断罪の時間です! ざまぁには、ざまぁを!

ぽんぽんぽん

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D 生徒会室の時間です

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《エービイシー様方による断罪失敗!
ABC嬢方々によるご説得により、元サヤに!》

徹夜作業で活版印刷機を回し続けた新聞部によって、朝の学園は、号外新聞が飛ぶように売れた。


(んま!ご令嬢やるじゃない)
(むしろここまで来ると清々しいな)

(あのアバズレ、ざまぁですわ。
お取り巻きの敗北で退路が無くなりましたわね)

(残るは、殿下?まさかなぁ。)

(いかな第二でも、王族ですわよ!
他の方々とはお立場が違いますわ!)

(よし!賭けるか?
次の婚約破棄は成功するか)

学園内はまたとないイベントに興奮状態である。




「一体どういう事?
どうして私がこんな恥をかかなくちゃならないの!」

アーディア嬢は、ワナワナと裏庭のベンチで新聞を手に怒っていた。

日頃の行いで、彼女には連れがいない。
何時も構ってくれたエービイシー君は、婚約者をチヤホヤするのに忙しいようだ。

(逆ハーはこれでなくなったわ。
残るは王道、王子ルートのみ)

ピンクの髪の毛を手ぐしで整えて、アーディアは気持ちを入れ直す。


そう。アーディアはテンプレもいいとこの、転生者である。
作者もまさかと思い下書きメモにすら入れてなかった、転生ものへと話は進んでいる。

「見てらっしゃい!
未来の国母は私!
最後に笑うのは私よ!」

お前の恋人は第二王子。
第一王子の立場はどうする、と、思うヒロインの不遜さである。

あははという高笑いが校舎のレンガに反響する裏庭であった。




「どうしたのだ?皆俯いて押し黙っていてはラチが開かない。」

第二王子は、高貴な出自故、ゴシップには疎い。
昨日のシュラバ三連単も、公務で欠席していてスルーであった。

生徒総会を控えて、本日は役員会である。
副会長のエーは、議題を進めないし、
書記のビイは、ぶつぶつと俯いて呟いているし、
庶務のシーは、何故か赤い顔で恥ずかしそうにしている。


「ディー殿下っ!」

バン!
と、ノックも無しに突入してきたのは、アーディアである。

「エーくんも、ビイちゃんも、シーさんも、悪くなんかないの!」

「「「「アーディア」」」」

ウルウルと器用に瞳を潤ませながら、彼女は淀みなく弁舌を振るう。

「殿下っ!
皆さんは私と殿下の為にっ!
二人の真実の愛の為に、御令嬢を糾弾なさったの!」
「私とアディの?」

「そう!
エーくんは、王子殿下と恋仲の私が貴族社会で生きていく為に、いじめ事案解決を図り、敢えて婚約者に苦言を!」

そ、そうだったかな、と、銀縁眼鏡が呟く。

「ビイちゃんは、
自分の拗らせを開示してまで、殿下のもとへ急ぐ私が、事故に遭わないよう婚約者の魔術の姑息さを!」

いや、拗らせては…と拗らせ野郎の呟き。

「シーさんは、
王子とラブラブの私に護衛がない事を懸念して、敢えてその危険さをアピールする為に真剣勝負を!」

美味しいシチュではあったが、と本音をさらけ出す脳筋。

「そうか。
皆、ご苦労であった。
私の為に。
家名に傷がなければ良いのだが」


三人は、お気遣いなく、と、同時に答えた。
実のところ、学園の所業は実家に即伝わり、お説教をしっかり受けたのである。


「でもでも!
アーディアにひっどい事をけしかけたのは、じ、実は、D様なのっ!
殿下の婚約者の!」

「何?D公爵令嬢が?」

「そう!この3人の失態も、3人の令嬢の返しうちもっ、
私を亡き者にしようとするD様の策略なのっ!」

「何と。
あの女、無垢なアーディアに醜い嫉妬を?」


くすん、すん、
と、アーディアは器用に泣きながら澱みなくぺらぺらしゃべる。

「……いいの。
アーディアは日陰の女でも!
でもでもっ!
殿下を想う気持ちは、国の誰よりも大きいと誓えるわ!
例えどんなにいじめられても、虐げられても、殿下、殿下さえ私の味方なら、何も怖くない!
みんなも、エーくんもビイちゃんもシーさんも、私達を支えて下さるわっ!」

「アーディア……」

育ちがよく世間知らずの第二王子は、感動していた。
と、共に、これ程までに自分を愛する女性に、ここまで言わせている事に恥じてもいた。


「皆の気持ち、報いよう。
私はアーディアをただ一人の想い人として、公言しようと思う」

「で、殿下あっ♡
アーディア嬉しい!
私も、愛するのはディー!貴方だけよ‼︎」


いやいや。
昨日まで、4股でしっぽりずっぷり、みんなのアーディアだった事は、すっかり無かった事になっている。

そして、しっかり自分たちの合意によりこの二人を支持する事になっている。


(……分かってんでしょうね。
私をサポートしなきゃ、出世はないわよ!あんた達との蜜月をみーんなバラしてやるから……)

アーディア得意のテレパシー魔術は、3人の脳裏にスパークして、3人は押し黙るしかなかった。

その間も、アーディアは王子殿下の金の瞳にうるうるする泣き顔を映して、うっとりとしていた。


翌日、生徒総会が、始まる―



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