この兄、厄介につき~実は溺愛されてたなんて聞いてません!~(不定期更新)

ナナシの助

文字の大きさ
51 / 90

50 オーランドサイド

しおりを挟む

★オーランドサイド

(やはりか……)

もし、仮にミリーの言葉が全て本当だとしたなら、彼女はただ利用されているだけだ。けれど、愛する人の為なら何でも出来るのも人間だ。それは「アリーヤの為なら何でも出来る」自分が一番理解している。

(利用されているのか、自ら動いているのか…)
 
「貴族でも人格者と名高いドーソン伯爵家の騎士なのか!ならば、身元も安全だな。君を暴漢から守ったと言うのも納得だ。それにその宝石はドーソン伯爵領でしか買えないのだよ」

オーランドはふむふむと余程そのネックレスを物珍しそうに見つめては頷く。

「そ、そうなのですか?」
「ああ。この宝石は最近隣国で発見されたものでね。かなり貴重なもので、私がその大きさの宝石を見たのは見栄っ張りな『王太子殿下』だ」
「え……そんな貴重なものを」

嬉しさでぎゅっと宝石を握るミリーにオーランドはなんとも言えない気持ちを隠し

「そう、そんな貴重な宝石なのに、君のマーチンとやらはそれを購入している。実直な騎士が、わざわざ『隣国産』の珍品を贈るだなんて。まぁ、これは伯爵領にいれば知る事が出来たのかもしれない。しかし、こう言ってはなんだが、まだ公爵令息わたしすら手に入れていないものを、伯爵領の騎士如きがそう簡単に手に入れられる代物ではないはずだが?」
「それはっっ……」

ミリーは反論しようとしたが、少し口ごもってしまう。オーランドは内心申し訳ないと思いつつもさらに続ける。 

「勿論、ミリーの愛ゆえに今までの全財産をはたいて買った可能性は大いにある!だが、偽物を掴まされた可能性は?王太子殿下はこれみよがしに毎日それをつけている。そう。見せびらかしたくなる程この宝石は貴重なものだ。それを一介の騎士が買えると?」
「殿下が…見せびらかす……」

アリーヤに仕えているミリーにはレオナルドがその指輪をしている事に見覚えがあるのだろう。勿論あの童貞王太子が見せびらかすように付けているのは、童貞王太子が愛する「阿婆擦れ」──相変わらず女性の趣味は理解できないが──に貰ったからで他の意味は無い。

しかし、今から俺はこのペンダントをどうしても取り上げなければならない。これがアリーヤの悪夢に直接関係しているかはまだ不明だが、ミリーに持たせて良い代物ではない。王太子の癖に阿婆擦れに現を抜かし、いつも役に立たないのだ。ミリーから取り上げる嘘の役にくらい立ってもらわねば。
 
「マーチンは君を想って購入したかもしれないが、君のペンダントの宝石は大きさも色も王太子殿下が持っているものと遜色がない。正直に言えば王宮の近衛騎士の隊長クラスでも購入は難しい。これが偽物だったら?マーチンの君への愛も無下にされたとは思わないか?社交界一の美丈夫の私の使命は麗しい淑女達を幸せにする事だ。何より、可愛いアリーヤの大切な侍女であるミリーとマーチンの恋が偽物に汚されているなどあってはならない!一度でいい。私の知人にこの手に詳しい者がいてね。鑑定させてはくれまいか?」

  
               
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ
恋愛
 公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。  ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。 ※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。

白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活

しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。 新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。 二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。 ところが。 ◆市場に行けばついてくる ◆荷物は全部持ちたがる ◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる ◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる ……どう見ても、干渉しまくり。 「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」 「……君のことを、放っておけない」 距離はゆっくり縮まり、 優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。 そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。 “冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え―― 「二度と妻を侮辱するな」 守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、 いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。

ヒュントヘン家の仔犬姫〜前世殿下の愛犬だった私ですが、なぜか今世で求愛されています〜

高遠すばる
恋愛
「ご主人さま、会いたかった…!」 公爵令嬢シャルロットの前世は王太子アルブレヒトの愛犬だ。 これは、前世の主人に尽くしたい仔犬な令嬢と、そんな令嬢への愛が重すぎる王太子の、紆余曲折ありながらハッピーエンドへたどり着くまでの長い長いお話。 2024/8/24 タイトルをわかりやすく改題しました。

噂の聖女と国王陛下 ―婚約破棄を願った令嬢は、溺愛される

柴田はつみ
恋愛
幼い頃から共に育った国王アランは、私にとって憧れであり、唯一の婚約者だった。 だが、最近になって「陛下は聖女殿と親しいらしい」という噂が宮廷中に広まる。 聖女は誰もが認める美しい女性で、陛下の隣に立つ姿は絵のようにお似合い――私など必要ないのではないか。 胸を締め付ける不安に耐えかねた私は、ついにアランへ婚約破棄を申し出る。 「……私では、陛下の隣に立つ資格がありません」 けれど、返ってきたのは予想外の言葉だった。 「お前は俺の妻になる。誰が何と言おうと、それは変わらない」 噂の裏に隠された真実、幼馴染が密かに抱き続けていた深い愛情―― 一度手放そうとした運命の絆は、より強く絡み合い、私を逃がさなくなる。

「愛することはない」と言った冷徹公爵様、やり直しの人生は溺愛が重すぎます!~王宮が滅びるのは記憶を隠した旦那様と幸運な息子のせい?~

ソラ
恋愛
王宮の陰湿な包囲網、そして夫であるアリステア公爵の無関心。心身を削り取られたセラフィナは、孤独と絶望の中でその短い一生を終えた。 だが、彼女は知らなかった。 彼女の死を知ったアリステアが、復讐の鬼と化して王宮へ反乱を起こし、彼女を虐げた者たちを血の海に沈めたことを。そして彼もまた、非業の死を遂げたことを。 「……セラフィナ。二度と、君を離さない。この命、何度繰り返してでも」 気がつくと、そこは五年前――結婚三日目の朝。 セラフィナが「今度は期待せずに生きよう」と決意した矢先、飛び込んできたアリステアは泣きながら彼女を抱きしめた。 前世の冷淡さが嘘のように、甘く、重すぎるほどの愛を注いでくるアリステア。 さらに、前世には存在しなかった息子・ノエルまで現れ、セラフィナを苦しめるはずだった敵は、彼女が知らないうちに裏で次々と社会的に抹殺されていく。 アリステアは記憶がないふりをして、狂気的な執着を「優しさ」という仮面で隠し、今度こそ彼女を檻のような幸福の中に閉じ込めようと画策していた。 知っているのは、読者(あなた)だけ。 嘘から始まる、究極のやり直し溺愛ファンタジー! (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。

猫宮乾
恋愛
 再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。10~15話前後の短編五編+番外編のお話です。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非! *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。  ※R7.10/13お気に入り登録700を超えておりました(泣)多大なる感謝を込めて一話お届けいたします。 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.10/30に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。 ※R7.12/8お気に入り登録800超えです!ありがとうございます(泣)一話書いてみましたので、ぜひ!

崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜

束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。 家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。 「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。 皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。 今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。 ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……! 心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。

処理中です...