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しおりを挟む★アリーヤサイド
バンっと大きな音が鳴る。
(忘れてたわ……)
自分が心地よい時ほど何故か邪魔が入る。アリーヤは音のなった方へむくと、リリアーナが居た。倒れ時のオーランドとリリアーナの茶会、そしてあの悪夢が蘇り恐怖で息が浅くなるのが分かる。アリーヤは自分を抱きしめたくなる衝動を必死に抑える。ここで弱みなど見せてないけない。
オーランドはアリーヤの方へと静かに近寄りアリーヤを安心させるように肩を抱きしめる。アリーヤはオーランドの言動に驚きつつも、その温もりに少しだけ息が楽になる。
「ああ、ご令嬢は今日も艶やかでいらっしゃいますね。本日は如何がなさいました?」
オーランドの言葉に少しだけ硬さが乗ったような気がする。リリアーナ様は夢の中と同じように夜会に行くような格好に沢山の宝石を胸に視線が行くように着けている。
「オーランド様が居ると聞いて!顔を見せに来てあげましたの!」
「それはそれは。貴女がいらっしゃることで、この執務室も華やぎます。私達がこのような機会を得られるとは思いもよりませんでした。ですが……申し訳ない。まだアリーヤがこのように本調子では無いのでね。今日はこれで失礼しようと思っていたのです」
オーランドはいつもと変わらず微笑み話しているがその端々から嫌味な言葉が聞こえる。リリアーナには褒めているように聞こえるかもしれないが、要はオーランドは、服が下品だ、リリアーナは執務室に来るなど想定していないし、リリアーナのせいで煩くてたまらない、と言っている。
「え~?なら『アリーヤさん』だけ帰ったら?オーランド様は私とお茶しましょ?」
(アリーヤさんって……)
オーランドの自分を肩を支える力が少しだけ入るのがアリーヤには分かる。きっと自分が「さん付け」で呼ばれた事に内心腹が立っているのだろう。
「ご令嬢、私は『社交界一の美丈夫』として麗しい女性には優しくありたいのです。ですから、アリーヤを送って帰らねばならないのです。アリーヤがきちんと家に帰ったかこの目で見届けないと、ご令嬢との時間をうわの空で過ごすでしょう。それは私にとってとても勿体ない!ゆえにどうか今は送らせて欲しいのです」
「んもぅ、オーランド様はいつも私に情熱的ね。許してあげる。アリーヤさんを送ったら私のところにきてね?王宮にいるから!」
オーランドのセリフにリリアーナは目を輝かせて見つめているが、隣に居るアリーヤは体調とはまた違う意味で顔色を悪くする。
オーランドは、麗しい女性ではないリリアーナには優しくしたくない。 アリーヤの心配事で手一杯なのにそんな状況の中、価値のないリリアーナと茶会など時間の無駄だと言っているのだ。喜べるリリアーナにアリーヤはある意味感心してしまう。
オーランドは自分をの美貌を十分に利用しながら曖昧に笑いアリーヤを馬車へと連れていく。
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