9 / 84
009
しおりを挟む
「二人共酷い。そういう話は私の前でしないでって言ったのに」
「あ、ごめん。彼に説明するのに……」
「大丈夫だって。俺達は、君を捨てたりしないから」
トムさんの言葉に頷いて、アイリさんが安心した様子をみせた。
そっかシルバーの中に一人ブラックだもんね。不安になるよね。それは僕もわかる。一人だけシルバーだって、村の子供達に言われてたから。
あの時は、チョーカーの色の意味なんて知らなくて、何でって思っていた。
出来損ないだからシルバーなんだって、陰口を叩かれていたし、スキルを買いにこなければ知れなかった事だ。
そう言えば、お父さん達にどうやって連絡を取ればいいんだろう。きっと戻るのも大変だよね。
「ねえ、両親に連絡取りたいんだけど、何か方法知らない」
「突然だな。村に居るんだろう? だったら無理だろうな」
僕が聞くと、トムさんにあっさり無理と言われてしまった。
「俺もそう思う。こう言ったらあれだけど、君の所の経営者もズル賢いみたいだから、手紙を受け取ったとしても両親に渡すかどうか」
「どうして!?」
ビワードさんの言葉に僕は驚いて聞いた。
「君の両親は、シルバーの意味を理解していなかったと思われる。けど経営者は違う。自分自身がシルバーだからね」
「そういえば、そうだったね」
僕が会ったのなんて、鑑定の時だけだ。
チョーカーの色なんて覚えてないし、気にしていなかった。
あの時両親は、これで国民になれたと喜んでいただけだ。
農業系のスキルを買いに行こうとした時に、僕がスキル持ちだからスキルを買いに行かなくても大丈夫と言ったのは、経営者の人だったと聞いた。
「シルバーの事が手紙に書かれていたら、今まで隠していた事がバレてしまう。畑の管理は経営者の仕事だ。きっと君のスキルを何かに利用していたに違いない」
「利用って言われてもなぁ」
「そちらに戻りませんって言うだけなら、連絡した所で意味ないだろう」
トムさんって結構冷たい。
けどビワードさんが言うように、手紙を書いても届かないならお金を稼いだ後に、会いに行くのがいいかもしれない。
◇
「なあ、このクエストならアイリもできると思うんだけど」
「仕方ないだろう。生粋のお嬢様なんだから。背負って帰る事になるだけだろう」
トムさんの返しに僕は驚いた。
アイリさんってお嬢様だったの?
「あ、そうだな。今日で仮入会終了だから話してもいいか」
ビワードさんと目が合って、僕が会話を聞いていた事に気が付いた。
「俺とアイリは幼馴染なんだ。と言っても、アイリは経営者の子で、俺は雇われた両親の子だけどな」
「え? 経営者だけどスキルなしで、ビワードさんがスキルありだったって事?」
「俺は珍しいけど、経営者の子供がシルバーになる確率は2分の1。つまりブラックの子供が生まれる確率も2分の1だ」
確かにそうだけど。
僕は、経営者の子共と遊んだ事なんてないけど。
「幼馴染と言っても、アイリの父親が俺の両親を数か月に一度、俺のいる所に連れて来て会わせてくれていたんだ。その時、アイリがついて来ていた。たぶん、俺と結婚させる気だったんだろうな」
「どちらかがシルバーでもシルバーが生まれる確率は上がるからな」
「それは、11歳までつづいた」
うん? 15歳ではなく11歳?
「なんで11歳って顔をしてるね。アイリに弟が生まれていて、スキル鑑定の結果、スキルを持っていたからだ。アイリの事より息子の事が大事になったんだろうな。それからは手紙だけのやり取りになった」
それでも手紙で連絡し合っていたんだ。
「まあ色々あって、俺は2年前に冒険者になった。その後、アイリから自分も冒険者になりたいという手紙が届いたんだ」
「自分が継げないと知ったからだろう。つまり経営者になれないって。弟が戻って来て、それがわかった。俺は彼女の所へ行くのを反対したんだけどね。父親は彼女に切れて、彼女は勘当された。というか、押し付けられた」
「わかってる。だから彼女の我が儘に付き合ってられないんだ」
「本当にお人好しだよな、お前は。拒否して置いて来る事も出来たのに」
「そういう君だって……。まあそういうわけで、たぶん君より何も出来ないと思うが、やってもらわないと困る。テリトリーがあれば、まだ安全だからな」
「しばらくは、背負って帰る日々か……」
「時間に余裕があれば、休み休みでも問題ないだろう」
なんでついて来ないか判明はしたけど、大丈夫なのかな?
「あ、ごめん。彼に説明するのに……」
「大丈夫だって。俺達は、君を捨てたりしないから」
トムさんの言葉に頷いて、アイリさんが安心した様子をみせた。
そっかシルバーの中に一人ブラックだもんね。不安になるよね。それは僕もわかる。一人だけシルバーだって、村の子供達に言われてたから。
あの時は、チョーカーの色の意味なんて知らなくて、何でって思っていた。
出来損ないだからシルバーなんだって、陰口を叩かれていたし、スキルを買いにこなければ知れなかった事だ。
そう言えば、お父さん達にどうやって連絡を取ればいいんだろう。きっと戻るのも大変だよね。
「ねえ、両親に連絡取りたいんだけど、何か方法知らない」
「突然だな。村に居るんだろう? だったら無理だろうな」
僕が聞くと、トムさんにあっさり無理と言われてしまった。
「俺もそう思う。こう言ったらあれだけど、君の所の経営者もズル賢いみたいだから、手紙を受け取ったとしても両親に渡すかどうか」
「どうして!?」
ビワードさんの言葉に僕は驚いて聞いた。
「君の両親は、シルバーの意味を理解していなかったと思われる。けど経営者は違う。自分自身がシルバーだからね」
「そういえば、そうだったね」
僕が会ったのなんて、鑑定の時だけだ。
チョーカーの色なんて覚えてないし、気にしていなかった。
あの時両親は、これで国民になれたと喜んでいただけだ。
農業系のスキルを買いに行こうとした時に、僕がスキル持ちだからスキルを買いに行かなくても大丈夫と言ったのは、経営者の人だったと聞いた。
「シルバーの事が手紙に書かれていたら、今まで隠していた事がバレてしまう。畑の管理は経営者の仕事だ。きっと君のスキルを何かに利用していたに違いない」
「利用って言われてもなぁ」
「そちらに戻りませんって言うだけなら、連絡した所で意味ないだろう」
トムさんって結構冷たい。
けどビワードさんが言うように、手紙を書いても届かないならお金を稼いだ後に、会いに行くのがいいかもしれない。
◇
「なあ、このクエストならアイリもできると思うんだけど」
「仕方ないだろう。生粋のお嬢様なんだから。背負って帰る事になるだけだろう」
トムさんの返しに僕は驚いた。
アイリさんってお嬢様だったの?
「あ、そうだな。今日で仮入会終了だから話してもいいか」
ビワードさんと目が合って、僕が会話を聞いていた事に気が付いた。
「俺とアイリは幼馴染なんだ。と言っても、アイリは経営者の子で、俺は雇われた両親の子だけどな」
「え? 経営者だけどスキルなしで、ビワードさんがスキルありだったって事?」
「俺は珍しいけど、経営者の子供がシルバーになる確率は2分の1。つまりブラックの子供が生まれる確率も2分の1だ」
確かにそうだけど。
僕は、経営者の子共と遊んだ事なんてないけど。
「幼馴染と言っても、アイリの父親が俺の両親を数か月に一度、俺のいる所に連れて来て会わせてくれていたんだ。その時、アイリがついて来ていた。たぶん、俺と結婚させる気だったんだろうな」
「どちらかがシルバーでもシルバーが生まれる確率は上がるからな」
「それは、11歳までつづいた」
うん? 15歳ではなく11歳?
「なんで11歳って顔をしてるね。アイリに弟が生まれていて、スキル鑑定の結果、スキルを持っていたからだ。アイリの事より息子の事が大事になったんだろうな。それからは手紙だけのやり取りになった」
それでも手紙で連絡し合っていたんだ。
「まあ色々あって、俺は2年前に冒険者になった。その後、アイリから自分も冒険者になりたいという手紙が届いたんだ」
「自分が継げないと知ったからだろう。つまり経営者になれないって。弟が戻って来て、それがわかった。俺は彼女の所へ行くのを反対したんだけどね。父親は彼女に切れて、彼女は勘当された。というか、押し付けられた」
「わかってる。だから彼女の我が儘に付き合ってられないんだ」
「本当にお人好しだよな、お前は。拒否して置いて来る事も出来たのに」
「そういう君だって……。まあそういうわけで、たぶん君より何も出来ないと思うが、やってもらわないと困る。テリトリーがあれば、まだ安全だからな」
「しばらくは、背負って帰る日々か……」
「時間に余裕があれば、休み休みでも問題ないだろう」
なんでついて来ないか判明はしたけど、大丈夫なのかな?
192
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる