暁 ゆめの話。

二日目。好きじゃない場所。

今日はいつもより体が軽い。
ここは・・・

あぁ、学校か。どうしてここに。
「ここって意外ときれいだよねぇー。」
目の前の少年が喋る。また同じやつだ。
「そりゃ、前改修工事したばっかだからだよ。無駄なところばっかり工事してさ。ほかはなにも改善されない。」
彼はいったい何者なのだろう。そんな疑問が頭によぎった。しかしどうでもよかった。だって今ここがどんな世界なのか、もう理解しているから。
「私、ここ嫌いなんだけど。」
「だからなんだっていうんだい。僕は好きだけどね。」
そういって彼は廊下を歩きはじめる。私はおろおろと彼についていく。
少年は急に振り向き私にニッコリと微笑みかけた。
「ねえ、ちょっとした自分語りしていいかな？僕喋るの大好きでさあ。」
早くこの場所が変わってほしい。いつも考えていればすぐに変わるのになぜだろう。
「えっと・・返事くださーーい」
「あ、え、別にいいけど。」
もちろん原因はなんとなく想定はついている。こいつだろう。
「僕さ、実はすごい人なんだよ？」
あまり聞いていていいことが無さそうなしゃべり始めだ。
「君みたいなひとと沢山話したことがあるんだ。なぜか僕が出会う人たちは皆君みたいな人間なんだよ。」
どこかの誰かと一緒にされたことに少し苛立ちの感情を抱く。
「私みたいな人間？」
「そう！言葉では形容しがたいけど、でも君みたいにまるでこの世界の神様気取りの人間！」
は？とすぐ口からこぼれそうだったが、我慢した。彼は私を挑発している。私が怒ることも想定して話しているのだろう。しかも彼は私の前でニマニマ笑っている。確信犯だ。
「わかるよ。だって思うように動くもんねこの世界なら。でも普通の人はそうじゃないんだよ。普通の人にできないことが君はついさっきまでできてたんだ。じゃあできなくなったのは何で？誰のせい？」
だからそれはお前の
「僕のせいじゃないよ。多分」
彼は笑顔を消した。手に汗を握る。こいつは誰なんだ？
「話を戻すよ。僕は君みたいに、夢を操る人間と沢山話してきた。というかいっつも気が付いたら会っているんだけど。そして僕は長年話していて、彼らの夢の世界、現実世界の共通点、全員がたどる結末を発見したんだ。」
「共通点？結末・・・？」
「気になっちゃうよね、わかるよ、うんうん。でもこれは今は言えないんだ。でも一つ言えるとしたらいい結末ではない。」
一つ頭によぎったのは「死」という言葉だ。冷や汗をかく。眩暈がする。
「だから君をいい方向へ連れてってあげる！僕はそんな君の純白な天使だよ。」


また電話が来た。その音で重い体を起こす。電話番号を確認した。
「非通知・・・。」
出なければ害は何もないが少し恐怖を感じる。もちろん受話器はとらず音が止むのを待った。
夢を思い出す。所詮夢だ。

私はペンをとりまたノートに綴った。