【完結】モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!

すみ 小桜(sumitan)

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◇224◇助け舟

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 「アベガルさん、あなたはこの人達をどうしたいのですか?」

 黙って静観していたコーリゼさんが、突然アベガルさんに尋ねた。

 「どうって……別に確認をしているだけだ」

 「では、魔女の話は信じているのですか?」

 「あぁ。それは信じてはいるが……」

 「だったらそれでいいのでは? あの街にモンスターを呼んだのも魔女の事があっての事だろう? 問いただしたって、最終的にはそれが答えだと思うが? 出来るだけ穏便にと、彼女も必死だったと思うけど? ルイユは、あなたを殺せるほど強いですよ。この目で戦いぶりを見てますから確信があります」

 驚く事をコーリゼさんは、アベガルさんに解説している。
 そうだった。この人も突拍子もない事を言う人だった!

 「なるほどな。出来るだけ穏便か、あれが。まあ、コーリゼが言うのもわかる。だがあんな事をしょっちゅうされてみろ。庇いきれないだろうが!」

 「え? 俺達を庇うつもりだったの?」

 イラーノが驚いて聞いた。

 「さっきも言った様に、細かい事は別として魔女の事は信じている。テイマーの表示を消した所で、あんな行動をすれば結局同じだって事だ。もし願いが叶って、ルイユを剣で刺さなくてもよくなったとしても、逃げ回る人生を送る事になるだろうって事だ」

 確かにそうかも。
 今回だって、テイマーだからって目をつけられたんじゃなくて、そういう事があったからだし。

 「もうあんな事は俺達がさせないよ。ルイユがあそこまでするとは、あの時は思っていなかったからね。でも今は知っているから止めているよ」

 「うん。それにもう、普通にしていれば襲われる事もないだろうし……」

 イラーノに続き僕がそう言うと、軽くため息をついてアベガルさんは頷いた。

 「その言葉、忘れるなよ。襲われる事がなくてもイラーノとルイユは見た目で目立つ。トラブルに巻き込まれる事は十分考えられるからな」

 「わかってる」

 「わかってます」

 アベガルさんの言葉に、イラーノとルイユは頷いた。

 「たっだら戻るぞ。で、テイマーの表示を消す」

 「え? 消してくれるの?」

 「あぁ。またルイユにあんな事を起こされてはたまらんからな。少しでも要因を減らして置く。わかっているとは思うが、お前達を信じてだからな。裏切るなよ」

 そう僕達を見渡してアベガルさんが言った。
 僕達は、全員頷く。
 所々嘘も入ってるけど、目的は本当だ。
 ルイユを殺さなくていい方法が、見つかるといいなぁ。

 「ほら遅くなったら言い訳を考えるのが大変になるから行くぞ」

 「あ! 俺、クテュールと一緒に帰りたい! コーリゼさん、馬にどうぞ」

 唐突にイラーノは言った。よほど馬に乗りたくないらしい。それなのに心配して駆けつけてくれたんだ。
 コーリゼさんは頷くも、息を殺して笑っている。イラーノが馬に乗りたくない理由がわかってるみたい。

 「あ、逃げないから!」

 ジッとアベガルさんが、イラーノを見つめているので、逃げる気だろうと見られていると思ったイラーノが弁解する。

 「主様。剣を宜しいですか?」

 「うん? はい」

 僕が持っていた剣をルイユに手渡した。

 「これは、あなたが持っていてください」

 そう言ってルイユは、コーリゼさんの前に剣を突き出した。

 「俺が持っていていいのか?」

 コーリゼさんが驚いて問う。
 いやこの場の全員が、そう思ったのに違いない。

 「えぇ。残念ですが、主様が持っているより安全だと思われます」

 まあ盗む人はいないとは思うけど、僕は剣を扱えないからなぁ。

 「いや、えーと。これ普通に使って大丈夫なのか?」

 「問題ありません。もし間違って私を刺しても殺せないので大丈夫です」

 僕が間違って刺すと、ルイユは死んじゃうって事!?

 「コーリゼさん。それなら僕よりコーリゼさんが持っていた方がいいかも!」

 「まあ、これを置いて逃げないって事だろう? ほら、コーリゼ行くぞ」

 「では、お預かりします。先にいってます」

 「お前達も早く来いよ! あ、そうだ。見つからない様に近くまで来たら森の中を移動すれよ!」

 「承知してます」

 アベガルさんに言われ、ルイユは頷いてわかったと答えた。
 そっか。コーリゼさんが剣を持って行けば、絶対に僕達は街に戻るよね。
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