209 / 245
◇206◇奇襲訓練
しおりを挟む
僕、エルフ達を助ける事になっているけど、そうして大丈夫なんだろうか?
今更だけど、エルフが探しているのってチュトラリーって事ないよね?
情報が間違ってエルフ達の間で流れていて、人間の女性がチュトラリーになった。そして、僕が死ねばエルフの誰かがチュトラリーになれると思っている……とか?
《主様! 今すぐ街を出て下さい! 何故かエルフと一緒に、モンスターがそちらに向かってます!》
「ルイユ!?」
突然ルイユから連絡が来た。待ち望んでいたけど内容が街に襲撃!? それってやっぱり僕を狙って?
ここから出ないと、皆に迷惑を掛ける!
僕が慌ててベットから降りようとすると、イラーノに抱きしめられた。
「クテュール落ち着いて! 俺もルイユも大丈夫だから、ね」
そして、ボソッとイラーノは呟く。
「……もしかして、ルイユから連絡が来た?」
ハッとして、僕は小さく頷く。
ロドリゴさんにも言われていたのに、隠しようがない行動を取ってしまった!
イラーノがそっと僕を離す。
アベガルさん達が、僕をジッと見つめている。今ので誤魔化せているといいけど。
トントントン。
ドアがノックされ、慌てて騎士団の人が入って来た。
「失礼します」
入って来た騎士団の人は、真っすぐにメリュドガさんに近づき耳打ちする。
(大変です。モンスターが街に向かって来ています。エルフの姿もあるとも。今、冒険者を集めて街の外に配置しました)
(そうか。わかった)
ルイユの言う通りだ。
メリュドガさんは、チラッと僕達を見た後、アベガルに近づく。
「何があった?」
「とうとう、本性を現したみたいだ」
そう言うと僕達に背を向けて二人は話し出した。これじゃ、話している内容がわからない。
「では、ここを頼んだぞ、アベガル」
「あぁ。気を付けてな」
メリュドガさんが、部屋から出て行った。
「何かあったの?」
「お前達は、大人しくしていろ」
そう言うとアベガルさんは、窓から外の様子を伺っている。
イラーノも気になったのか、窓に近づき外を見た。
「何が起きたの? 明らかにここを警備してない?」
「奇襲訓練だ。モンスターなどが攻めて来た事にして、定期的に訓練をしている」
そうアベガルさんが答えた。
イラーノが、僕をチラッと見る。
たぶん、訓練じゃなくてモンスターが攻めて来たとわかったんだと思う。ルイユがそれを連絡してきた。
僕は、そうだと頷く。
「お前達も指示に従えよ」
「……わかったよ」
トントントン。
またドアがノックされ、騎士団の人の後ろにコーリゼさんが続き入って来た。
「お連れしました」
「ありがとう」
騎士団の人が部屋を出て行った。
「どういう事だ?」
コーリゼさんも変だと思ったみたい。
「奇襲訓練が始まった」
とアベガルさんが言うと、コーリゼさんが僕を見た。
「彼は、大丈夫なのか?」
「休んでいれば大丈夫だそうだ」
「モンスターが襲ってきた事にしてだって。それにしても変だよね。普通それなら、ここじゃなくて住民を守る配置するんじゃない?」
イラーノが、アベガルさんに言う。
確かにそうだ。狙いは、イラーノだと思っているんだろうけど、この街をモンスターで襲うって事は、無差別になると思う。
「ここで待機しているだけだ」
「本当に訓練なのか?」
疑問に思ったコーリゼさんが問う。
「他に何がある?」
「例えば、そこの二人を殺し損ねたので、ルイユと言う者が襲いに来た。違うか?」
「違う!」
「ちょっと、クテュール。落ち着いて」
僕が答えたので、慌ててイラーノが止める。
「いや、その通りだ。正確には、エルフ達だがな。ルイユが、エルフに伝えたのだろう」
「どうして! さっきルイユとエルフは繋がってないって言う話になったよね!?」
「そうだと思ったんだが、どうやら俺達の読みの方が正しかったようだ」
「ルイユは、関係ないから!」
そう言うと、アベガルさんが僕をジッと怖い顔で見つめた。
「お前、本気でそれを言っているのか? 他人を巻き込んでいるのにか!」
「………」
アベガルさんの言葉に僕は答えられず俯いた。
ルイユが仕向けた事じゃないのは確かだ。でも狙いは僕じゃないとは言い切れない。
「……じゃ、僕が死ねば解決する?」
「何言ってるの!」
僕の台詞にイラーノが驚く。
いや、二人も驚いていた。まさかそんな言葉が返って来るとは思っていなかったんだろう。
「アベガルさんは、どうしてそこまでしてエルフがイラーノを狙うと思っているの? 彼らが狙っている人物を知っていると思っているから? でも、こんな事までする? 今まで隠していたんだよね? エルフが殺そうとしているのは本来、男装した女性でしょ?」
「エルフが、殺そうとしている女性?」
コーリゼさんが、驚いたようにボソッと呟く。
そうだった! 彼がいるんだった。
アベガルさんは、はぁっとため息をつく。そして頷いたのだった。
今更だけど、エルフが探しているのってチュトラリーって事ないよね?
情報が間違ってエルフ達の間で流れていて、人間の女性がチュトラリーになった。そして、僕が死ねばエルフの誰かがチュトラリーになれると思っている……とか?
《主様! 今すぐ街を出て下さい! 何故かエルフと一緒に、モンスターがそちらに向かってます!》
「ルイユ!?」
突然ルイユから連絡が来た。待ち望んでいたけど内容が街に襲撃!? それってやっぱり僕を狙って?
ここから出ないと、皆に迷惑を掛ける!
僕が慌ててベットから降りようとすると、イラーノに抱きしめられた。
「クテュール落ち着いて! 俺もルイユも大丈夫だから、ね」
そして、ボソッとイラーノは呟く。
「……もしかして、ルイユから連絡が来た?」
ハッとして、僕は小さく頷く。
ロドリゴさんにも言われていたのに、隠しようがない行動を取ってしまった!
イラーノがそっと僕を離す。
アベガルさん達が、僕をジッと見つめている。今ので誤魔化せているといいけど。
トントントン。
ドアがノックされ、慌てて騎士団の人が入って来た。
「失礼します」
入って来た騎士団の人は、真っすぐにメリュドガさんに近づき耳打ちする。
(大変です。モンスターが街に向かって来ています。エルフの姿もあるとも。今、冒険者を集めて街の外に配置しました)
(そうか。わかった)
ルイユの言う通りだ。
メリュドガさんは、チラッと僕達を見た後、アベガルに近づく。
「何があった?」
「とうとう、本性を現したみたいだ」
そう言うと僕達に背を向けて二人は話し出した。これじゃ、話している内容がわからない。
「では、ここを頼んだぞ、アベガル」
「あぁ。気を付けてな」
メリュドガさんが、部屋から出て行った。
「何かあったの?」
「お前達は、大人しくしていろ」
そう言うとアベガルさんは、窓から外の様子を伺っている。
イラーノも気になったのか、窓に近づき外を見た。
「何が起きたの? 明らかにここを警備してない?」
「奇襲訓練だ。モンスターなどが攻めて来た事にして、定期的に訓練をしている」
そうアベガルさんが答えた。
イラーノが、僕をチラッと見る。
たぶん、訓練じゃなくてモンスターが攻めて来たとわかったんだと思う。ルイユがそれを連絡してきた。
僕は、そうだと頷く。
「お前達も指示に従えよ」
「……わかったよ」
トントントン。
またドアがノックされ、騎士団の人の後ろにコーリゼさんが続き入って来た。
「お連れしました」
「ありがとう」
騎士団の人が部屋を出て行った。
「どういう事だ?」
コーリゼさんも変だと思ったみたい。
「奇襲訓練が始まった」
とアベガルさんが言うと、コーリゼさんが僕を見た。
「彼は、大丈夫なのか?」
「休んでいれば大丈夫だそうだ」
「モンスターが襲ってきた事にしてだって。それにしても変だよね。普通それなら、ここじゃなくて住民を守る配置するんじゃない?」
イラーノが、アベガルさんに言う。
確かにそうだ。狙いは、イラーノだと思っているんだろうけど、この街をモンスターで襲うって事は、無差別になると思う。
「ここで待機しているだけだ」
「本当に訓練なのか?」
疑問に思ったコーリゼさんが問う。
「他に何がある?」
「例えば、そこの二人を殺し損ねたので、ルイユと言う者が襲いに来た。違うか?」
「違う!」
「ちょっと、クテュール。落ち着いて」
僕が答えたので、慌ててイラーノが止める。
「いや、その通りだ。正確には、エルフ達だがな。ルイユが、エルフに伝えたのだろう」
「どうして! さっきルイユとエルフは繋がってないって言う話になったよね!?」
「そうだと思ったんだが、どうやら俺達の読みの方が正しかったようだ」
「ルイユは、関係ないから!」
そう言うと、アベガルさんが僕をジッと怖い顔で見つめた。
「お前、本気でそれを言っているのか? 他人を巻き込んでいるのにか!」
「………」
アベガルさんの言葉に僕は答えられず俯いた。
ルイユが仕向けた事じゃないのは確かだ。でも狙いは僕じゃないとは言い切れない。
「……じゃ、僕が死ねば解決する?」
「何言ってるの!」
僕の台詞にイラーノが驚く。
いや、二人も驚いていた。まさかそんな言葉が返って来るとは思っていなかったんだろう。
「アベガルさんは、どうしてそこまでしてエルフがイラーノを狙うと思っているの? 彼らが狙っている人物を知っていると思っているから? でも、こんな事までする? 今まで隠していたんだよね? エルフが殺そうとしているのは本来、男装した女性でしょ?」
「エルフが、殺そうとしている女性?」
コーリゼさんが、驚いたようにボソッと呟く。
そうだった! 彼がいるんだった。
アベガルさんは、はぁっとため息をつく。そして頷いたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
レンタル従魔始めました!
よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」
僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。
そのまま【テイマー】と言うジョブに。
最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。
それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。
そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか?
そのうち分かりますよ、そのうち・・・・
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる