君の(魔法使いの)ナイトになりたくて

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
25 / 49

24おじいちゃんの世界の人達の秘密

しおりを挟む
 「うわぁ。びっくりした」

 光が納まると同時に驚く声が聞こえ目を開くと、おじさんとアメリアさんがいた。いつのまにか本の中から出て戻って来たみたい。

 「ずいぶん出てくるの早いんだな。消えたと思ったら一分ほどで戻るなんて……」

 皆を見渡しおじさんが言った。一分? おじいちゃんが言っていた通り時間の流れが違うのね。

 「一分? いや、俺達一時間ぐらい居たと思うけど……」
 「本の中と現実とは時間の流れが違うのだ。すごいだろう?」
 「すごいだろうじゃなくて! 父さん! もう子供達を巻き込むのはやめて下さい!」

 私達がおじいちゃんの言葉に頷いていると、おじさんはそう訴えた。

 「そう思うのなら本の事を言わなければよかっただろうに」

 それにおじいちゃんはつらっと答えている。
 うん? あれ? おじいちゃんって今、お兄さんになっているけどわかるんだ! じゃおじさんはおじいちゃんの正体を知っていたの!?

 「おじさんは、この人がおじいちゃんだと知っていたんだ!」
 「そりゃ知ってますよ。これが父さんの本来の姿です」
 「お待ちになって? では、おじさまよりおじい様の方が若いって事になりますの?」

 それ、私も気になる! どう見てもおじいちゃんの方が若い!

 「それはな。誠も魔法で歳をとっているように見せているからだ。私の世界の人間は、地球人と寿命が違うようだ。我々は、二十代ぐらいまでは地球人と同じペースで見た目は進むがその後はずっとその容姿を保つ。そして死ぬ間際になって老けていくのだ」

 私達四人はおじいちゃんの説明に目が点になった。凄い話を聞いた。不老不死みたいなもんだよね? 寿命がどれくらいかしらないけど……。いや、おじいちゃんって本当は何歳?!

 「あ、えっと。じゃ、お父さんも本当は見た目二十代なの?」

 おじさんはハル君の質問に頷いた。

 「父さんに魔法をかけてもらって、わざわざこの見た目にしている」
 「ちょっと待てよ! 俺の母さんがあんなに若く見えるのって若作りしている訳じゃなかったのか!!」

 カナ君がそう叫んだ。
 そっか。カナ君のお母さんはおじいちゃんの娘。女性だし老けたくないよね。

 「なんか、羨ましいですわ」

 マリアさんがボソッと呟いた。
 寿命は兎に角、死ぬ間際まで見た目二十代でいられるなら確かに羨ましいかも。

 「あの……すみません……」

 アメリアさんがすまなそうに私達に声を掛けて来た。
 忘れていたアメリアさんもいるんだった……。

 「私はアメリアと言います。リアムさんですよね?」
 「そうだが。そうか、あなたがリードを? しかしそのマントの色は……どうしてここに?」

 アメリアさんが訪ねるとおじいちゃんはそうだと答えるも驚く。しかも来ている服の色で……。

 「お願いがあって伺いました」

 真剣な目で見つめて言った。

 「なあ、おじいちゃん。服の色って何か意味あるのか?」

 カナ君が私達の聞きたい事聞いた。

 「私の世界では、外の世界を周る訪問者の役割を持つ者は、体を覆うマントが緑色なのだ。つまりそれ以外の者が外の世界にいるのは稀だ」
 「じゃアメリアさんを追っていた男の人って訪問者? おじいちゃんも? あの人、悪い人じゃなかったんだ!」

 おじいちゃんの説明を聞いて、ハル君がそう言った。
 知り合いかどうかはわからないけど、同じ世界の人間同士で、あの男の人は服の色を見て追いかけていたのかも。

 「ごめんなさい。騙すつもりはなかったのですが、どうしてもリアムさんに会いたくて。あなた達についていったら、精霊の本が出て来たので……」
 「もしかしてリードを申し出たのは、おじい様に早くお会いになる為でしたの?」

 マリアさんの質問にアメリアさんはそうですと頷いた。

 「随分と協力的だとは思ったが……」

 そう言いながらおじさんは、私達を庇う様に前に出た。

 「利害た一致しただけです……」
 「なるほど。で、用件は?」
 「父さん! もう少し考えて行動して下さい。子供達が危ない目に遭うところだったのですよ!」
 「何を言っている。危ない目に遭わせたのはお前ではないか。この者に精霊の本を見せたのだろう?」
 「そ、それは……」
 「それに危害は加えられていないのだろう? 外に出たことがない者がここまで来たのだから余程の事なのだろう」
 「………」

 分配はおじいちゃんに上がったようです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

【完】王妃の座を愛人に奪われたので娼婦になって出直します

112
恋愛
伯爵令嬢エレオノールは、皇太子ジョンと結婚した。 三年に及ぶ結婚生活では一度も床を共にせず、ジョンは愛人ココットにうつつを抜かす。 やがて王が亡くなり、ジョンに王冠が回ってくる。 するとエレオノールの王妃は剥奪され、ココットが王妃となる。 王宮からも伯爵家からも追い出されたエレオノールは、娼婦となる道を選ぶ。

俺が宝くじで10億円当選してから、幼馴染の様子がおかしい

沢尻夏芽
恋愛
 自他共に認める陰キャ・真城健康(まき・けんこう)は、高校入学前に宝くじで10億円を当てた。  それを知る、陽キャ幼馴染の白駒綾菜(しらこま・あやな)はどうも最近……。 『様子がおかしい』 ※誤字脱字、設定上のミス等があれば、ぜひ教えてください。  現時点で1話に繋がる話は全て書き切っています。  他サイトでも掲載中。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

処理中です...