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第38話 もてあます気持ち
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ドキドキドキドキ……。
震える両手を壁につけ、ディアルディは、心を落ち着かせようと俯いていた。
ディアルディは、ルナードが女性かも知れないと感づいたあの朝から、彼女の事が気になって仕方なかった。
部屋に一人いると、いつの間にかルナードの事を考えていた。避けてはいたけど、出来れば傍にいたい。
女性かどうか確かめたい。と思いながらも、そうに違いないと妙な自信を持っていた。
寝ても覚めてもと言う感じだったディアルディは、マカリーの結婚しても構わないと言う言葉で、本当に結婚していいのだと安堵と嬉しさが込み上げて来た。そして、その時にやっと、彼女に惹かれている事に気がついたのだ。
「もっと、気が利いたセリフがあっただろう。いや、その前に、せめて男の格好で……って、男物なんて持ってないじゃないか」
一人悶々と考えるディアルディは、ルナードに嫌われなくてよかったと安堵する。
ルナードが、男として生活を送っているのは、紛れもなく自分達のせいだ。あの時出会ってなければ、女性として生活していただろう。
魔女である母親も、生きている。方法はあったのだ。憎まれてもおかしくない状況だった。
「はぁ……。ルナードは、俺を男として見てくれるだろうか?」
クルッと反対を向いて、今度は壁に背中を預け、天井を見上げる。事件が解決するまでの間が、勝負だとディアルディは思うも得策は何も浮かばない。好きになってもらう方法が思いつかないのだった。
□□□
「おはようございます」
部屋を出ると丁度、ルナードも部屋から出て来た。
心の準備が! って、あれ? 制服が戻った?
「おはよう。って、神官に戻れたの?」
「ディアルディさん。ダメですよ、あなたは話せない事になっているのですから、いつも通り頭を下げるだけでいいんです!」
「え……」
ルナードの台詞に、ディアルディは唖然とする。
「今朝早くマカリー様が部屋にいらしゃって、今日から神官に戻ったそうです。それとマカリー様は、今日と明日は王都で会議で泊まりです」
なんだよ。いつも通りじゃないか……。
避けられたらどうしようと思っていたディアルディは、拍子抜けする。
そしてルナードは、朝食を食べ速攻で出掛けて行った。
意識してたのって俺だけなのか!? 脈なしって……。
ディアルディは、ルナードが背を向けた時、彼女の顔が真っ赤だったのに気づいていなかった。
ルナードの精一杯の平常心のフリだ。神官として身に着いたワザとも言う。意識するなと言う方が無理な話だった。
ミリサの時と違って、自分の気持ちがわからなかった。嫌ではない。魔女の自分を受け入れてくれる相手。でもそれは、償いでかもしれないと思うと、素直になれないルナードだった。
震える両手を壁につけ、ディアルディは、心を落ち着かせようと俯いていた。
ディアルディは、ルナードが女性かも知れないと感づいたあの朝から、彼女の事が気になって仕方なかった。
部屋に一人いると、いつの間にかルナードの事を考えていた。避けてはいたけど、出来れば傍にいたい。
女性かどうか確かめたい。と思いながらも、そうに違いないと妙な自信を持っていた。
寝ても覚めてもと言う感じだったディアルディは、マカリーの結婚しても構わないと言う言葉で、本当に結婚していいのだと安堵と嬉しさが込み上げて来た。そして、その時にやっと、彼女に惹かれている事に気がついたのだ。
「もっと、気が利いたセリフがあっただろう。いや、その前に、せめて男の格好で……って、男物なんて持ってないじゃないか」
一人悶々と考えるディアルディは、ルナードに嫌われなくてよかったと安堵する。
ルナードが、男として生活を送っているのは、紛れもなく自分達のせいだ。あの時出会ってなければ、女性として生活していただろう。
魔女である母親も、生きている。方法はあったのだ。憎まれてもおかしくない状況だった。
「はぁ……。ルナードは、俺を男として見てくれるだろうか?」
クルッと反対を向いて、今度は壁に背中を預け、天井を見上げる。事件が解決するまでの間が、勝負だとディアルディは思うも得策は何も浮かばない。好きになってもらう方法が思いつかないのだった。
□□□
「おはようございます」
部屋を出ると丁度、ルナードも部屋から出て来た。
心の準備が! って、あれ? 制服が戻った?
「おはよう。って、神官に戻れたの?」
「ディアルディさん。ダメですよ、あなたは話せない事になっているのですから、いつも通り頭を下げるだけでいいんです!」
「え……」
ルナードの台詞に、ディアルディは唖然とする。
「今朝早くマカリー様が部屋にいらしゃって、今日から神官に戻ったそうです。それとマカリー様は、今日と明日は王都で会議で泊まりです」
なんだよ。いつも通りじゃないか……。
避けられたらどうしようと思っていたディアルディは、拍子抜けする。
そしてルナードは、朝食を食べ速攻で出掛けて行った。
意識してたのって俺だけなのか!? 脈なしって……。
ディアルディは、ルナードが背を向けた時、彼女の顔が真っ赤だったのに気づいていなかった。
ルナードの精一杯の平常心のフリだ。神官として身に着いたワザとも言う。意識するなと言う方が無理な話だった。
ミリサの時と違って、自分の気持ちがわからなかった。嫌ではない。魔女の自分を受け入れてくれる相手。でもそれは、償いでかもしれないと思うと、素直になれないルナードだった。
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