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しおりを挟む★アリーヤサイド
「「アリーヤ!!」」
使用人に呼ばれてアルバートとオリヴィエが慌てて入ってくる。ベッドから起き上がる前にオリヴィエが自分の方へ走り、抱きしめ泣きながら、どこか痛い所はないか、苦しくはないかと聞いてくる。アルバートも涙を浮かべ「無事で良かった」と何度も言う。
「お父様……お母様……」
3日も眠っていたのだ。相当心配をかけたのだろう。その上、実は「死のうとしていた」などと言ったらアルバートとオリヴィエは倒れてしまうかもしれない。
「まぁ!アリーヤ声が出るようになったの!?」
「は、はい。起きたら……」
夢の衝撃で……と内心付け足す。あまりのはしたない夢に恥ずかしさから顔がつい赤くなり、顔を隠そうと下を向こうとした時
「??なぜ、そこで顔が赤くなるんだ?」
アルバートがしっかりと気づいた。そんな所に気づかなくて良いのに。なんと言って良いのか慌てていると
「まさか『そう』なのか!?」
と意味の分からない事を言ってきた。何が「そう」なのだろうか。つい目が点にになっしまうと、オリヴィエは「気にしないで」とどこか目を遠くにして頭を撫でる。二人の間では通じあっているらしいが、アルバートが取り乱す事などそうそうない。
(もしや死のうとした事がバレたの!?)
いや、でも、話の流れ的には全く合っていない。顔が赤くなった事と、自死しようとした事は普通は繋がらない。アルバートはいつの間にか「いや、まだ早い」「それに、まだ申し込みも……」などと言っては自分の世界に旅立ってしまった。
アルバートがここまでになるとはもしやリュクソン家に何か危機が迫って居るのだろうか。アリーヤは心配げにオリヴィエを見ると
「可愛い娘を嫁に出したくないのよ」
「嫁……ですか?ですが私は殿下の婚約者です。昔から決まっていた事です」
「そうね、でももっと素敵な王子様が現れるかもしれないわ?」
その言葉にアリーヤは一瞬オーランドの顔が過ぎる。オーランドはレオナルドより気品があり、オーランドが王子と言われた方が納得できる。けれどなぜここで兄の顔が過ぎるのか……。そんなの決まっている
(あんな夢を見たせいだわ!)
アリーヤの顔が真っ赤になる。オリヴィエは「あらあら、まぁまぁ」と楽しそうに言うがアルバートは一度も見た事のないなんとも言えない顔をして「ぐぬぬぬ」と歯ぎしりしている。
(本当にこの3日、何があったのかしら……)
「あの、そう言えば、お兄様とミリーは?」
その瞬間アルバートとオリヴィエの顔が一瞬曇ったのが分かる。
「……2人になにか!?」
先程使用人が、オーランドを呼んでくると言っていたが、彼女はミリーではなかった。たまたまミリーが居ないだけかと思っていたが、違うのだろうか。オーランドも適当な女好きのナルシストだけれど自分の事も気遣ってくれる。
(流石にあの夢のように妹に、逃げようとか、一緒に死んでも良いとか、あんな熱い抱擁をして額にキスするような人では無いけど……)
アリーヤは顔をまた真っ赤に染める。そんな自分を見てアルバートは何故か叱るように咳払いをし、
「ああ、オーランドの事は気にしなくて良い。後で一人で来るだろう。ミリーは……」
「ミリーは??」
「高熱で倒れてね……」
「倒れた!?」
アルバートとオリヴィエの顔は特に何も変わっていないのに、まるで死に際の人間を思うそんな空気だ。
「そ、そんなに危ないのですか?」
思わず胸の前で手を組みアメジストの瞳を潤ませアルバートを見つめる。アルバートとオリヴィエの空気はさらに沈んで行くように見える。
(今直ぐにでもミリーの部屋に行かなきゃ……!)
アリーヤが立ち上がろうとした瞬間
「ミリーは面会謝絶だ、眠り姫」
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