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彼らは新人類編
鈴の……音が……聞こえるよ……
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「イリナちゃんはさー。よくこういうお店に来るの?」
祝日、クラスメイト達と遊ぶ約束をしていた私は、宏美ちゃんとその他6人の女友達で街に繰り出していた。ブラブラ歩いてテキトウに買い物して、お洋服を見て「高すぎでしょ。」って愚痴ったり、本を眺めたり………色々なことをした。そして午後3時、やることのなくなった私達は喫茶店でお茶を飲みながら雑談をしている。
「んーーそんなに来ないですね。部屋でゴロゴロしてた方が楽しいですから。」
「インドアなのかー。確かに楽しいよね、私も常に外に出ていたいわけじゃないしさ。」
他の子達はカラオケに行って歌っているらしい。一息つきたかった私は、カラオケには行かずに1人で休もうと思っていたら、宏美ちゃんもついてきてくれたのだ。
…………でもちょっと気まずい。宏美ちゃんはミフィー君の幼馴染で、側から見ても仲が良いのがよくわかる。彼女はとてもモテているのに誰もアタックしないのは、きっとミフィー君がずっと隣にいるからだろう。
「…………狩虎のダメなところはさ。」
抹茶フラペチーノ………だったかな?そんな舌を噛みそうな名前の飲み物を飲んだ後、宏美ちゃんは店の外を眺めた。
「たくさんあるんだ。たくさん、数えればキリがないほどにたくさん。」
「そ、そんなことないですよ。」
確かに、彼は弱いしすぐに嘘をつくし、逃げる。性格の良い人間とは言えないだろう。
「その中でも1番ダメなところは、優しすぎることなんだ。」
「………………」
遠くを眺める宏美ちゃんの目は、何を映しているのだろう。ビル?山?群像?…………今じゃあない気がする。
「イリナちゃんにはまだ分からないかもしれないけれど、あいつは沢山の痛みを背負ってる。その痛みを忘れまいと足掻いている。…………あいつから口止めされているから私が言えるのはここまでなんだけど…………」
そして私を一瞥した彼女の目には涙が浮かんでいた。
「救ってやってくれないか、あいつを。私じゃあダメなんだ。対等な私じゃあ………ダメなんだ。」
今のでなんとなくわかった。宏美ちゃんも表面世界のことを知っているんだ。そしてミフィー君がカイを殺したことも………そして、私に殺されたがっていることも。
「…………わかりました。頑張ってみます。」
彼を救う?それは彼を殺すことなのか?それとも………生かすことなのだろうか。いまだに私は彼のことを理解しきれていない。一年前、なぜ私達の目の前に現れたのかも…………彼は一体何を考え行動していたのだろうか。知る必要があるのだろう。彼と、一年前のあの日に向き合う為に。
「そうか………ありがとう。」
そして宏美ちゃんは一気飲みすると、立ち上がりトイレへと消えて行った。
カイが死んだあの日、私とミフィー君が初めて出会ったあの日、希望が破壊されたあの日…………あの1日は、私が思っていたよりも複雑なのかもしれない。そんなことを思いながら私はお茶をすすった。
「…………ぬるっ。」
もっと早めに飲めばよかった。
「飯田さーーん!!!」
「ぐぼぇっ!!!」
「何してるんですか飯田さんこんな所で!」
「ちょっ、静かにして下さいよバレちゃうでしょ!」
「バレちゃうって誰に!?何が!?」
「イリナに俺が尾行してるってこ……と……………」
お店の外で騒いでいるミフィー君と私の目があった瞬間、彼が全速力で逃げ出した!
「丁度いい!今この場でぶち殺してやる!」
「やだぁ!こんな流れで殺されるのやだぁ!」
コソコソ隠れて何かしてるやつなんて心にやましさがないと出来ないもんね!とうとう正体見せたなミフィー君!
しかし!ミフィー君を追いかけている私に並走する女!そんなバカな!短距離走においてブッチギリの一位だった私に追いつく人間がいるなんて!
「愛しの飯田さんにぶっ殺すなんて使うメスガキはここでころーす!!」
そして走りながら私に攻撃してくるんだけど!?何この超人!?
「2人とも私のために争わないで!」
そしてあいだに割って入ってきたミフィー君の顔面と脇腹に炸裂する、私のハイキックと女のミドルキック。うわーー骨から嫌な音出たんだけど。
「………というわけでね、いい初対面になったのではないでしょうか。」
顔面と脇腹を押さえ、体をくの字に曲げながら喋るミフィー君。よくこの状況で間を持たせようと思ったねこいつ。我慢せずに悶絶すればいいのに。
「イリナは初めて会うと思うけれど、彼女、生徒会のメンバーだから。」
「彼女!?とうとう私を飯田さんの彼女と認めて下さったんですか!?」
「姫崎さんにはもっと、イケメンで高学歴で金持っててギャグセンスのある素敵な男が相応しいですよ。」
「それでも私は飯田さんの方がいいです!」
「俺じゃなくて遼鋭の方がいいよ。」
「いやですよ、あの人、性格最悪ですし。」
「だから丁度いいと思うんだけどなぁ。」
私を置き去りにして会話をしている…………というか、この姫崎さんとやらが勢いに任せて私を孤立させようとしているのがなんとなくわかる。
「とにかく!私は飯田さん一筋ですので!」
「……………」
「遼鋭さんだろうとなんだろうと、私は飯田さんを全力で口説き落とします!」
「………………」
「他に群がろうとする女は全力で排除する!それがモットーです!!」
「……………………」
「…………い、飯田さん?」
ミフィー君が無言で私を一瞥し、再度姫崎さんに視線を戻す。
「…………せ、生徒会で書記をやってます。姫崎鈴音です。」
無言で自己紹介させた………扱いに慣れてるんだね。
「あ、はい。最近上北高校に転入しましたイリナです。よろしくお願いします。」
なんでこんな流れになってしまったのか分からないが、私達は公道のど真ん中で互いに自己紹介をしてぎこちなく笑った。なにこれ、なんなのこれ。
「おいおい、こんな所にいたのかイリナちゃん。それになんだ、なんで狩虎と鈴音ちゃんもいるんだ。」
お店から出てきた宏美ちゃんも合流し、より一層わけのわからない集まりになってきた。なにこれ………
「そりゃあ決まってるだろ。学年で1、2を争う美女が私服で楽しんでいると聞いたら………ストーカーするのが常識だろ!」
「常識じゃねーよ。」
宏美ちゃんの綺麗な回し蹴りがミフィー君の脊髄に炸裂した。うわーーいったそう。
「…………丁度良い。この4人でカラオケにでも行こうか。」
「え、やなんだけど。」
「知らねーよ。」
そしてまた回し蹴りが綺麗に決まり、K.O.されたミフィー君を宏美ちゃんが引きずっていく。…………出会ってから、彼、引きずられてばっかりだな。
祝日、クラスメイト達と遊ぶ約束をしていた私は、宏美ちゃんとその他6人の女友達で街に繰り出していた。ブラブラ歩いてテキトウに買い物して、お洋服を見て「高すぎでしょ。」って愚痴ったり、本を眺めたり………色々なことをした。そして午後3時、やることのなくなった私達は喫茶店でお茶を飲みながら雑談をしている。
「んーーそんなに来ないですね。部屋でゴロゴロしてた方が楽しいですから。」
「インドアなのかー。確かに楽しいよね、私も常に外に出ていたいわけじゃないしさ。」
他の子達はカラオケに行って歌っているらしい。一息つきたかった私は、カラオケには行かずに1人で休もうと思っていたら、宏美ちゃんもついてきてくれたのだ。
…………でもちょっと気まずい。宏美ちゃんはミフィー君の幼馴染で、側から見ても仲が良いのがよくわかる。彼女はとてもモテているのに誰もアタックしないのは、きっとミフィー君がずっと隣にいるからだろう。
「…………狩虎のダメなところはさ。」
抹茶フラペチーノ………だったかな?そんな舌を噛みそうな名前の飲み物を飲んだ後、宏美ちゃんは店の外を眺めた。
「たくさんあるんだ。たくさん、数えればキリがないほどにたくさん。」
「そ、そんなことないですよ。」
確かに、彼は弱いしすぐに嘘をつくし、逃げる。性格の良い人間とは言えないだろう。
「その中でも1番ダメなところは、優しすぎることなんだ。」
「………………」
遠くを眺める宏美ちゃんの目は、何を映しているのだろう。ビル?山?群像?…………今じゃあない気がする。
「イリナちゃんにはまだ分からないかもしれないけれど、あいつは沢山の痛みを背負ってる。その痛みを忘れまいと足掻いている。…………あいつから口止めされているから私が言えるのはここまでなんだけど…………」
そして私を一瞥した彼女の目には涙が浮かんでいた。
「救ってやってくれないか、あいつを。私じゃあダメなんだ。対等な私じゃあ………ダメなんだ。」
今のでなんとなくわかった。宏美ちゃんも表面世界のことを知っているんだ。そしてミフィー君がカイを殺したことも………そして、私に殺されたがっていることも。
「…………わかりました。頑張ってみます。」
彼を救う?それは彼を殺すことなのか?それとも………生かすことなのだろうか。いまだに私は彼のことを理解しきれていない。一年前、なぜ私達の目の前に現れたのかも…………彼は一体何を考え行動していたのだろうか。知る必要があるのだろう。彼と、一年前のあの日に向き合う為に。
「そうか………ありがとう。」
そして宏美ちゃんは一気飲みすると、立ち上がりトイレへと消えて行った。
カイが死んだあの日、私とミフィー君が初めて出会ったあの日、希望が破壊されたあの日…………あの1日は、私が思っていたよりも複雑なのかもしれない。そんなことを思いながら私はお茶をすすった。
「…………ぬるっ。」
もっと早めに飲めばよかった。
「飯田さーーん!!!」
「ぐぼぇっ!!!」
「何してるんですか飯田さんこんな所で!」
「ちょっ、静かにして下さいよバレちゃうでしょ!」
「バレちゃうって誰に!?何が!?」
「イリナに俺が尾行してるってこ……と……………」
お店の外で騒いでいるミフィー君と私の目があった瞬間、彼が全速力で逃げ出した!
「丁度いい!今この場でぶち殺してやる!」
「やだぁ!こんな流れで殺されるのやだぁ!」
コソコソ隠れて何かしてるやつなんて心にやましさがないと出来ないもんね!とうとう正体見せたなミフィー君!
しかし!ミフィー君を追いかけている私に並走する女!そんなバカな!短距離走においてブッチギリの一位だった私に追いつく人間がいるなんて!
「愛しの飯田さんにぶっ殺すなんて使うメスガキはここでころーす!!」
そして走りながら私に攻撃してくるんだけど!?何この超人!?
「2人とも私のために争わないで!」
そしてあいだに割って入ってきたミフィー君の顔面と脇腹に炸裂する、私のハイキックと女のミドルキック。うわーー骨から嫌な音出たんだけど。
「………というわけでね、いい初対面になったのではないでしょうか。」
顔面と脇腹を押さえ、体をくの字に曲げながら喋るミフィー君。よくこの状況で間を持たせようと思ったねこいつ。我慢せずに悶絶すればいいのに。
「イリナは初めて会うと思うけれど、彼女、生徒会のメンバーだから。」
「彼女!?とうとう私を飯田さんの彼女と認めて下さったんですか!?」
「姫崎さんにはもっと、イケメンで高学歴で金持っててギャグセンスのある素敵な男が相応しいですよ。」
「それでも私は飯田さんの方がいいです!」
「俺じゃなくて遼鋭の方がいいよ。」
「いやですよ、あの人、性格最悪ですし。」
「だから丁度いいと思うんだけどなぁ。」
私を置き去りにして会話をしている…………というか、この姫崎さんとやらが勢いに任せて私を孤立させようとしているのがなんとなくわかる。
「とにかく!私は飯田さん一筋ですので!」
「……………」
「遼鋭さんだろうとなんだろうと、私は飯田さんを全力で口説き落とします!」
「………………」
「他に群がろうとする女は全力で排除する!それがモットーです!!」
「……………………」
「…………い、飯田さん?」
ミフィー君が無言で私を一瞥し、再度姫崎さんに視線を戻す。
「…………せ、生徒会で書記をやってます。姫崎鈴音です。」
無言で自己紹介させた………扱いに慣れてるんだね。
「あ、はい。最近上北高校に転入しましたイリナです。よろしくお願いします。」
なんでこんな流れになってしまったのか分からないが、私達は公道のど真ん中で互いに自己紹介をしてぎこちなく笑った。なにこれ、なんなのこれ。
「おいおい、こんな所にいたのかイリナちゃん。それになんだ、なんで狩虎と鈴音ちゃんもいるんだ。」
お店から出てきた宏美ちゃんも合流し、より一層わけのわからない集まりになってきた。なにこれ………
「そりゃあ決まってるだろ。学年で1、2を争う美女が私服で楽しんでいると聞いたら………ストーカーするのが常識だろ!」
「常識じゃねーよ。」
宏美ちゃんの綺麗な回し蹴りがミフィー君の脊髄に炸裂した。うわーーいったそう。
「…………丁度良い。この4人でカラオケにでも行こうか。」
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