う。
 話が違うと言う顔でベビット殿下がガムン公爵を見るが、ガムン公爵は素知らぬ顔。
 王族とは言え、証拠があるのだからレオンスだけを捕らえるわけにもいかないでしょうね。

 「うむ。フロール嬢。この音声の通りだったかね」
 「はい。今落ち着いて確認をしてみると、レオンス様に非はなかったかと」
 「な!」
 「お前の味方はここにはいない」

 ボソッとレオンスが聞き取れるかどうかの声で呟くのが聞こえた。
 ベビット殿下が俯き、口を紡ぐ。彼の分が悪いのだから仕方がないわよね。
 こうして、ベビット殿下は強制帰国。ルイスとレオンスは一週間の謹慎。
 はぁ。もうゲームでの流れはないわね。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約者が最凶すぎて困っています

白雲八鈴
恋愛
今日は婚約者のところに連行されていました。そう、二か月は不在だと言っていましたのに、一ヶ月しか無かった私の平穏。 そして現在進行系で私は誘拐されています。嫌な予感しかしませんわ。 最凶すぎる第一皇子の婚約者と、その婚約者に振り回される子爵令嬢の私の話。 *幼少期の主人公の言葉はキツイところがあります。 *不快におもわれましたら、そのまま閉じてください。 *作者の目は節穴ですので、誤字脱字があります。 *カクヨム。小説家になろうにも投稿。

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野
恋愛
 難病に罹り、15歳で人生を終えた私。  だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?  でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!  ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?  1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。  ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!  主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!  愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。  予告なく痛々しい、残酷な描写あり。  サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。  小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。  こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。  本編完結。番外編を順次公開していきます。  最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。 しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。 そんな時、隣国から王太子がやって来た。 王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。 すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。 アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。 そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。 アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。 そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。

毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。

克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。

【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?

雨宮羽那
恋愛
 元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。 ◇◇◇◇  名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。  自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。    運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!  なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!? ◇◇◇◇ お気に入り登録、エールありがとうございます♡ ※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。 ※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))

この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~

柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。 家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。 そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。 というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。 けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。 そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。 ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。 それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。 そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。 一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。 これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。 他サイトでも掲載中。

処理中です...