この兄、厄介につき~実は溺愛されてたなんて聞いてません!~(不定期更新)

ナナシの助

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★アリーヤサイド

今朝アリーヤはアルバートとオリヴィエから快気祝いにと美しいバラのネックレスを貰った。高そうだが、最近の事もあったのでお守りにと毎日つけるよう言われた。

(金のチェーンにパライバトルマリン……お兄様の色……) 

思わずそう思ってしまい、勿論アルバートとオリヴィエの気遣いも嬉しいが、更に声が弾んでしまったのは秘密だ。そんなアリーヤにアルバートは少しだけ複雑そうな顔をしたのを知らない。

そんな訳で顔が緩んでしまいそうになるのを戒めながら、アリーヤは執務室にオーランドといる。オーランドはアリーヤの机に山のようにある書類を見て苦々しい顔をしたが、今の自分にはなんて事は無かった。体が軽いのもあるが、一番はネックレスのおかげだ。

「この書類の山を見て子供のようにはしゃぐアリーヤよ、まさか本気でお前は仕事が、激務が趣味だったのか?私は、人の趣味を兎や角言うような野暮な性格では無いが、今のお前の趣味は、阿婆擦れを連れ歩く童貞王太子のようだ」

(趣味が『悪すぎる』と言いたいのね――)

まぁ、流石に自分もレオナルドと一緒にされるのは困るのできちんと訂正はしておく。

「違います。今朝お父様とお母様から快気祝いとネックレスを頂いたのです。そのお気持ちがとても嬉しくて。それに見た事がない程に美しいネックレスなのです」  
「見た事がない?ふむ。最近緑の見た事もない宝石が流行っているのでね。お前がつけているなら是非とも見てみたいぞ?」
    
アリーヤは逡巡する。別に見せても構わないのだが、ネックレスの色に何となく恥ずかしさを覚える。オーランドは女好きで女性に沢山の贈り物をしている。その為、すぐにそれが自分の色だと気付くだろう。

(もし、そんな指摘をされたら……)

オーランドの色をつけている事に喜んでいると「勘違い」されてしまう。アリーヤは想像するだけで恥ずかしさで顔が赤くなる。

「ふむ。顔が赤いが熱かね?アリーヤ。いや。貴紳きしん(位が高く、上品で教養のある男性を指す)の私は誹謗などしないが『なんとかは風邪引かない』というからな。それはありえないな」

それはもう既に自分に嫌味を言ってるのではないかだろうか。今度はアリーヤは腹立たしさで顔が赤くなりそうだ。

「おお、そうか!私の美しさに見蕩れてしまったのだな!それは仕方の無い事だ。私は人類だけでなく精霊も全てを魅了してしまうからな。存分に頬を染めるが良い」

オーランドはまるでそこに明かりが当てられな役者のように声高らかに語り手を広げる。アリーヤはそんなオーランドを冷めた視線で射抜く。ネックレス1つで想像して頬を染めた自分が恥ずかしい。

「残念ながら宝物になりましたのでお兄様にはお見せできません。緑の宝石ではなくきちんと私の知っている宝石でした。装飾が見た事もない程美しいだけです」

アリーヤが八つ当たり気味に言えば、オーランドが大袈裟に眉間に指を当て首を横に振り、いかにも「呆れている」と言う態度をとる。

「子供のようにむくれるアリーヤよ、それは子供がするから可愛いのであって、今のお前がしても残念だが殆どの男には魅力的には映らんぞ。仮にその顔を可愛いと言う男がいたら、そいつは相当に危険な男だからやめておけ。……ん?それではどうやっても男が寄って来ないお前は男運が無いと言う事になってしまうな!まぁ、仕方ない。父上が公爵家当主としての辣腕で何とかしてくださる。おっと。私は女性専門ゆえに男は紹介できないぞ?」  
 
本当にこの兄は、どうしてむくれるから男運の話になるのだろう。それに、男運のなさはレオナルドと婚約した時から決まっている。いや、隣に居るオーランドもなかなかの男だ。

(私の周りってまともな殿方がお父様以外1人もいないわ!)
 
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