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第34話 運命の日
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マカリーが、ルナードを離す。
「落ち着いたか?」
こくんとルナードが頷いた。
久しぶりに抱きしめられた。まだ小さな頃はよく、抱きしめてくれた。いつからだっけ? そうだ。私から遠ざかったんだ。
ルナードは、涙を拭くとふとディアルディと目が合った。
完全にバレたなと思うもあまり恐怖心はない。
「俺も魔女に対して偏見はないよ。ただ、神官が魔女だったって驚いている。男の中でよく頑張ったね」
「え……? 頑張った?」
ディアルディは頷いた。
ルナードがよく思ったのは、自分が本当の男だったらどんなによかったか。だった。
男としてずっと過ごしてきて、女の扱いなんてされた事がなかったのだ。それが普通。当たり前だった。
ディアルディは、私を女として見てるの? 今の話だけで?
「ごめんなさい。私もあなたを騙していました」
ふとそう思って、ルナードは謝った。
女性だけど、男性として過ごして来たルナードにとって、男性として騙したという感覚はあまりなかった。あったのは、魔女とバレたらどうしようという思いだけだ。
「まあ、何も話していなかったからな。性別の事は」
「その先の事も話してくれるんだよね?」
ルナードが問うと、話すとマカリーは頷いた。
「これは運命なんだと思った。だから引き受けたのだ」
そうマカリーは、目を細め懐かしむ顔つきで語り出す――。
可愛い産声を上げ、元気な女の子が産まれた。それはもう家族全員喜んだ。その女の子がルナードだ。
だがすぐに精霊が、ルナードに近づいて来た。マカリーは、まさかと思ったが、ルナードに見えているのがわかったのだ。
脳裏に浮かんだのは、処刑される孫の姿!
この時マカリーは、王都の神官だった。真夜中だったがすぐにある人物にお願いに上がる事にし向かうと、事件に遭遇した。
ディアルディとその母親が殺されかけたのだ。偶然、精霊達に聞き、二人を助け出した。
二人は、ゴロツキ達に襲われていた。ディアルディはまだ二歳だ。マカリーは、ゴロツキ達を蹴散らし助けだした。
フィタードと二人で来ていたマカリーは助け出した二人の看護をし、フィタードはお願いに向かう。
しかしこれだけの傷を完全に治すのは、マカリーでも無理だった。それでも放置できずマカリーは二人を助ける為、魔力が尽きるまで精霊にお願いし続けた。
結果、二人は傷痕は残ったものの助かった。
そして朝になり、母親の顔を見て驚愕する。お願いをしに行く予定だった者の妻だったのだ! 暗闇の中で治癒を行っていたので気づかなかった!
マカリーは、見捨てなくてよかったと、心から思ったのだった。
「落ち着いたか?」
こくんとルナードが頷いた。
久しぶりに抱きしめられた。まだ小さな頃はよく、抱きしめてくれた。いつからだっけ? そうだ。私から遠ざかったんだ。
ルナードは、涙を拭くとふとディアルディと目が合った。
完全にバレたなと思うもあまり恐怖心はない。
「俺も魔女に対して偏見はないよ。ただ、神官が魔女だったって驚いている。男の中でよく頑張ったね」
「え……? 頑張った?」
ディアルディは頷いた。
ルナードがよく思ったのは、自分が本当の男だったらどんなによかったか。だった。
男としてずっと過ごしてきて、女の扱いなんてされた事がなかったのだ。それが普通。当たり前だった。
ディアルディは、私を女として見てるの? 今の話だけで?
「ごめんなさい。私もあなたを騙していました」
ふとそう思って、ルナードは謝った。
女性だけど、男性として過ごして来たルナードにとって、男性として騙したという感覚はあまりなかった。あったのは、魔女とバレたらどうしようという思いだけだ。
「まあ、何も話していなかったからな。性別の事は」
「その先の事も話してくれるんだよね?」
ルナードが問うと、話すとマカリーは頷いた。
「これは運命なんだと思った。だから引き受けたのだ」
そうマカリーは、目を細め懐かしむ顔つきで語り出す――。
可愛い産声を上げ、元気な女の子が産まれた。それはもう家族全員喜んだ。その女の子がルナードだ。
だがすぐに精霊が、ルナードに近づいて来た。マカリーは、まさかと思ったが、ルナードに見えているのがわかったのだ。
脳裏に浮かんだのは、処刑される孫の姿!
この時マカリーは、王都の神官だった。真夜中だったがすぐにある人物にお願いに上がる事にし向かうと、事件に遭遇した。
ディアルディとその母親が殺されかけたのだ。偶然、精霊達に聞き、二人を助け出した。
二人は、ゴロツキ達に襲われていた。ディアルディはまだ二歳だ。マカリーは、ゴロツキ達を蹴散らし助けだした。
フィタードと二人で来ていたマカリーは助け出した二人の看護をし、フィタードはお願いに向かう。
しかしこれだけの傷を完全に治すのは、マカリーでも無理だった。それでも放置できずマカリーは二人を助ける為、魔力が尽きるまで精霊にお願いし続けた。
結果、二人は傷痕は残ったものの助かった。
そして朝になり、母親の顔を見て驚愕する。お願いをしに行く予定だった者の妻だったのだ! 暗闇の中で治癒を行っていたので気づかなかった!
マカリーは、見捨てなくてよかったと、心から思ったのだった。
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