23 / 32
ハードな戦闘訓練 2
しおりを挟む
「ちょ……もう、無理……ぜぇはぁぜぇはぁ」
僕は、両手両膝を地面についてギブアップ。
「はあ? まだ10分も経ってないだろう? それに攻撃仕掛けて来いよ」
「出来ればやってるよ! こっちには石が入ったリュック背負って短い枝でやってるんだから攻撃出来る訳ないだろう?」
「ふうん。そう、だったら……」
止めると言うかと思ったらリュックを降ろした。
「そのリュック貸して」
「え?」
僕が背負っていたリュックを奪うと、デモンガリーは背負った。そして、枝も交換する。
「来いよ」
休みたいけど休ませてくれないのね。
仕方がないので立ち上がり、ターっと声を上げてデモンガリーに枝を振り上げるも避けられた。
そして、デモンガリーの反撃が来る。さっきと変わらない速さで繰り出される攻撃は、長い枝でも同じで受け止めきれず、体のあちこちを叩かれた。
「はぁはぁ……なんで、攻撃が一度だけ? これのせいなんだよな?」
どうやら違うみたいだ。リュックの重さ云々の前に、あきらかに能力の違いだ。
「ごめん。リュックは関係なかったみたい」
どさ。
デモンガリーは、背負っていたリュックを僕の目の前に投げてよこした。
「だったらそれ背負って、訓練だ。いいな」
「……わかったけど、少し休ませて」
「あぁ。少し休憩にするか」
デモンガリーも石が入ったリュックを背負って動いて疲れたみたいだ。自分のリュックから水筒を出し、僕に手渡してくれた。
「今日から三日、ここに泊まるからな」
「え?」
僕の横に座ったデモンガリーは、驚く事を言う。ここで野宿ってそんな無茶な。
「僕のリュックの中身知ってるよね? 食料ないけど?」
「俺のを分けてやる」
かなりハードな訓練なんですけど! 三日でステータスを上げるのならこれくらいしないとダメって事か。
しかし思ったより大変だった。
モンスターはいないけど、自然の動物に襲われるかもしれないので、交互に見張りする事になった。もし万が一火事になったら困るからと、火はおこさずにいた為、辺りは真っ暗闇だ。
食事もちょっと、ただただ枝で戦闘訓練をし続けた。
そして、二日目の夜。
「まあこれぐらいまで上がればいいか」
僕のステータスは、凄く上がっていた。
HP:9/65
MP:5/5
体力:158
魔力:10
腕力:15
素早さ:31
スキル増殖
「凄い、ありがとう」
「……明日、どこで待ち合わせだ?」
「え? あ、たぶん僕の家に迎えに来ると思う」
「は? お前、王子に送り迎えしてもらってるのかよ!」
「ち、違うって。一緒に普通の馬車に乗って移動するの」
「お前が行くのではなく、向こうが来るのかよ」
少し呆れ気味に言われるも、あっちが勝手にそうしてるんだから仕方がない。
「えっと、一緒に来る?」
「へえ。紹介でもしてくれるってか?」
僕は頷いた。
僕一人では、腕力を上げられなかったからね。
「……そう、ではお言葉に甘えて、紹介してもらおうかな。お前の家に行こうか」
僕はまた頷いた。
凄く疲れていて、もう話すのも億劫だったんだ。
リュックの石を捨て水筒を入れて背負い直す。
何とか最終の馬車に乗り込んだ僕達は、家へと向かった。
僕は、両手両膝を地面についてギブアップ。
「はあ? まだ10分も経ってないだろう? それに攻撃仕掛けて来いよ」
「出来ればやってるよ! こっちには石が入ったリュック背負って短い枝でやってるんだから攻撃出来る訳ないだろう?」
「ふうん。そう、だったら……」
止めると言うかと思ったらリュックを降ろした。
「そのリュック貸して」
「え?」
僕が背負っていたリュックを奪うと、デモンガリーは背負った。そして、枝も交換する。
「来いよ」
休みたいけど休ませてくれないのね。
仕方がないので立ち上がり、ターっと声を上げてデモンガリーに枝を振り上げるも避けられた。
そして、デモンガリーの反撃が来る。さっきと変わらない速さで繰り出される攻撃は、長い枝でも同じで受け止めきれず、体のあちこちを叩かれた。
「はぁはぁ……なんで、攻撃が一度だけ? これのせいなんだよな?」
どうやら違うみたいだ。リュックの重さ云々の前に、あきらかに能力の違いだ。
「ごめん。リュックは関係なかったみたい」
どさ。
デモンガリーは、背負っていたリュックを僕の目の前に投げてよこした。
「だったらそれ背負って、訓練だ。いいな」
「……わかったけど、少し休ませて」
「あぁ。少し休憩にするか」
デモンガリーも石が入ったリュックを背負って動いて疲れたみたいだ。自分のリュックから水筒を出し、僕に手渡してくれた。
「今日から三日、ここに泊まるからな」
「え?」
僕の横に座ったデモンガリーは、驚く事を言う。ここで野宿ってそんな無茶な。
「僕のリュックの中身知ってるよね? 食料ないけど?」
「俺のを分けてやる」
かなりハードな訓練なんですけど! 三日でステータスを上げるのならこれくらいしないとダメって事か。
しかし思ったより大変だった。
モンスターはいないけど、自然の動物に襲われるかもしれないので、交互に見張りする事になった。もし万が一火事になったら困るからと、火はおこさずにいた為、辺りは真っ暗闇だ。
食事もちょっと、ただただ枝で戦闘訓練をし続けた。
そして、二日目の夜。
「まあこれぐらいまで上がればいいか」
僕のステータスは、凄く上がっていた。
HP:9/65
MP:5/5
体力:158
魔力:10
腕力:15
素早さ:31
スキル増殖
「凄い、ありがとう」
「……明日、どこで待ち合わせだ?」
「え? あ、たぶん僕の家に迎えに来ると思う」
「は? お前、王子に送り迎えしてもらってるのかよ!」
「ち、違うって。一緒に普通の馬車に乗って移動するの」
「お前が行くのではなく、向こうが来るのかよ」
少し呆れ気味に言われるも、あっちが勝手にそうしてるんだから仕方がない。
「えっと、一緒に来る?」
「へえ。紹介でもしてくれるってか?」
僕は頷いた。
僕一人では、腕力を上げられなかったからね。
「……そう、ではお言葉に甘えて、紹介してもらおうかな。お前の家に行こうか」
僕はまた頷いた。
凄く疲れていて、もう話すのも億劫だったんだ。
リュックの石を捨て水筒を入れて背負い直す。
何とか最終の馬車に乗り込んだ僕達は、家へと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる