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第33話 魔女
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「さてと……」
そう言って、マカリーはベットの端に腰を下ろした。
「そ、そこに座るのですか?」
驚いてルナードは言った。
「ここで話せばよく聞こえるだろう?」
「では、俺はここで」
部屋にあった椅子を持って来て、ベットの横に置きディアルディは座る。
「……別に私は病人ではないので、ベットの中で聞かなくてもいいんですが……」
「別によいだろう?」
「まあ、そうですね」
「さて、本題に入る前に、神官について話しておきたい」
「え?」
まさかの題名に驚く。
「今更何を私に話す事がありますか?」
「魔女だ」
そう言い放ったマカリーの目は、真っ直ぐとルナードを見つめていた。ディアルディがいるのに何故と思うルナード。
「そ、それ、今、必要な話ですか?」
声が震えていた。
その態度に、やはりルナードは女なんだとディアルディは確信する。
「大事だ。知っているのと知らないのでは、全然違うだろう」
「……わかりました。聞きます」
マカリーは頷いて、語り出す。
「魔女は、神官が作り出したモノだ」
「え?」
「自分達の権力を揺るぎないものにする為にな。先人たちが、作り上げたモノなのだよ」
そうマカリーは、悲し気な顔で言った。
昔は、精霊と人間が普通に共存していた。神官の役割は、精霊との関わり合いを教える先生の様なものだった。しかし時代が流れ、精霊と心を通わせられない者が出て来た。
そこで、通わせられる者を神官にする様にしていた。元々、神官は男性しかならなかった。そして、神官がいなくならないように、精霊と心通わせられる女性を娶り、確実に世代に繋ぐ。
それがいつの間にか、神託になっていった。
なぜ精霊と繋がらなくなっていったかは不明だが、一説では他国からの風習などで精霊への関心がなくなったり、自然を大切にしなくなったりした事だろうと言われている。
そして、神官達は、女性で精霊が見える者達が神官以外と結婚しないように、彼女達を魔女と呼び特別な扱いにしたのだ。またその頃から神官の地位が、他の者達より上という考えが出来上がっていた。
それから長い年月を経つと、神官の家系でも精霊が見えない者が増え、見える者と見えない者の確率が反転した。いつの間にか、神官には特別な力があるというだけになり、魔女も本来の意味ではなくなっていた。
忌み嫌われる存在となり、恐れられる様になったのだ。
そして今もなお、精霊に愛される女性は魔女として扱われている――。
「何も知らない者は魔女を殺そうとするが、知っている者は殺そうとはしない。精霊と心を通わせている者なら、魔女が自分と同じで性別が女だけだと知っている。だから魔女だと悲観する事はない」
マカリーは、そうルナードに言ってくれた。
「でも、なんで今更……」
「すまない。それでも魔女だと隠さなければいけなかったのだ。どうしても小さな頃は、精霊と普通に会話をしてしまい。周りにわかってしまうからな」
ごめんとマカリーは、涙を流すルナードを抱きしめた。
そう言って、マカリーはベットの端に腰を下ろした。
「そ、そこに座るのですか?」
驚いてルナードは言った。
「ここで話せばよく聞こえるだろう?」
「では、俺はここで」
部屋にあった椅子を持って来て、ベットの横に置きディアルディは座る。
「……別に私は病人ではないので、ベットの中で聞かなくてもいいんですが……」
「別によいだろう?」
「まあ、そうですね」
「さて、本題に入る前に、神官について話しておきたい」
「え?」
まさかの題名に驚く。
「今更何を私に話す事がありますか?」
「魔女だ」
そう言い放ったマカリーの目は、真っ直ぐとルナードを見つめていた。ディアルディがいるのに何故と思うルナード。
「そ、それ、今、必要な話ですか?」
声が震えていた。
その態度に、やはりルナードは女なんだとディアルディは確信する。
「大事だ。知っているのと知らないのでは、全然違うだろう」
「……わかりました。聞きます」
マカリーは頷いて、語り出す。
「魔女は、神官が作り出したモノだ」
「え?」
「自分達の権力を揺るぎないものにする為にな。先人たちが、作り上げたモノなのだよ」
そうマカリーは、悲し気な顔で言った。
昔は、精霊と人間が普通に共存していた。神官の役割は、精霊との関わり合いを教える先生の様なものだった。しかし時代が流れ、精霊と心を通わせられない者が出て来た。
そこで、通わせられる者を神官にする様にしていた。元々、神官は男性しかならなかった。そして、神官がいなくならないように、精霊と心通わせられる女性を娶り、確実に世代に繋ぐ。
それがいつの間にか、神託になっていった。
なぜ精霊と繋がらなくなっていったかは不明だが、一説では他国からの風習などで精霊への関心がなくなったり、自然を大切にしなくなったりした事だろうと言われている。
そして、神官達は、女性で精霊が見える者達が神官以外と結婚しないように、彼女達を魔女と呼び特別な扱いにしたのだ。またその頃から神官の地位が、他の者達より上という考えが出来上がっていた。
それから長い年月を経つと、神官の家系でも精霊が見えない者が増え、見える者と見えない者の確率が反転した。いつの間にか、神官には特別な力があるというだけになり、魔女も本来の意味ではなくなっていた。
忌み嫌われる存在となり、恐れられる様になったのだ。
そして今もなお、精霊に愛される女性は魔女として扱われている――。
「何も知らない者は魔女を殺そうとするが、知っている者は殺そうとはしない。精霊と心を通わせている者なら、魔女が自分と同じで性別が女だけだと知っている。だから魔女だと悲観する事はない」
マカリーは、そうルナードに言ってくれた。
「でも、なんで今更……」
「すまない。それでも魔女だと隠さなければいけなかったのだ。どうしても小さな頃は、精霊と普通に会話をしてしまい。周りにわかってしまうからな」
ごめんとマカリーは、涙を流すルナードを抱きしめた。
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