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それからというもの、二賀斗のスマホにはネットショップの勧誘メール並みに毎日毎日、明日夏から葉奈の画像が飛び込むようになった。
“立っちしたよ”というコメントとともに、葉奈がテーブルの脚にしがみついて立っている画像。
“ごきげんさん”というコメントとともに笑顔で離乳食を食べている画像。
“日向ぼっこ”というコメントとともに縁側でお昼寝をしている画像。
「明日夏が母親になったら子どものことすごい溺愛するんだろうな。ふっふっふ……」
二賀斗は、顔をほころばせながら毎日届く画像を眺めた。そして遠慮するであろう二賀斗を気遣い、事あるごとに明日夏は二賀斗を自宅に呼び寄せ、ともに葉奈の世話をした。
「ニーさん、ダメよ。もっとここしっかり抱かなきゃ」
「あ、ああ」
二賀斗はおぼつかない手つきで葉奈を抱きかかえる。
「これで、いいんかな。なんか……恐い」
「こっちが緊張してると、葉奈ちゃんにも緊張が伝わって不安になっちゃうよ。もっと堂々とだっこして!」
明日夏は新米パパを教育するような口調で二賀斗に指導をする。
「赤ん坊って、ほんとに何か、……赤ん坊だね」
「プッ! あはははッ! ……そ、そうね。あはは。……ほんとに赤ん坊ね」
二賀斗の率直すぎる感想を耳にして、明日夏は思わず声を出して笑った。
「でもさ、守りたいって気持ちになるでしょ? 人でも動物でも赤ちゃんの顔って、母性を引き出す作りになっているんだってよく言われてるよね」
「ふうーん」
二賀斗は葉奈を胸に抱いて、上体を小さく揺らしながら幼い葉奈の顔を見つめた。
胸に抱かれた葉奈の黒い瞳が二賀斗を映す。
「……ん?」
葉奈が笑ったような気がした。
「ニーさん笑って!」
明日夏の声に、二賀斗が顔を上げる。明日夏はスマホで葉奈を抱きかかえている二賀斗の姿を一枚写した。
「この姿が将来、いい思い出になるのよ、パパ。……あ、違うか」
「は、はは……」
二賀斗は、緊張した身体を静かに揺らしながら、ぎこちなく笑った。
ある日、いつものように明日夏に誘われて二賀斗は明日夏の自宅を訪ねて行った。
「こんにちはー」
玄関の扉を開けて、いつものように挨拶をする。
「はーい」
家の奥から、明日夏の母の元気な声が聞こえた。
「待ってたわよ、陽生さん」
容子が二賀斗を出迎えた。
「明日夏ねェ、葉奈ちゃんと一緒に買い物に出かけちゃったのよ。もうすぐ帰ってくると思うから上がって待ってて」
「あー。……じゃあ、また来てみます」
「何言ってるの。明日夏がいないからって遠慮することないでしょ。上がってください」
容子は、帰ろうとする二賀斗に、そう声をかけた。
「あ、はい。……じゃあ、お邪魔します」
玄関を抜け、ダイニングに進むと、鐡哉がリビングのソファに座って新聞を読んでいた。
鐡哉は二賀斗に気付くと、読んでいた新聞を四つ折りにたたみ、そのままテーブルに放って二賀斗に声をかけた。
「おお、ヒロ。待ってたぞ。こっちこいよ」
「あ、こんにちは」
二賀斗は、鐡哉に会釈をすると、鐡哉の正面のソファに腰を下ろした。
「明日夏は、いま出掛けているんだ。ちょっと待ってろな」
「はい」
鐡哉は、南向きの掃き出し窓から外を眺める。
「季節的にもいい時期だな。暑くもなく、寒くもなく」
二賀斗も同じく外を眺める。
「そうですね。……でもすぐ暑くなりますよね、この頃は」
「そうだな。俺が小さいころなんか、夏でも三〇度なかったぞ。朝は涼しかったし、夏休みの時はよく母親に“朝のうちに宿題やれ”って言われてたなぁ」
「へえ、そうですか。今じゃ想像できないですね、夏の朝が涼しいなんて」
「今時分の夏は、夜中だって暑いですからねえ」
容子はテーブルにお茶を置くと、話に割って入って来た。
「まったくだ」
鐡哉は、茶碗を掴むと一口、口に含んだ。容子はダイニングに戻っていく。
それからしばらく、男二人の取り止めのない話が続いた。
「……ところで、仕事の方はどうだ。順調か?」
鐡哉は、前のめりになっていた背中を、ソファの背もたれに預けた。
「まあ、何とか。……厳しい時は、知り合いに手伝ってもらいながらやってます」
「そうか。……今の仕事、続けられそうか?」
鐡哉は、外の風景を眺めた。
「……そう、ですね。これしか取り柄がないですから。……協調性ないですし、特別な才能もないですし」
二賀斗はうつむいて見せた。
鐡哉は身を起こすと、落ち着きない様子で今度は床に目をやった。
「……なあ、ヒロ。……明日夏のこと、どう思う」
「あーちゃんですか? ……感謝してますよ。いろいろと気ィ遣ってくれて」
二賀斗は、しめやかな表情をしながら言葉少なく話した。
容子がダイニングから、チラリとリビングで語らう二人を見る。
「……ん、そっか。……というかァ。何だ、……女性としての明日夏をどう思う?」
鐡哉は腕を組んで、なお二賀斗に問いかけた。
「……はぁ。まあ、素晴らしい女性だと思いますよ。かわいいですし、頭いいですし。……何より自分にはない、確固とした強い意志を持っていますし」
二賀斗は、鐡哉を見つめてはっきりとした口調で答えた。
鐡哉は右手で無精ひげを擦りながら、口を開く。
「……なあ、ヒロ。お前、明日夏と結婚したいとか考えたこと……ないか?」
「はぁ? ど、どしたんですか。急に」
二賀斗は、鐡哉の唐突な言葉に目を大きくした。
「ああ、うん。……まあ、なんだ。最近、あいつ何やら明るくなってきたし、随分とハキハキして、正直驚いてるんだよ。お前も知ってるだろ? ちょっと前までひどかったじゃないか。眉間にしわ寄せて、眼ェ吊り上げて。……まぁ、収のことがなァ、精神的に響いてるってのはわかってはいるんだがな。……ヒロ、内緒の話だぞ。実は去年、県の会議の傍聴に行っては大騒ぎしているって話を聞いていたんだよ。まぁ、ハタチを過ぎた大人なんだから、それについて別にああだこうだと口出しとかはしなかったんだがな」
鐡哉は眉をひそめて渋い顔をした。二賀斗は、うつむいてその言葉を静かに噛みしめた。
「でもまあ、あんな状態だったのにすっかり表情も明るくなったし、あんなおとなしい性格だったのがすごい変わっちまって。……吹っ切れたのかなぁ。まぁ、お前ら二人のやり取りをここでこうやって見ていてな、なんか気が合ってる感じが大いにするんだよ。あいつも適齢期ってやつだろうし、お前はどう思ってるんかな、とな。……べ、別に他意はないぞ、あんまり仲がいいから聞いて見ただけなんだから」
鐡哉は、笑いながら二賀斗を見た。
二賀斗は、うつむいたまま静かに言葉を出した。
「……そう、見えましたか。仲がいいかぁ。……そうですね。お世辞じゃなく、あーちゃんはホントにかわいいですよ。やさしいし、面倒見もすごくいいし。誰だってあーちゃんには惹かれますよ。……でも、あーちゃんにはもう決まった人がいますから」
二賀斗のその言葉に、鐡哉が反応した。ダイニングにいる容子も顔をリビングに向ける。
「誰かいるのか?」
「居るもなにも、あーちゃんの隣にはいつも収が陣取ってるじゃないですか。……たとえこの世にいなくても、あーちゃんはあいつのために席を用意してるから、誰も座れないんですよ」
「……じゃあ、何か? 一生一人でいるつもりなのか、あいつは」
鐡哉は憮然とした表情を見せた。
「……どうなんですかね。地球上にはこんなに人間がいるんですから、あーちゃんと気が合う人だって必ず何人かは居るんでしょうけど。……一途っていうか、想いが強いんですかね。……俺だってそうですよ。いつまでもいつまでもしつっこく頭にこびり付いている思いがあるし。……もしかしたら同じ境遇の者同士、お互いの気持ちがわかるから仲が良さそうに見えてるのかもしれないですよ」
二賀斗は寂しそうな顔で鐡哉の問いかけに答えた。
鐡哉は、腕を組んで黙り込んだ。容子も視線をダイニングに戻し、目を伏せた。
不意に玄関の扉が開く音が聞こえると、元気な明日夏の声が家中に響いた。
「ただいまー、ちょっと手伝ってー。ニーさんいるのー?」
「はーい」
威勢よく声を上げると、二賀斗は腰を跳ね上げて玄関に向かう。
「ああ! ヒロ。……今の、内緒な」
鐡哉は気まずそうに二賀斗に声をかけた。
「ああ、はい」
二賀斗は笑って答えた。
玄関には、葉奈を背負った明日夏が息を切らせながら両手に荷物を持って立っていた。
「おおーっ。お疲れェ」
「あー、重たっ。おんぶして持ってくの無理だー。荷物お願い!」
笑いながら明日夏が言う。
「ははっ。華奢な明日夏には荷が重いよな。はい、荷物預かるよ」
二賀斗は、明日夏の両手に握られた荷物を受け取った。
「少し、筋肉ついたかもしんないよ」
「筋肉質の明日夏って、あんまり見たくないなあ。買うものがあるなら言ってくれよ、行くからさ」
「ふふっ。ニーさん、いいパパになれるよ」
明日夏は、目を細めて笑った。
“立っちしたよ”というコメントとともに、葉奈がテーブルの脚にしがみついて立っている画像。
“ごきげんさん”というコメントとともに笑顔で離乳食を食べている画像。
“日向ぼっこ”というコメントとともに縁側でお昼寝をしている画像。
「明日夏が母親になったら子どものことすごい溺愛するんだろうな。ふっふっふ……」
二賀斗は、顔をほころばせながら毎日届く画像を眺めた。そして遠慮するであろう二賀斗を気遣い、事あるごとに明日夏は二賀斗を自宅に呼び寄せ、ともに葉奈の世話をした。
「ニーさん、ダメよ。もっとここしっかり抱かなきゃ」
「あ、ああ」
二賀斗はおぼつかない手つきで葉奈を抱きかかえる。
「これで、いいんかな。なんか……恐い」
「こっちが緊張してると、葉奈ちゃんにも緊張が伝わって不安になっちゃうよ。もっと堂々とだっこして!」
明日夏は新米パパを教育するような口調で二賀斗に指導をする。
「赤ん坊って、ほんとに何か、……赤ん坊だね」
「プッ! あはははッ! ……そ、そうね。あはは。……ほんとに赤ん坊ね」
二賀斗の率直すぎる感想を耳にして、明日夏は思わず声を出して笑った。
「でもさ、守りたいって気持ちになるでしょ? 人でも動物でも赤ちゃんの顔って、母性を引き出す作りになっているんだってよく言われてるよね」
「ふうーん」
二賀斗は葉奈を胸に抱いて、上体を小さく揺らしながら幼い葉奈の顔を見つめた。
胸に抱かれた葉奈の黒い瞳が二賀斗を映す。
「……ん?」
葉奈が笑ったような気がした。
「ニーさん笑って!」
明日夏の声に、二賀斗が顔を上げる。明日夏はスマホで葉奈を抱きかかえている二賀斗の姿を一枚写した。
「この姿が将来、いい思い出になるのよ、パパ。……あ、違うか」
「は、はは……」
二賀斗は、緊張した身体を静かに揺らしながら、ぎこちなく笑った。
ある日、いつものように明日夏に誘われて二賀斗は明日夏の自宅を訪ねて行った。
「こんにちはー」
玄関の扉を開けて、いつものように挨拶をする。
「はーい」
家の奥から、明日夏の母の元気な声が聞こえた。
「待ってたわよ、陽生さん」
容子が二賀斗を出迎えた。
「明日夏ねェ、葉奈ちゃんと一緒に買い物に出かけちゃったのよ。もうすぐ帰ってくると思うから上がって待ってて」
「あー。……じゃあ、また来てみます」
「何言ってるの。明日夏がいないからって遠慮することないでしょ。上がってください」
容子は、帰ろうとする二賀斗に、そう声をかけた。
「あ、はい。……じゃあ、お邪魔します」
玄関を抜け、ダイニングに進むと、鐡哉がリビングのソファに座って新聞を読んでいた。
鐡哉は二賀斗に気付くと、読んでいた新聞を四つ折りにたたみ、そのままテーブルに放って二賀斗に声をかけた。
「おお、ヒロ。待ってたぞ。こっちこいよ」
「あ、こんにちは」
二賀斗は、鐡哉に会釈をすると、鐡哉の正面のソファに腰を下ろした。
「明日夏は、いま出掛けているんだ。ちょっと待ってろな」
「はい」
鐡哉は、南向きの掃き出し窓から外を眺める。
「季節的にもいい時期だな。暑くもなく、寒くもなく」
二賀斗も同じく外を眺める。
「そうですね。……でもすぐ暑くなりますよね、この頃は」
「そうだな。俺が小さいころなんか、夏でも三〇度なかったぞ。朝は涼しかったし、夏休みの時はよく母親に“朝のうちに宿題やれ”って言われてたなぁ」
「へえ、そうですか。今じゃ想像できないですね、夏の朝が涼しいなんて」
「今時分の夏は、夜中だって暑いですからねえ」
容子はテーブルにお茶を置くと、話に割って入って来た。
「まったくだ」
鐡哉は、茶碗を掴むと一口、口に含んだ。容子はダイニングに戻っていく。
それからしばらく、男二人の取り止めのない話が続いた。
「……ところで、仕事の方はどうだ。順調か?」
鐡哉は、前のめりになっていた背中を、ソファの背もたれに預けた。
「まあ、何とか。……厳しい時は、知り合いに手伝ってもらいながらやってます」
「そうか。……今の仕事、続けられそうか?」
鐡哉は、外の風景を眺めた。
「……そう、ですね。これしか取り柄がないですから。……協調性ないですし、特別な才能もないですし」
二賀斗はうつむいて見せた。
鐡哉は身を起こすと、落ち着きない様子で今度は床に目をやった。
「……なあ、ヒロ。……明日夏のこと、どう思う」
「あーちゃんですか? ……感謝してますよ。いろいろと気ィ遣ってくれて」
二賀斗は、しめやかな表情をしながら言葉少なく話した。
容子がダイニングから、チラリとリビングで語らう二人を見る。
「……ん、そっか。……というかァ。何だ、……女性としての明日夏をどう思う?」
鐡哉は腕を組んで、なお二賀斗に問いかけた。
「……はぁ。まあ、素晴らしい女性だと思いますよ。かわいいですし、頭いいですし。……何より自分にはない、確固とした強い意志を持っていますし」
二賀斗は、鐡哉を見つめてはっきりとした口調で答えた。
鐡哉は右手で無精ひげを擦りながら、口を開く。
「……なあ、ヒロ。お前、明日夏と結婚したいとか考えたこと……ないか?」
「はぁ? ど、どしたんですか。急に」
二賀斗は、鐡哉の唐突な言葉に目を大きくした。
「ああ、うん。……まあ、なんだ。最近、あいつ何やら明るくなってきたし、随分とハキハキして、正直驚いてるんだよ。お前も知ってるだろ? ちょっと前までひどかったじゃないか。眉間にしわ寄せて、眼ェ吊り上げて。……まぁ、収のことがなァ、精神的に響いてるってのはわかってはいるんだがな。……ヒロ、内緒の話だぞ。実は去年、県の会議の傍聴に行っては大騒ぎしているって話を聞いていたんだよ。まぁ、ハタチを過ぎた大人なんだから、それについて別にああだこうだと口出しとかはしなかったんだがな」
鐡哉は眉をひそめて渋い顔をした。二賀斗は、うつむいてその言葉を静かに噛みしめた。
「でもまあ、あんな状態だったのにすっかり表情も明るくなったし、あんなおとなしい性格だったのがすごい変わっちまって。……吹っ切れたのかなぁ。まぁ、お前ら二人のやり取りをここでこうやって見ていてな、なんか気が合ってる感じが大いにするんだよ。あいつも適齢期ってやつだろうし、お前はどう思ってるんかな、とな。……べ、別に他意はないぞ、あんまり仲がいいから聞いて見ただけなんだから」
鐡哉は、笑いながら二賀斗を見た。
二賀斗は、うつむいたまま静かに言葉を出した。
「……そう、見えましたか。仲がいいかぁ。……そうですね。お世辞じゃなく、あーちゃんはホントにかわいいですよ。やさしいし、面倒見もすごくいいし。誰だってあーちゃんには惹かれますよ。……でも、あーちゃんにはもう決まった人がいますから」
二賀斗のその言葉に、鐡哉が反応した。ダイニングにいる容子も顔をリビングに向ける。
「誰かいるのか?」
「居るもなにも、あーちゃんの隣にはいつも収が陣取ってるじゃないですか。……たとえこの世にいなくても、あーちゃんはあいつのために席を用意してるから、誰も座れないんですよ」
「……じゃあ、何か? 一生一人でいるつもりなのか、あいつは」
鐡哉は憮然とした表情を見せた。
「……どうなんですかね。地球上にはこんなに人間がいるんですから、あーちゃんと気が合う人だって必ず何人かは居るんでしょうけど。……一途っていうか、想いが強いんですかね。……俺だってそうですよ。いつまでもいつまでもしつっこく頭にこびり付いている思いがあるし。……もしかしたら同じ境遇の者同士、お互いの気持ちがわかるから仲が良さそうに見えてるのかもしれないですよ」
二賀斗は寂しそうな顔で鐡哉の問いかけに答えた。
鐡哉は、腕を組んで黙り込んだ。容子も視線をダイニングに戻し、目を伏せた。
不意に玄関の扉が開く音が聞こえると、元気な明日夏の声が家中に響いた。
「ただいまー、ちょっと手伝ってー。ニーさんいるのー?」
「はーい」
威勢よく声を上げると、二賀斗は腰を跳ね上げて玄関に向かう。
「ああ! ヒロ。……今の、内緒な」
鐡哉は気まずそうに二賀斗に声をかけた。
「ああ、はい」
二賀斗は笑って答えた。
玄関には、葉奈を背負った明日夏が息を切らせながら両手に荷物を持って立っていた。
「おおーっ。お疲れェ」
「あー、重たっ。おんぶして持ってくの無理だー。荷物お願い!」
笑いながら明日夏が言う。
「ははっ。華奢な明日夏には荷が重いよな。はい、荷物預かるよ」
二賀斗は、明日夏の両手に握られた荷物を受け取った。
「少し、筋肉ついたかもしんないよ」
「筋肉質の明日夏って、あんまり見たくないなあ。買うものがあるなら言ってくれよ、行くからさ」
「ふふっ。ニーさん、いいパパになれるよ」
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