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それから一月後。二賀斗一家の引っ越しが無事に終わり、新たな住まいから賑やかな生活が始まった。
「ふぁ……。おはよ、ニーさん」
午前六時三十分。眠い目を擦りながらストライプ柄のルームウェア姿で明日夏が二階から降りてくる。
「おう、おはよう」
すでに身支度を整えた陽生は容子とともにキッチンで明日夏を出迎える。
明日夏が朝食を摂り終えた頃、陽生は葉奈と子どもたちを起こしに部屋へ向かう。
「あ――……。おはよ、おねえちゃん」
目を閉じながらフラフラした足取りで葉奈は明日夏に朝の挨拶をする。
「毎日大変でしょ。早く卒業できるといいね」
明日夏は葉奈にねぎらいの声をかけると、洗面台の方に歩いていった。
陽生は収友と結愛をダイニングの椅子に乗せたが、二人とも座ったまましばらく眠りに入っていた。
「あー、しんど。……お父さんもよく頑張れたね」
葉奈は椅子に座るなり立て膝をついて一言漏らした。
「今が五年生だから、あともう少しの辛抱だ。葉奈先生」
陽生はカフェオレの入ったカップを葉奈に差し出した。
「えへへ。陽生がそう言ってくれるンなら、もうちょっと頑張るかなー」
葉奈は微笑んでカップを口にすると、渋い顔つきをした。
「ちょ、ちょっと! これ苦すぎッ」
「はははっ。俺からのエールだよ。いい具合に目が覚めたろ」
陽生は目尻にシワを作って笑った。
「難しいんでしょ? お勉強。お医者さんになるってホント大変なことなのねェ」
容子がダイニングの椅子に腰を下ろした。
「葉奈ちゃん、先に行くけど今日はゆっくりなの?」
身支度を整えた明日夏が葉奈に声をかける。
「あー、うん。今日は十時からだから少し遅くていいの。行ってらっしゃい」
葉奈は椅子の背もたれにもたれ掛かって明日夏に手を振る。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃーい」
陽生と容子が声を合わせて明日夏を見送る。
「収友ー、結愛ー。そろそろ起っきしてゴハン食べようか。幼稚園のバスがお迎えに来ちゃうよー」
陽生は二人の頭を優しく撫でた。
明日夏が家を出て数十分後、葉奈も身支度を整えて大学へと向かい、そこから少し遅れて収友と結愛も幼稚園の送迎バスに乗って幼稚園に登園する。
静かになったダイニングでは陽生と容子が世間話をしながら遅い朝食を摂る。そのあと、容子は庭に出て洗濯物を干し、陽生は生前、鐡哉が使っていた書斎で仕事をし、午後三時頃にやって来る送迎バスを出迎える。そんな平凡で暖かな毎日を送っていた。
梅雨が過ぎ、暑い夏を越し、色濃い秋を偲び、静かな冬を見送り、四月。新しい季節がまた始まる。
収友は地元の小学校に入学すると、小さな身体が隠れるほど黒い大きなランドセルを背負いながら毎日学校に通う。そして葉奈は大学生としての最後の年。朝早くから始まる病院実習のため、大学病院近くにアパートを借り、週末だけ自宅に戻る二重生活をしていた。
――こんなことになっちゃって、ホントにごめんね。ひろき――
瞳を潤ませながら葉奈は何度も陽生に謝ったが、そんな葉奈の心配もどこ吹く風のように陽生は、義母・容子とともに収友と結愛、二人の成長を楽しそうに見届けていた。
五月。若葉の季節に入り幾日かが過ぎたその日は、朝から雨が降ったり止んだりのぐずついた空模様だった。
夜も八時過ぎ。外は小雨が降り続く。ダイニングではいつものように遅い食事を摂る明日夏を囲みながら陽生と容子が歓談をし、リビングでは収友が画用紙に絵を描き、結愛が人形で遊んでいた。
「え―っ。あした本降りかぁー」
ダイニングに置かれたテレビを見ながら陽生が声を上げた。
明日は幼稚園年長組にいる結愛の最後の遠足の日。何日も前から結愛は、事あるごとにその話を陽生たちに話していた。
「あれぇ? 明日って、結愛ちゃんの遠足の日だよね?」
明日夏が箸を止めて陽生に尋ねた。
「ああ。そうなんだけど……明日雨だと、やっぱり遠足は中止になるんだよね?」
「え―――っ。やだ―――!」
大人たちの会話をリビングから目聡く聞きつけた結愛が大きな声で叫び出した。
「あッちゃー。聞かれちゃったか」
陽生は思わず顔をしかめた。
「えーっと……結愛。もしかしたら明日、雨かもしれないんだってー」
ダイニングから陽生は結愛に向かって優しく話しかけた。
「やだっ! あしたいくの―――!」
結愛は立ち上がると、人形を右手に持ったまま大きな声で抗議した。陽生は、やれやれといった様子で会話を続ける。
「そうだねぇ。あした、行きたいよねぇ……。じゃあ、雲さんにお願いしてみようよ。あしたは幼稚園最後の遠足だからどうしても行きたいんで、雲さんはどっか行ってくださいって」
「うん! おねがいする――!」
結愛は手に持っていた人形をソファに置くと、カーテンが閉まっている掃き出し窓の方に向かって手を合わせ、そして目を閉じて祈り始めた。
「あらら、あんなことしちゃって。……かわいいわねえ」
容子は目を細めて結愛の後ろ姿を見つめた。
「そりゃあ、あんなに楽しみにしてたんだもんねぇ、結愛ちゃん。……よっし、お風呂に入ろっと」
明日夏は席を立って浴室へと向かった。
「それじゃ、私もお片づけしちゃおうかしらね」
容子は食器を重ねて流し台へと運ぶ。
「あっ、お義母さん。俺がやりますから座っててくださいよ」
陽生は容子とともに流し台へと場所を移した。
ダイニングから聞こえてくる会話を背に、結愛は静かに目を閉じたまま両手を合わせて祈り続ける。
台所からは食器を洗う音やゴミを片づける音が流れる。収友は祈り続ける結愛の姿に目もくれず夢中で絵を描いている。
「……はあ―――ぁ。もぉ――。おにいちゃん、いっしょにやってよ! ゆあだけじゃできないよー!」
結愛が不機嫌な顔で収友に話しかけた。
「うん、いいよ。いっしょにやろ」
収友は色鉛筆をテーブルに置くと、結愛の横に並んで一緒に祈り始めた。
「陽生さん、ご苦労様でした」
夕食の後片付けが終わり、容子が陽生にねぎらいの言葉をかけた。
「いえいえ。……ん? 何だい、収友も一緒になってやってるのか」
陽生はリビングでお祈りをしている子供たちに目をやった。
「……ん? なんだ?」
祈りを捧げる収友と結愛の周囲が、何となくぼんやりと霞がかっているように見えた。
〈えっ? かすみ目? うっわー、もうそんな歳かよ!〉
陽生は慌てて両手で目を擦ると、再び子供たちの方を見た。
「今度は……ちゃんと見えてるな。……はぁ。気持ち的には全然年取ったって感じしないけど、やっぱ衰え始めてるんだなぁ。年には勝てないか……」
そう呟きながらゆっくりと二人に近づいた。
「二人とも寝る時間だよ。……あれ。なんだい、立ったまま寝てるよ。おいッ、歯磨きしてから寝るよー」
陽生は二人を床に寝かせると、急いで洗面台から二人の歯ブラシを取りに行った。
「なーにィ。また寝ちゃったの?」
ドライヤーで髪を乾かし終わった明日夏が、いつもの調子で陽生に話しかける。
「はは、毎度のことだね。申し訳ない」
「じゃあ、いつものように収友は私がやりますか」
そう言うと、明日夏は収友の歯ブラシを陽生の手から引き抜いた。
「結愛。……結愛」
陽生は熟睡の真っただ中にいる結愛の頬を軽く触った。
「んにゃにゃ……」
結愛は寝言のような声を出した。
「結愛ー。遠足に遅れちゃうぞォー」
陽生のその声を耳にすると結愛のまぶたが大きく開いた。結愛は布団から飛び起きるとリビングに向かって一目散に走り出し、掃き出し窓に手をついて外を窺った。
空の彼方から太陽がまぶしく結愛の姿を照らす。庭の芝生の水滴がキラキラと乱反射している。
「よっしゃ―――っ!」
寝起きとは思えないくらいに結愛は元気な掛け声を出してガッツポーズをとった。
「あら、結愛ちゃん。ずいぶんと早起きね」
身支度を整えた明日夏が結愛を見つけて声をかけた。
「あ、そっか。天気が気になって起きちゃったのかー。よかったね、今日遠足に行けるぞぉー」
「うん! 雲さんがバイバイしてくれたー」
結愛は満面の笑みでそう答えた。
「しっかし昨日はあんなに本降りだって言ってたのに、天気予報もホント当てになんないよなァ」
陽生は首をかしげて呟いた。
「まあまあ、遠足に行けるんだからいいじゃない。じゃあニーさん私行くわね、結愛ちゃん行ってくるねー」
「いってらっしゃ――い!」
結愛は明日夏に大きく手を振った。
「よし、じゃあ、結愛もごはん食べよっか。そのあとお着替えとかもしないと遠足にいけないからねー」
陽生は結愛を抱きかかえダイニングに連れて行った。
「むにゃ……」
ダイニングの椅子に結愛を乗せたところに、ふらつきながら収友も起きて来た。
「あら、収ちゃん一人で起きられたのね」
容子が笑顔で収友に話しかける。
「おにいちゃん、ありがと。雲さんバイバイしてくれたよ」
結愛は足をバタつかせながら収友に話をした。
「うん。よかったね」
収友もニコッと笑顔を見せて椅子に座った。
二人の会話を聞きながら、陽生と容子は顔を見合わせて微笑みを浮かべた。
「ふぁ……。おはよ、ニーさん」
午前六時三十分。眠い目を擦りながらストライプ柄のルームウェア姿で明日夏が二階から降りてくる。
「おう、おはよう」
すでに身支度を整えた陽生は容子とともにキッチンで明日夏を出迎える。
明日夏が朝食を摂り終えた頃、陽生は葉奈と子どもたちを起こしに部屋へ向かう。
「あ――……。おはよ、おねえちゃん」
目を閉じながらフラフラした足取りで葉奈は明日夏に朝の挨拶をする。
「毎日大変でしょ。早く卒業できるといいね」
明日夏は葉奈にねぎらいの声をかけると、洗面台の方に歩いていった。
陽生は収友と結愛をダイニングの椅子に乗せたが、二人とも座ったまましばらく眠りに入っていた。
「あー、しんど。……お父さんもよく頑張れたね」
葉奈は椅子に座るなり立て膝をついて一言漏らした。
「今が五年生だから、あともう少しの辛抱だ。葉奈先生」
陽生はカフェオレの入ったカップを葉奈に差し出した。
「えへへ。陽生がそう言ってくれるンなら、もうちょっと頑張るかなー」
葉奈は微笑んでカップを口にすると、渋い顔つきをした。
「ちょ、ちょっと! これ苦すぎッ」
「はははっ。俺からのエールだよ。いい具合に目が覚めたろ」
陽生は目尻にシワを作って笑った。
「難しいんでしょ? お勉強。お医者さんになるってホント大変なことなのねェ」
容子がダイニングの椅子に腰を下ろした。
「葉奈ちゃん、先に行くけど今日はゆっくりなの?」
身支度を整えた明日夏が葉奈に声をかける。
「あー、うん。今日は十時からだから少し遅くていいの。行ってらっしゃい」
葉奈は椅子の背もたれにもたれ掛かって明日夏に手を振る。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃーい」
陽生と容子が声を合わせて明日夏を見送る。
「収友ー、結愛ー。そろそろ起っきしてゴハン食べようか。幼稚園のバスがお迎えに来ちゃうよー」
陽生は二人の頭を優しく撫でた。
明日夏が家を出て数十分後、葉奈も身支度を整えて大学へと向かい、そこから少し遅れて収友と結愛も幼稚園の送迎バスに乗って幼稚園に登園する。
静かになったダイニングでは陽生と容子が世間話をしながら遅い朝食を摂る。そのあと、容子は庭に出て洗濯物を干し、陽生は生前、鐡哉が使っていた書斎で仕事をし、午後三時頃にやって来る送迎バスを出迎える。そんな平凡で暖かな毎日を送っていた。
梅雨が過ぎ、暑い夏を越し、色濃い秋を偲び、静かな冬を見送り、四月。新しい季節がまた始まる。
収友は地元の小学校に入学すると、小さな身体が隠れるほど黒い大きなランドセルを背負いながら毎日学校に通う。そして葉奈は大学生としての最後の年。朝早くから始まる病院実習のため、大学病院近くにアパートを借り、週末だけ自宅に戻る二重生活をしていた。
――こんなことになっちゃって、ホントにごめんね。ひろき――
瞳を潤ませながら葉奈は何度も陽生に謝ったが、そんな葉奈の心配もどこ吹く風のように陽生は、義母・容子とともに収友と結愛、二人の成長を楽しそうに見届けていた。
五月。若葉の季節に入り幾日かが過ぎたその日は、朝から雨が降ったり止んだりのぐずついた空模様だった。
夜も八時過ぎ。外は小雨が降り続く。ダイニングではいつものように遅い食事を摂る明日夏を囲みながら陽生と容子が歓談をし、リビングでは収友が画用紙に絵を描き、結愛が人形で遊んでいた。
「え―っ。あした本降りかぁー」
ダイニングに置かれたテレビを見ながら陽生が声を上げた。
明日は幼稚園年長組にいる結愛の最後の遠足の日。何日も前から結愛は、事あるごとにその話を陽生たちに話していた。
「あれぇ? 明日って、結愛ちゃんの遠足の日だよね?」
明日夏が箸を止めて陽生に尋ねた。
「ああ。そうなんだけど……明日雨だと、やっぱり遠足は中止になるんだよね?」
「え―――っ。やだ―――!」
大人たちの会話をリビングから目聡く聞きつけた結愛が大きな声で叫び出した。
「あッちゃー。聞かれちゃったか」
陽生は思わず顔をしかめた。
「えーっと……結愛。もしかしたら明日、雨かもしれないんだってー」
ダイニングから陽生は結愛に向かって優しく話しかけた。
「やだっ! あしたいくの―――!」
結愛は立ち上がると、人形を右手に持ったまま大きな声で抗議した。陽生は、やれやれといった様子で会話を続ける。
「そうだねぇ。あした、行きたいよねぇ……。じゃあ、雲さんにお願いしてみようよ。あしたは幼稚園最後の遠足だからどうしても行きたいんで、雲さんはどっか行ってくださいって」
「うん! おねがいする――!」
結愛は手に持っていた人形をソファに置くと、カーテンが閉まっている掃き出し窓の方に向かって手を合わせ、そして目を閉じて祈り始めた。
「あらら、あんなことしちゃって。……かわいいわねえ」
容子は目を細めて結愛の後ろ姿を見つめた。
「そりゃあ、あんなに楽しみにしてたんだもんねぇ、結愛ちゃん。……よっし、お風呂に入ろっと」
明日夏は席を立って浴室へと向かった。
「それじゃ、私もお片づけしちゃおうかしらね」
容子は食器を重ねて流し台へと運ぶ。
「あっ、お義母さん。俺がやりますから座っててくださいよ」
陽生は容子とともに流し台へと場所を移した。
ダイニングから聞こえてくる会話を背に、結愛は静かに目を閉じたまま両手を合わせて祈り続ける。
台所からは食器を洗う音やゴミを片づける音が流れる。収友は祈り続ける結愛の姿に目もくれず夢中で絵を描いている。
「……はあ―――ぁ。もぉ――。おにいちゃん、いっしょにやってよ! ゆあだけじゃできないよー!」
結愛が不機嫌な顔で収友に話しかけた。
「うん、いいよ。いっしょにやろ」
収友は色鉛筆をテーブルに置くと、結愛の横に並んで一緒に祈り始めた。
「陽生さん、ご苦労様でした」
夕食の後片付けが終わり、容子が陽生にねぎらいの言葉をかけた。
「いえいえ。……ん? 何だい、収友も一緒になってやってるのか」
陽生はリビングでお祈りをしている子供たちに目をやった。
「……ん? なんだ?」
祈りを捧げる収友と結愛の周囲が、何となくぼんやりと霞がかっているように見えた。
〈えっ? かすみ目? うっわー、もうそんな歳かよ!〉
陽生は慌てて両手で目を擦ると、再び子供たちの方を見た。
「今度は……ちゃんと見えてるな。……はぁ。気持ち的には全然年取ったって感じしないけど、やっぱ衰え始めてるんだなぁ。年には勝てないか……」
そう呟きながらゆっくりと二人に近づいた。
「二人とも寝る時間だよ。……あれ。なんだい、立ったまま寝てるよ。おいッ、歯磨きしてから寝るよー」
陽生は二人を床に寝かせると、急いで洗面台から二人の歯ブラシを取りに行った。
「なーにィ。また寝ちゃったの?」
ドライヤーで髪を乾かし終わった明日夏が、いつもの調子で陽生に話しかける。
「はは、毎度のことだね。申し訳ない」
「じゃあ、いつものように収友は私がやりますか」
そう言うと、明日夏は収友の歯ブラシを陽生の手から引き抜いた。
「結愛。……結愛」
陽生は熟睡の真っただ中にいる結愛の頬を軽く触った。
「んにゃにゃ……」
結愛は寝言のような声を出した。
「結愛ー。遠足に遅れちゃうぞォー」
陽生のその声を耳にすると結愛のまぶたが大きく開いた。結愛は布団から飛び起きるとリビングに向かって一目散に走り出し、掃き出し窓に手をついて外を窺った。
空の彼方から太陽がまぶしく結愛の姿を照らす。庭の芝生の水滴がキラキラと乱反射している。
「よっしゃ―――っ!」
寝起きとは思えないくらいに結愛は元気な掛け声を出してガッツポーズをとった。
「あら、結愛ちゃん。ずいぶんと早起きね」
身支度を整えた明日夏が結愛を見つけて声をかけた。
「あ、そっか。天気が気になって起きちゃったのかー。よかったね、今日遠足に行けるぞぉー」
「うん! 雲さんがバイバイしてくれたー」
結愛は満面の笑みでそう答えた。
「しっかし昨日はあんなに本降りだって言ってたのに、天気予報もホント当てになんないよなァ」
陽生は首をかしげて呟いた。
「まあまあ、遠足に行けるんだからいいじゃない。じゃあニーさん私行くわね、結愛ちゃん行ってくるねー」
「いってらっしゃ――い!」
結愛は明日夏に大きく手を振った。
「よし、じゃあ、結愛もごはん食べよっか。そのあとお着替えとかもしないと遠足にいけないからねー」
陽生は結愛を抱きかかえダイニングに連れて行った。
「むにゃ……」
ダイニングの椅子に結愛を乗せたところに、ふらつきながら収友も起きて来た。
「あら、収ちゃん一人で起きられたのね」
容子が笑顔で収友に話しかける。
「おにいちゃん、ありがと。雲さんバイバイしてくれたよ」
結愛は足をバタつかせながら収友に話をした。
「うん。よかったね」
収友もニコッと笑顔を見せて椅子に座った。
二人の会話を聞きながら、陽生と容子は顔を見合わせて微笑みを浮かべた。
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