【完結】モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
53 / 245

◇050◇約束と違うだろう!◎

しおりを挟む
 採取は順調に終わり、薬草を届けてお金も貰った。僕が合わせて2,000Zで、二人が残りを分け合い1,600Z程ずつ貰っている。
 おかしい。半分なら2,600Z貰えるはずなのに、2,000Zあればいいだろうって! なんでさ!
 えー! って言ってみたけど二人に無視された!
 もう絶対二人とは組まない! って、これが最後でよかったよ!

 「明日も宜しくな!」

 「宜しくね」

 「今日だけって言っただろう!」

 エジンまで何言ってるんだ!
 カウンターで、仕事の完了を終わらせると二人は言い出した。よく考えれば、経験値も何もせずに貰っている感じだ!
 まあこれは、増えたからどうって事はないけど、何かずるい!

 「お前さ、冷たくないか!?」

 「はあ? よく言えるよね! その台詞!」

 僕がエジンに言い返すと、ガシッとリゼタが僕の右腕にしがみついた!
 やめてくれ! また命を狙われる!

 「だぁ、もう離せよ! いちいちくっつくな!」

 「あらぁ? 照れちゃって」

 「別に照れてない! なんでいちいちくっつくんだよ!」

 リゼタはニヤニヤして言うが、エジンの方は目が吊り上がっている。って、リゼタもエジンの態度に気づけよ!

 「調子に乗るなよ!」

 「なんだよそれ!」

 エジンに何でそんな風に言われなくちゃいけないんだよ! ってエジンも何でリゼタがいいんだ! 確かに胸は大きいかもしれないが、ずうずうしいし、お姉さんぶるしそれに騒がしい!
 僕は、一生懸命リゼタをはがそうとする。

 「もう! 抱き着くなら……」

 「お前達!」

 カウンターの前で騒いでいると、横の扉がガバッと開いた。そこから出て来たのは、僕達の教育担当のナットスさんだ。
 パッとリゼタは僕を離した。

 「騒ぐなら建物の外へ行け!」

 ビシッと玄関を指さされ、僕達は口ごもる。
 はぁ……。
 もう部屋に戻ろう。疲れた。
 僕は、ナットスさんが出て来た扉から中へ入る。

 「ちょっと、どこ行くのよ。お昼は?」

 「いらない。僕は部屋で休むよ」

 リゼタにそう返し、僕は部屋に向かった。
 どうせ昼ご飯にしても中途半端な時間だ。それにまた、同じ所で食べるだろうから夕飯もそこになるだろうし。
 もうどこか探さないと飽きるよ。

 「クテュール!」

 と、僕を呼び止める声に歩みを止めた。呼び止めたのは、エジンでもリゼタでもなかった。振り向けば、ギルドマスターのロドリゴさんが立っている。

 「アンチュールさんが倒れたと連絡が来た。直ぐに家に戻れ」

 「え!? わかりました! ありがとうございます!」

 母さんが倒れた!
 僕が冒険者になったから……!
 あのまま、置いてきちゃったからだ!
しおりを挟む
感想 71

あなたにおすすめの小説

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...