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「俺はァ……情を捨てなきゃならない! 人間を越えなきゃならないんだ! これは……俺の決意なんだアアアアア―――――――――!」
炎は徐々に青白く色を変えると渦を巻いて天空に昇って行った。
静まり返った山の中。収友も結愛も陽生も明日夏も、誰一人として身動きせず、その息づかいさえ聞こえない。
空を覆う黒雲がゆっくりと流れてゆく。
深紅色の瞳から一粒の涙が流れると、そっと結愛の頬を伝って地面に落ちていった。ひとかけらの燃えカスがはらはらと結愛の目の前に舞い落ちてくると、寄り添うように結愛の傷ついた太ももに着地した。
「マ……ママ。……ママぁ」
収友は魂が抜け落ちたような顔をする結愛を眼下にして叫ぶ。
「これでもう、俺は人の道を外れた。もう……人間じゃないんだッ。俺はこの自然のために戦う! これで終わりだッ、結愛―――ッ!」
収友は右腕を伸ばし、手のひらを結愛に向けると青白く輝く雷電の龍を呼び出した。つんざくような激しい音を轟かせながら龍は口を大きく開くと、弧を描かずにそのまま一直線に結愛に襲いかかった。
「結愛――――ッ!」
陽生の声が音波となって結愛の耳に届く前に雷龍は結愛の身体に巻き付き、その牙が喉笛に突き刺さった。結愛の身体に無数の雷電の剣が突き刺さると、バチバチバチ――ッと大気を跳ね上げるような凄まじい龍の咆哮が山中に響き渡った。収友は一瞬、哀愁の眼差しを妹に向けた。
……がその時、収友は目を見張った。結愛を突き刺したはずの雷の剣が突き刺さらずに、結愛を取り囲むように弧を描いて軌道している。
「な、なんでだッ!」
結愛は真っ白に展開した瞳で収友を睨みつける。すると突如、結愛の周りを軌道していた雷剣が収友に向かって放出された。
「ぐゥオオオ――――ッ!」
収友は咄嗟に左手で雷剣を押さえつけると、右手でもって消し去った。
結愛は立ち上がると、歯をむき出しにして、強襲する獣の様な顔で収友に布告する。
「許さない……。アンタのことだけはゼッタイ……絶対に許さないッ!」
結愛から発せられた強烈な圧力。土を舞い上がらせ、遠くの木の枝がしなり切って折れるほどの圧が突風のように収友に襲いかかった。
「ぐわアアァ―――!」
圧に押し流され、収友の身体が吹き飛ぶ。結愛は奥歯を噛みしめながらゆっくりと斜面を上がり出した。
「……アイツに、こんなチカラがあったなんて」
収友は態勢を整えると、結愛を睨み返した。
「ゥぬァアアアア――――――!」
結愛の足元から突如、真紅の炎が発生すると瞬く間に燃え広がり、一気にその身体を包み込んだ。そして轟音と黒い煙を伴って炎は巨大な火柱となった。
「きれいに燃えていけ。……結愛」
収友が独り言のようにつぶやいた刹那、真っ赤に燃えていた火柱の中から結愛の姿が透けて浮かんだ。
「なにッ!」
火柱は霧が朝日を浴びて消え失せるかように、徐々にその姿を消していった。結愛の長い髪がゆっくり揺れる。
「せめて……後を濁さずこの世から消したかったのにィィ。無残な身体で死ぬのを選んだのは……お前なんだからなアアア――――ッ! ヌァァアアアア―――――!」
収友は両方の掌を大きく開くと、胸の前で見合わせた。結愛の身体に強烈な圧が被さる。巻き込まれた足元の岩石が強圧に屈して二つに割れて砕けた。圧力は徐々に結愛の生存圏を縮めてゆく。二つに割れた岩石は見る見るうちに細かい石ころになっていった。
「ヌオオオオ―――――!」
手の甲に血脈を浮き出たせながら収友は胸の前で両手を合わせる。両手が抱き合ったその時が、結愛の身体が押し潰される時なのだが、その距離が一向に縮まらない。
〈な……なんでだッ。何で縮まらないッ〉
結愛は上目遣いのまま、黙って収友を睨みつける。岩石は最早、原型を留めておらず細かい砂と化していた。
収友の戸惑った表情を一瞥すると、結愛は首をほんの少しだけ揺らした。その瞬間、パ―――ンッと弾く大きな音とともに収友の圧が周囲に飛び散った。
「おわアアア――――ッ!」
収友の両手が勢いよく左右に弾かれた。何が起こったのか理解できない収友は、呆然としたまま手の平を見つめた。
「それで……終わり?」
結愛の冷淡な声が収友の耳に届く。
収友は顔を赤らめると右手を結愛に向けた。
「引き裂けェエエエ――――――ッ!」
掌から何十匹もの狼に似た獣が牙をむき出しにして結愛に攻撃を仕掛ける。
結愛が獣どもを軽く睨むと、水風船が割れるように破裂して消えていった。
「……そん、な」
収友は目を見開いてその場に立ち尽くす。
「……ゆ、結愛ちゃん、さっきと全然違う。……ど、どうしちゃったの?」
身体を震わせながら明日夏は木の陰から結愛を見つめる。隣にいた陽生は何かを確信したような顔で呟いた。
「覚醒、したのかも。……たぶん龍の児として、結愛は目覚めちまったんだよ」
「そ、それって、収友だって同じなんじゃなかったの?」
「分からないけど、……もしかしたら、龍としてのチカラは白い女である結愛の方により強く宿っていたんかもしれない」
結愛は右腕を収友の方向に伸ばすと、親指で中指を弾いた。
「ァがあッ!」
収友の頭が勢いよく後ろに反り返ると、その反動で収友は背中から倒れ込んだ。
「グゥ……うう」
収友はすぐさま上半身を起き上がらせると、そのままの態勢で結愛を睨みつけた。
「この程度で俺をやっつけたつもりか!」
「ご愁傷さま。アンタはもう、攻撃できない」
「なに?」
胸のあたりに血痕があるのに収友は気づいた。唇に鉄の味。収友は右手を唇に当てると、鼻から血が流れていた。
「アンタの頭の中にある攻撃する本能を破壊したわ。自分を守ることはできても、もう攻撃を具現化することはできない」
「な、なんだとオオオ―――」
収友は結愛を睨みつけると、頭の中で願った。
〈結愛を攻撃だッ。雷で攻撃だッ! 炎で焼いてやる! 出ろッ、出ろッ〉
収友の願いも空しく、その身体からは何も出てくる気配はなく、結愛の周りにも何も発生してこなかった。
「そ……そんな……。なんでだアアア――――――ッ!」
収友は両手で頭を抱えると、空に向かって吠え叫んだ。
「アンタは人間として、このまま一生平凡な人生を送るがいいわ」
結愛は皮肉交じりな言葉を収友に向かって投げつけた。
「ふッざけるなアアアアア――――――!」
収友は怒りの形相で斜面を駆け下りると、右手を思いきり握り、振りかぶって結愛に殴りかかった。硬く握った収友の拳が結愛の頬にあたる瞬間、分厚い鉄の壁に物が当たったような鈍い音が響いた。
「あッがッ……ァァ」
収友は左手でかばう様に右手を震わせた。指先が瀕死のようにピクピクと震えている。
「……もうやめよ。お兄ちゃんには人を傷つけるようなことはもう、できないんだから」
憂いを帯びた瞳で結愛は収友に話しかける。収友はその場に膝を就くと、そのまま身を崩して頭を地面に擦りつけた。
「……じゃ。……じゃあ一体、誰がこの世界を救ってくれるんだよォオオオオ―――ッ! こうしてる間にもみんな殺されているってゆうのにイイイイ――――ッ!」
収友は周りの目も気にせず大きな声で泣き叫んだ。
収友の悲しみに呼び寄せられたかのように、何処からともなく冷たい風が流れてきた。結愛は膝を就くと、むせび泣く兄・収友の背中をじっと見つめた。
〈……お兄ちゃん。お兄ちゃんは何でそんなに動物たちのことを想えるの? 何がお兄ちゃんをそこまで突き動かしてるの? 私に見せて。お兄ちゃんの心の中を……〉
結愛はその場で静かにまぶたを閉じる。そして感じる……。収友の荒い息遣いと高鳴る心臓の鼓動。血脈の流れ。……そのなかで透明な、弱々しい心の波長を見つけると、結愛は溶け込むように収友の心のリズムに同調し、そのまま収友の奥深い心の世界に潜り込んでいった。
炎は徐々に青白く色を変えると渦を巻いて天空に昇って行った。
静まり返った山の中。収友も結愛も陽生も明日夏も、誰一人として身動きせず、その息づかいさえ聞こえない。
空を覆う黒雲がゆっくりと流れてゆく。
深紅色の瞳から一粒の涙が流れると、そっと結愛の頬を伝って地面に落ちていった。ひとかけらの燃えカスがはらはらと結愛の目の前に舞い落ちてくると、寄り添うように結愛の傷ついた太ももに着地した。
「マ……ママ。……ママぁ」
収友は魂が抜け落ちたような顔をする結愛を眼下にして叫ぶ。
「これでもう、俺は人の道を外れた。もう……人間じゃないんだッ。俺はこの自然のために戦う! これで終わりだッ、結愛―――ッ!」
収友は右腕を伸ばし、手のひらを結愛に向けると青白く輝く雷電の龍を呼び出した。つんざくような激しい音を轟かせながら龍は口を大きく開くと、弧を描かずにそのまま一直線に結愛に襲いかかった。
「結愛――――ッ!」
陽生の声が音波となって結愛の耳に届く前に雷龍は結愛の身体に巻き付き、その牙が喉笛に突き刺さった。結愛の身体に無数の雷電の剣が突き刺さると、バチバチバチ――ッと大気を跳ね上げるような凄まじい龍の咆哮が山中に響き渡った。収友は一瞬、哀愁の眼差しを妹に向けた。
……がその時、収友は目を見張った。結愛を突き刺したはずの雷の剣が突き刺さらずに、結愛を取り囲むように弧を描いて軌道している。
「な、なんでだッ!」
結愛は真っ白に展開した瞳で収友を睨みつける。すると突如、結愛の周りを軌道していた雷剣が収友に向かって放出された。
「ぐゥオオオ――――ッ!」
収友は咄嗟に左手で雷剣を押さえつけると、右手でもって消し去った。
結愛は立ち上がると、歯をむき出しにして、強襲する獣の様な顔で収友に布告する。
「許さない……。アンタのことだけはゼッタイ……絶対に許さないッ!」
結愛から発せられた強烈な圧力。土を舞い上がらせ、遠くの木の枝がしなり切って折れるほどの圧が突風のように収友に襲いかかった。
「ぐわアアァ―――!」
圧に押し流され、収友の身体が吹き飛ぶ。結愛は奥歯を噛みしめながらゆっくりと斜面を上がり出した。
「……アイツに、こんなチカラがあったなんて」
収友は態勢を整えると、結愛を睨み返した。
「ゥぬァアアアア――――――!」
結愛の足元から突如、真紅の炎が発生すると瞬く間に燃え広がり、一気にその身体を包み込んだ。そして轟音と黒い煙を伴って炎は巨大な火柱となった。
「きれいに燃えていけ。……結愛」
収友が独り言のようにつぶやいた刹那、真っ赤に燃えていた火柱の中から結愛の姿が透けて浮かんだ。
「なにッ!」
火柱は霧が朝日を浴びて消え失せるかように、徐々にその姿を消していった。結愛の長い髪がゆっくり揺れる。
「せめて……後を濁さずこの世から消したかったのにィィ。無残な身体で死ぬのを選んだのは……お前なんだからなアアア――――ッ! ヌァァアアアア―――――!」
収友は両方の掌を大きく開くと、胸の前で見合わせた。結愛の身体に強烈な圧が被さる。巻き込まれた足元の岩石が強圧に屈して二つに割れて砕けた。圧力は徐々に結愛の生存圏を縮めてゆく。二つに割れた岩石は見る見るうちに細かい石ころになっていった。
「ヌオオオオ―――――!」
手の甲に血脈を浮き出たせながら収友は胸の前で両手を合わせる。両手が抱き合ったその時が、結愛の身体が押し潰される時なのだが、その距離が一向に縮まらない。
〈な……なんでだッ。何で縮まらないッ〉
結愛は上目遣いのまま、黙って収友を睨みつける。岩石は最早、原型を留めておらず細かい砂と化していた。
収友の戸惑った表情を一瞥すると、結愛は首をほんの少しだけ揺らした。その瞬間、パ―――ンッと弾く大きな音とともに収友の圧が周囲に飛び散った。
「おわアアア――――ッ!」
収友の両手が勢いよく左右に弾かれた。何が起こったのか理解できない収友は、呆然としたまま手の平を見つめた。
「それで……終わり?」
結愛の冷淡な声が収友の耳に届く。
収友は顔を赤らめると右手を結愛に向けた。
「引き裂けェエエエ――――――ッ!」
掌から何十匹もの狼に似た獣が牙をむき出しにして結愛に攻撃を仕掛ける。
結愛が獣どもを軽く睨むと、水風船が割れるように破裂して消えていった。
「……そん、な」
収友は目を見開いてその場に立ち尽くす。
「……ゆ、結愛ちゃん、さっきと全然違う。……ど、どうしちゃったの?」
身体を震わせながら明日夏は木の陰から結愛を見つめる。隣にいた陽生は何かを確信したような顔で呟いた。
「覚醒、したのかも。……たぶん龍の児として、結愛は目覚めちまったんだよ」
「そ、それって、収友だって同じなんじゃなかったの?」
「分からないけど、……もしかしたら、龍としてのチカラは白い女である結愛の方により強く宿っていたんかもしれない」
結愛は右腕を収友の方向に伸ばすと、親指で中指を弾いた。
「ァがあッ!」
収友の頭が勢いよく後ろに反り返ると、その反動で収友は背中から倒れ込んだ。
「グゥ……うう」
収友はすぐさま上半身を起き上がらせると、そのままの態勢で結愛を睨みつけた。
「この程度で俺をやっつけたつもりか!」
「ご愁傷さま。アンタはもう、攻撃できない」
「なに?」
胸のあたりに血痕があるのに収友は気づいた。唇に鉄の味。収友は右手を唇に当てると、鼻から血が流れていた。
「アンタの頭の中にある攻撃する本能を破壊したわ。自分を守ることはできても、もう攻撃を具現化することはできない」
「な、なんだとオオオ―――」
収友は結愛を睨みつけると、頭の中で願った。
〈結愛を攻撃だッ。雷で攻撃だッ! 炎で焼いてやる! 出ろッ、出ろッ〉
収友の願いも空しく、その身体からは何も出てくる気配はなく、結愛の周りにも何も発生してこなかった。
「そ……そんな……。なんでだアアア――――――ッ!」
収友は両手で頭を抱えると、空に向かって吠え叫んだ。
「アンタは人間として、このまま一生平凡な人生を送るがいいわ」
結愛は皮肉交じりな言葉を収友に向かって投げつけた。
「ふッざけるなアアアアア――――――!」
収友は怒りの形相で斜面を駆け下りると、右手を思いきり握り、振りかぶって結愛に殴りかかった。硬く握った収友の拳が結愛の頬にあたる瞬間、分厚い鉄の壁に物が当たったような鈍い音が響いた。
「あッがッ……ァァ」
収友は左手でかばう様に右手を震わせた。指先が瀕死のようにピクピクと震えている。
「……もうやめよ。お兄ちゃんには人を傷つけるようなことはもう、できないんだから」
憂いを帯びた瞳で結愛は収友に話しかける。収友はその場に膝を就くと、そのまま身を崩して頭を地面に擦りつけた。
「……じゃ。……じゃあ一体、誰がこの世界を救ってくれるんだよォオオオオ―――ッ! こうしてる間にもみんな殺されているってゆうのにイイイイ――――ッ!」
収友は周りの目も気にせず大きな声で泣き叫んだ。
収友の悲しみに呼び寄せられたかのように、何処からともなく冷たい風が流れてきた。結愛は膝を就くと、むせび泣く兄・収友の背中をじっと見つめた。
〈……お兄ちゃん。お兄ちゃんは何でそんなに動物たちのことを想えるの? 何がお兄ちゃんをそこまで突き動かしてるの? 私に見せて。お兄ちゃんの心の中を……〉
結愛はその場で静かにまぶたを閉じる。そして感じる……。収友の荒い息遣いと高鳴る心臓の鼓動。血脈の流れ。……そのなかで透明な、弱々しい心の波長を見つけると、結愛は溶け込むように収友の心のリズムに同調し、そのまま収友の奥深い心の世界に潜り込んでいった。
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