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第11話 やりすぎたツケ
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「し、神託だと……」
何故か一番ダンザルが驚いていた。
「もしかして、マカリー様が特別な力を持つ本当の神官だと知らずにいたのですか?」
少し青ざめた顔で、何も言わずにダンザルはジッとマカリーを見つめていた。
代々神官の家系なら知らない者はいないが、彼の親は神官ではない。
「話はわかりましたが、彼を傷つける事はなかったと思いますが?」
「はい。それは少し反省しております。ただ神託で選ばれた彼女を汚そうとしたので、憤りを隠せませんでした。罰はお受けします。ですので、彼女はここに呼ばないで頂きたい。かなり怯えた様子でした。彼と会わせたくありません。どうかお願いします」
副長のマイトラの問いに深々と頭を下げて、ルナードはお願いした。
ディアルディが怯えていたのは、自分にだろうと思ってはいるが、彼に会いたくないはずだ。それに彼女は口をきけない。
「わかっているとは思うが、彼女に問えないのなら二人共罰を与えねばならない」
「お待ちください! 俺もですか? 俺は被害者です!」
「では、ディに来て頂くのではなく、マイトラさんに来て頂くのはどうでしょう。彼女は口がきけませんが、読み書きは出来ますのでいかがでしょう?」
「そうですね……」
「く、口裏合わせをするかもしれない!」
こいつ、自分の立場わかってるのか?
「誰と誰が口裏を合わせると言うんだ? 私と彼女か? それともマカリー様か? 一つ聞こう。彼女をあの場所へ連れて行って何をする気だった?」
「え?」
「あなたは、あの場所へ彼女を連れて行った事は認めましたよね? 私の婚約者だと知っていて連れて行った」
「な! 知らなかった! マカリー様の客人としか……あ」
「ほう。私の客人と知っていて、手を出そうとした。そういう事かね?」
ダンザルは、ごくりと唾を飲み込んだ。知らずにからかっただけならいざ知らず、知っていて連れ出したと自分で言ってしまった。
ルナードが激怒してもおかしくない方向になってしまったのだ。
「あなたは、反省しない方なのですね。私は先ほど、ちゃんとお教えしましたよね? ディアルディさんは、私のモノではないですが、私の婚約者だと。それなのに、襲われたと訴え出たのですよね?」
「あぁ。そうだよ! でも、そっちだって、神官がやる事じゃないだろう? 刃物持って歩いてるのかよ!」
「えぇ。万が一の為に。まさか、神官に使う事になるとは思いませんでしたが」
まだ反論するのかと、ルナードがキッとダンザルを睨むと彼はプイッとそっぽを向いた。
「もう宜しいです。まだあなた達には、神官は早かったようです。もう少し修行なさい。宜しいですか? マカリーさんもそれで、宜しいでしょうか?」
マカリーはよいと頷いた。
「謹んでお受けします。申し訳ありませんでした」
「はあ? もう一回見習いやれって言うのかよ! やってられるか!」
深々とルナードが頭を下げる中、ダンザルはそう言うと神官長室から出て行った。
「やれやれですな。彼には目に余るモノがありましたが……」
そう思っていたのなら神官にするなよな!
マイトラの言葉に、そう心の中で叫んだのだった。
何故か一番ダンザルが驚いていた。
「もしかして、マカリー様が特別な力を持つ本当の神官だと知らずにいたのですか?」
少し青ざめた顔で、何も言わずにダンザルはジッとマカリーを見つめていた。
代々神官の家系なら知らない者はいないが、彼の親は神官ではない。
「話はわかりましたが、彼を傷つける事はなかったと思いますが?」
「はい。それは少し反省しております。ただ神託で選ばれた彼女を汚そうとしたので、憤りを隠せませんでした。罰はお受けします。ですので、彼女はここに呼ばないで頂きたい。かなり怯えた様子でした。彼と会わせたくありません。どうかお願いします」
副長のマイトラの問いに深々と頭を下げて、ルナードはお願いした。
ディアルディが怯えていたのは、自分にだろうと思ってはいるが、彼に会いたくないはずだ。それに彼女は口をきけない。
「わかっているとは思うが、彼女に問えないのなら二人共罰を与えねばならない」
「お待ちください! 俺もですか? 俺は被害者です!」
「では、ディに来て頂くのではなく、マイトラさんに来て頂くのはどうでしょう。彼女は口がきけませんが、読み書きは出来ますのでいかがでしょう?」
「そうですね……」
「く、口裏合わせをするかもしれない!」
こいつ、自分の立場わかってるのか?
「誰と誰が口裏を合わせると言うんだ? 私と彼女か? それともマカリー様か? 一つ聞こう。彼女をあの場所へ連れて行って何をする気だった?」
「え?」
「あなたは、あの場所へ彼女を連れて行った事は認めましたよね? 私の婚約者だと知っていて連れて行った」
「な! 知らなかった! マカリー様の客人としか……あ」
「ほう。私の客人と知っていて、手を出そうとした。そういう事かね?」
ダンザルは、ごくりと唾を飲み込んだ。知らずにからかっただけならいざ知らず、知っていて連れ出したと自分で言ってしまった。
ルナードが激怒してもおかしくない方向になってしまったのだ。
「あなたは、反省しない方なのですね。私は先ほど、ちゃんとお教えしましたよね? ディアルディさんは、私のモノではないですが、私の婚約者だと。それなのに、襲われたと訴え出たのですよね?」
「あぁ。そうだよ! でも、そっちだって、神官がやる事じゃないだろう? 刃物持って歩いてるのかよ!」
「えぇ。万が一の為に。まさか、神官に使う事になるとは思いませんでしたが」
まだ反論するのかと、ルナードがキッとダンザルを睨むと彼はプイッとそっぽを向いた。
「もう宜しいです。まだあなた達には、神官は早かったようです。もう少し修行なさい。宜しいですか? マカリーさんもそれで、宜しいでしょうか?」
マカリーはよいと頷いた。
「謹んでお受けします。申し訳ありませんでした」
「はあ? もう一回見習いやれって言うのかよ! やってられるか!」
深々とルナードが頭を下げる中、ダンザルはそう言うと神官長室から出て行った。
「やれやれですな。彼には目に余るモノがありましたが……」
そう思っていたのなら神官にするなよな!
マイトラの言葉に、そう心の中で叫んだのだった。
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