231 / 245
◇228◇確証
しおりを挟む
ジッとルイユを見つめていたロドリゴさんが、剣を抜いた!
一瞬の出来事で、僕達は声を発する事さえできなくて、剣はルイユの首筋に当てられている。
ルイユも驚いた顔をして、ロドリゴさんを見つめていた。
「何故一緒に死ぬはずのお前が生きている? 何を企む?」
「ちょ……お父さん待って……」
「黙っていろ!」
僕達は、ごくりと唾を飲み込む。
「何も企んでいません。主様にお願いしたのですが、して頂けなかったのです」
「クテュールに?」
「魔女を剣に封印して、僕がその剣でルイユにとどめを刺さなければいけなかったんだ。でも僕は、ルイユを殺す事なんて出来なくて……」
「剣? 今持っている剣は、私があげた剣に見えるが? それか?」
ロドリゴさんの質問に僕は、違うと首を横に振る。
「コーリゼさんに預けてある」
「何!?」
僕の返答に、ロドリゴさんは凄く驚いた。
「お前達はバカか! 騙されている!」
「違う! 本当だから!」
「俺も魔女が消滅したのを見た!」
「よく考えろよ。クテュールは、テイマーでありながらモンスターを友達だと言った。その友達を殺せるか? 殺せないのをわかって言ったんだろう! 魔女の話もどこまで本当かわからないな!」
ロドリゴさんが、全く信じてくれないなんて!
あのアベガルさんは信じたのに!
「コーリゼとグルだろう?」
「お父さん、それは絶対にないよ! 魔女にコーリゼさんの妹が乗っ取られて……死んだんだ」
「そう口裏を合わせていると言っているんだ」
必死に説得するイラーノを見ずに、ルイユを睨み付けロドリゴさんはそう答えた。
ダメだ。全然信用していない!
「いいか、イラーノ。見た事実と真実は違う事もあるんだ。そう思う様に策を巡らせる事でな」
もしかしてロドリゴさんは……。
「僕の父さんの時の事を言っているの?」
「……そうだな。あの時、あの男が商人だと知っていれば、他の者にも鑑定させただろう。だが普通は、商人があんな所にまで来ないし剣も下げていない。だから冒険者だと思っていた。真実を知った時私は、自分を呪ったよ! お前達には、そんな思いをさせたくない!」
やっぱり!
モンスターのルイユが、自分を差し出してまでって思ったんだ。
「主様。彼には理解は無理の様です」
「あぁ。今すぐにこの街から出て行け! そして二度と二人に近づくな! それと、その姿にも二度となるな!」
「待って! コーリゼさんは嘘なんかついていない! そうアベガルさんも思ったから……」
「お前達は、どうしてそう素直なんだ! あの男がそうすんなり信じると思うか? 何か考えがあるんだろう。反対して追うより手なずける。そう言う男だろう」
ロドリゴさんの言っている事は正しいかもしれない。
信じたフリして泳がせる。
アベガルさんは、今までそうして来た。だから今回もそうかもしれない。
けど……ロドリゴさんには信じて欲しい。
「確証はあるのか? 本当に魔女がいたという確証。その剣に封印されたという確証。ルイユが言った話が作り話ではないという確証! どれ一つもないだろう!」
「あるよ! コーリゼさんは、魔女の封印を守っている村に住んでいた人なんだ! 10年前、男だと偽って冒険者になった!」
イラーノが、そう反論する。
「魔女の件は、違う騎士団の人が調べに行ったよ。だから魔女の話が嘘だったらそれでわかる。それに、コーリゼさんが女性だった事も本当で、10年前から偽っていたのも本当だから」
「イラーノ。それが本当だとしても、魔女の話を利用したのかもしれない」
「もういいですイラーノ。仕方がありません。アベガルが言ったように、あの場を見ていないと信じられないのでしょう。ですが証明する方法が一つあります。主様に、私を殺してもらう事です」
「え……。それはしないって言ったよね!」
「別にそんな手間いらないだろう? 私が殺してやる!」
「ダメ!」
僕は、ルイユの前に出た。
「確証はあるから……」
「あるだと?」
僕は頷く。
「ルイユと一緒に魔女を封印したエルフの声を僕は聞いているんだ。僕に運命を授けると言っていた。あの時は何の事かわからなかったけど、チュトラリーとしての運命だった。それを受け入れたから僕は、生きている……」
それを聞いた全員が驚いた。
「それは、本当ですか?」
ルイユの問いかけに僕は頷く。
「だからケアリーヌさんは、女性かと聞いたんだ。僕が聞いた声は女性だったから。だから魔女の話もチュトラリーの話も信じたんだ!」
僕は、ジッとロドリゴさんを見つめる。
ロドリゴさんも僕を見つめていた。
一瞬の出来事で、僕達は声を発する事さえできなくて、剣はルイユの首筋に当てられている。
ルイユも驚いた顔をして、ロドリゴさんを見つめていた。
「何故一緒に死ぬはずのお前が生きている? 何を企む?」
「ちょ……お父さん待って……」
「黙っていろ!」
僕達は、ごくりと唾を飲み込む。
「何も企んでいません。主様にお願いしたのですが、して頂けなかったのです」
「クテュールに?」
「魔女を剣に封印して、僕がその剣でルイユにとどめを刺さなければいけなかったんだ。でも僕は、ルイユを殺す事なんて出来なくて……」
「剣? 今持っている剣は、私があげた剣に見えるが? それか?」
ロドリゴさんの質問に僕は、違うと首を横に振る。
「コーリゼさんに預けてある」
「何!?」
僕の返答に、ロドリゴさんは凄く驚いた。
「お前達はバカか! 騙されている!」
「違う! 本当だから!」
「俺も魔女が消滅したのを見た!」
「よく考えろよ。クテュールは、テイマーでありながらモンスターを友達だと言った。その友達を殺せるか? 殺せないのをわかって言ったんだろう! 魔女の話もどこまで本当かわからないな!」
ロドリゴさんが、全く信じてくれないなんて!
あのアベガルさんは信じたのに!
「コーリゼとグルだろう?」
「お父さん、それは絶対にないよ! 魔女にコーリゼさんの妹が乗っ取られて……死んだんだ」
「そう口裏を合わせていると言っているんだ」
必死に説得するイラーノを見ずに、ルイユを睨み付けロドリゴさんはそう答えた。
ダメだ。全然信用していない!
「いいか、イラーノ。見た事実と真実は違う事もあるんだ。そう思う様に策を巡らせる事でな」
もしかしてロドリゴさんは……。
「僕の父さんの時の事を言っているの?」
「……そうだな。あの時、あの男が商人だと知っていれば、他の者にも鑑定させただろう。だが普通は、商人があんな所にまで来ないし剣も下げていない。だから冒険者だと思っていた。真実を知った時私は、自分を呪ったよ! お前達には、そんな思いをさせたくない!」
やっぱり!
モンスターのルイユが、自分を差し出してまでって思ったんだ。
「主様。彼には理解は無理の様です」
「あぁ。今すぐにこの街から出て行け! そして二度と二人に近づくな! それと、その姿にも二度となるな!」
「待って! コーリゼさんは嘘なんかついていない! そうアベガルさんも思ったから……」
「お前達は、どうしてそう素直なんだ! あの男がそうすんなり信じると思うか? 何か考えがあるんだろう。反対して追うより手なずける。そう言う男だろう」
ロドリゴさんの言っている事は正しいかもしれない。
信じたフリして泳がせる。
アベガルさんは、今までそうして来た。だから今回もそうかもしれない。
けど……ロドリゴさんには信じて欲しい。
「確証はあるのか? 本当に魔女がいたという確証。その剣に封印されたという確証。ルイユが言った話が作り話ではないという確証! どれ一つもないだろう!」
「あるよ! コーリゼさんは、魔女の封印を守っている村に住んでいた人なんだ! 10年前、男だと偽って冒険者になった!」
イラーノが、そう反論する。
「魔女の件は、違う騎士団の人が調べに行ったよ。だから魔女の話が嘘だったらそれでわかる。それに、コーリゼさんが女性だった事も本当で、10年前から偽っていたのも本当だから」
「イラーノ。それが本当だとしても、魔女の話を利用したのかもしれない」
「もういいですイラーノ。仕方がありません。アベガルが言ったように、あの場を見ていないと信じられないのでしょう。ですが証明する方法が一つあります。主様に、私を殺してもらう事です」
「え……。それはしないって言ったよね!」
「別にそんな手間いらないだろう? 私が殺してやる!」
「ダメ!」
僕は、ルイユの前に出た。
「確証はあるから……」
「あるだと?」
僕は頷く。
「ルイユと一緒に魔女を封印したエルフの声を僕は聞いているんだ。僕に運命を授けると言っていた。あの時は何の事かわからなかったけど、チュトラリーとしての運命だった。それを受け入れたから僕は、生きている……」
それを聞いた全員が驚いた。
「それは、本当ですか?」
ルイユの問いかけに僕は頷く。
「だからケアリーヌさんは、女性かと聞いたんだ。僕が聞いた声は女性だったから。だから魔女の話もチュトラリーの話も信じたんだ!」
僕は、ジッとロドリゴさんを見つめる。
ロドリゴさんも僕を見つめていた。
1
あなたにおすすめの小説
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
レンタル従魔始めました!
よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」
僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。
そのまま【テイマー】と言うジョブに。
最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。
それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。
そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか?
そのうち分かりますよ、そのうち・・・・
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる