君の(魔法使いの)ナイトになりたくて

すみ 小桜(sumitan)

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16儀式と蘇った想い1

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 「そのおじいちゃんが言っている方は私ではないですが、リードはできますよ」

 私が魔法使いに妥協しはじめた時に、アメリアさんはそう言ってきた。

 「え? 本当? お父さん頼もうよ!」
 「いや、しかし……」
 「え? 何ですの?」
 「アメリアさんが、おじいちゃんを本から出せますって」
 「え? それ本当ですの?」

 私の翻訳? にマリアさんも驚く。

 「頼む前にさ、ちょっと聞きたいんだけど……。そのリードってそもそも何?」

 カナ君がまともな質問をした!

 「え? いや、父さんがそう言っていただけだから……」

 つまり知らないみたい。自然と回答を求めアメリアさんに視線が集まる。

 「この本、その本もそうですが、私の世界では精霊の本といいます。リードとは、その本を進ませエンドさせる魔法の事です」

 アメリアさんは皆に説明を始める。私は、聞かれる前にマリアさんに復唱して聞かせた。

 「ありがとう、ルナ」

 それにマリアさんは嬉しそうに礼を返してくれた。

 「通常本にはエンド設定して作成します。リード条件が整えばその魔法を使いエンドさせるのです」
 「条件? お父さん聞いている?」
 「そういえば、魔法使いの儀式を受けた者を本の中に召喚する事って言っていたような……」

 おじさんの言葉にハル君とカナ君は頷きあう。

 「それって僕達の事だよね?」
 「だぶんな……」
 「ちょっとお待ちになって!」

 マリアさんは、冷ややかな目つきで二人に言った。私がリアルタイムで翻訳をしていたので、アメリアさんが言っていた言葉を聞いている。
 二人もマリアさんが言いたい事はわかっているんだと思う。

 「あ、ほらおじいちゃんが戻ってきたら儀式してほらえば……」

 でもカナ君はそう言った。勿論マリアさんは……

 「絶対嫌ですわ!」

 と、返事を返した。
 今、この状況を打破する為におじいちゃんを呼びたいのに、結局二人で行くと言っているのだから納得いかないんだと思う。

 「あの、アメリアさん。儀式なんて出来ませんよね?」
 「ごめんなさい。私達の世界にはないものです……」


 もしかしてとハル君が聞いたけど、アメリアさんはすまなそうにそう返して来た。彼女の世界では、儀式は行われていないようです。
 さて、どうしたらいいのか……。

 「おじさまがなされば宜しいですわ! おじい様のお子様なのですもの! 出来ますわよね?!」

 マリアさんが無理難題な事を言い出した! 私から見て魔法使いだとしてもおじさんが出来る様には見えないんだけど。
 ……って、いつも間にか魔法使い設定で考えていた! やばい私も毒されてきた……。

 「仕方がない。マリアさんだけ除け者にするわけにもいかないし。もしもの為にって父さんが用意していったものがあるから。……ちょっと待ってて」

 うーんと唸っていたおじさんはそう言って立ち上がり、部屋を出て行った。
 うん? おじいちゃんが用意した物を取りに行った? って、何する気?
 驚いているとおじさんは戻って来てテーブルの横の床に何か広げた。

 「何? 何?」

 ハル君がそう言って立ち上がる。いや、全員立ち上がっておじさんに注目する。
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