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Chapter④ 同棲生活 ~タカシside~

ヒロキとシュン(6)

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約2時間ほどで機体は福岡空港に着陸した。

降機する時はシュンにビジネス笑顔で見送られ、俺とヒロキは天神にある今日の商談先へと向かった。移動のタクシーの車中では、「シュンさん、怒ったら怖そうですね」と言われ、そういえば、まだ怒ったところは見たことないなと思いつつ、大事な商談前ということで適当に返事をして、タクシーから見える景色に目を移していた。



肝心の商談はヒロキの的確なプレゼン、そして俺の万全の準備によって成功した。帰りに中洲で飲みたい気持ちを抑えつつ、俺たちは客先のオフィスから空港へ移動し、空いているカフェに入って訪問後の振り返りを行った。

俺は初めてのヒロキのプレゼンがうまくいった事に対して、まずは正直に褒めることにした。
「今日のプレゼンは成功でしたね。あとは先方からリクエストのあったデモ画面の作成や機能追加を速やかに行なって、再提案という形になります」

「再提案は再び出張を伴うことになりますか?」
ヒロキが俺に対して聞いてくる。

「はい、次回は社長も同席されるとのことで出張は必須と考えています。また、先方から会食の相談も来ていますので、弊社側でアレンジしたいと思います」
俺がそう伝えるとヒロキは嬉しそうに、「やった!次は一緒に博多ステイですね!ホテルはツインにしましょう!」と言ってきた。

俺は冷静に、「ホテルはシングルにしましょう」と答えると、ヒロキは甘えたように口をプクーと膨らませてこちらを見てきた。こういうところはシュンにはないあざとさだと思う。



簡単な打ち合わせ、そして俺は自社への報告を終えて、俺たちは福岡空港の制限エリア内にあるラウンジへと向かった。

「へぇ~、佐藤さんってこんなラウンジに入れるのですね!初めて入りました」
「ここでは仕事をしたり、お酒を飲んだりと、搭乗前の時間を過ごすにはちょうど良いんです」

俺は自分とヒロキの二人分のビアーグラスをテーブルに持参した。
そして、「ひとまず、今日はお疲れ様でした」と言ってグラスを手渡した。
「うわー、仕事後のビールは最高ですね!乾杯!」

そして、俺たちはビールにて仕事の成果を祝った。
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