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第一章 《最下層追放編》
第二十七話 長距離ごしの邂逅
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「えっ!? まさかエランくん……!?」
驚愕に目を見開くカルムの姿が、縦ブレに消えた。
《上昇烈風》によって立ち上る竜巻で巻き上げられた水。
その上に乗った岩の板は、まるで超高速エレベーターかのように上へ吹っ飛んでいく。
「殺す気かアアアアアアァァァぁぁぁ――」
バールの叫び声が、たちまちフェードアウトしていく。
(ちょっと荒っぽいけど、ごめんなさいね。この方法しか思いつかなかったので)
あっという間に見えなくなった彼等へ、一応謝っておく。
縦穴の横に開いた巣穴からは、モンスターが出てこない。どうやら、《威嚇》が効いたらしい。
「さてと、そろそろ着く頃かな……?」
僕はスキル《ズーム》を起動して、彼等の登った先を見やる。
だが、ダンジョン内にほとんど明かりがない故か、何も見えない。
橋のある七階層まで遠すぎるということも関係しているんだろう。
(弱ったな……あ、そういえば)
確か、《暗視》のスキルをゲットしていたはず。
「スキル《暗視》」
ぼそりと呟いて、《ズーム》と併用利用する。
すると、真っ暗だった視界が薄緑色に変化し、透明度が増した。
見えなかった視界が、一気に開ける。
七階層に当たる部分に真っ直ぐ橋が架けられており、その中央付近に皆を乗せて飛んでいった板がくっついていた。
「お、いたいた。どうやら上手くいったみたいだ」
スキル《粘着》で生み出した粘着ボールが、上手い具合に橋にくっついたらしい。
カルム達が、ゆっくり橋の上に移っているのを見ながら、僕は小さく笑みを浮かべた。
(さて、これで任務完了。あとは、クレアととーめちゃんを連れて、最下層の残りを攻略するだけ……ん?)
そのとき、橋の上に別の何者かがいるのが見えた。
赤い髪に、青い瞳が特徴的な、冷徹さを放っている青年だ。
「あれは……まさか!?」
ドクンと、心臓が大きく波打つ。
冷や汗が否応なく溢れ出て、地面に落ちる。
あいつは……あいつのことだけは、忘れるはずもない。
「どうしたの? 怖い顔して」
ふと声をかけられ、振り返ると、いつの間にか目を覚ましていたクレアが不思議そうに首を傾げていた。
「いや。ちょっと因縁を思い出したんだ」
「因縁?」
「うん」
頷いて、またその男を見る。
なんでこんなところにいるのかは知らないが、僕を突き落としたことを後悔してここに来た――なんて人間じゃないことはよくわかってる。
お前のこと、許していないからな。ウッズ。
僕は、遙か上にいるその男を睨みつけた。
驚愕に目を見開くカルムの姿が、縦ブレに消えた。
《上昇烈風》によって立ち上る竜巻で巻き上げられた水。
その上に乗った岩の板は、まるで超高速エレベーターかのように上へ吹っ飛んでいく。
「殺す気かアアアアアアァァァぁぁぁ――」
バールの叫び声が、たちまちフェードアウトしていく。
(ちょっと荒っぽいけど、ごめんなさいね。この方法しか思いつかなかったので)
あっという間に見えなくなった彼等へ、一応謝っておく。
縦穴の横に開いた巣穴からは、モンスターが出てこない。どうやら、《威嚇》が効いたらしい。
「さてと、そろそろ着く頃かな……?」
僕はスキル《ズーム》を起動して、彼等の登った先を見やる。
だが、ダンジョン内にほとんど明かりがない故か、何も見えない。
橋のある七階層まで遠すぎるということも関係しているんだろう。
(弱ったな……あ、そういえば)
確か、《暗視》のスキルをゲットしていたはず。
「スキル《暗視》」
ぼそりと呟いて、《ズーム》と併用利用する。
すると、真っ暗だった視界が薄緑色に変化し、透明度が増した。
見えなかった視界が、一気に開ける。
七階層に当たる部分に真っ直ぐ橋が架けられており、その中央付近に皆を乗せて飛んでいった板がくっついていた。
「お、いたいた。どうやら上手くいったみたいだ」
スキル《粘着》で生み出した粘着ボールが、上手い具合に橋にくっついたらしい。
カルム達が、ゆっくり橋の上に移っているのを見ながら、僕は小さく笑みを浮かべた。
(さて、これで任務完了。あとは、クレアととーめちゃんを連れて、最下層の残りを攻略するだけ……ん?)
そのとき、橋の上に別の何者かがいるのが見えた。
赤い髪に、青い瞳が特徴的な、冷徹さを放っている青年だ。
「あれは……まさか!?」
ドクンと、心臓が大きく波打つ。
冷や汗が否応なく溢れ出て、地面に落ちる。
あいつは……あいつのことだけは、忘れるはずもない。
「どうしたの? 怖い顔して」
ふと声をかけられ、振り返ると、いつの間にか目を覚ましていたクレアが不思議そうに首を傾げていた。
「いや。ちょっと因縁を思い出したんだ」
「因縁?」
「うん」
頷いて、またその男を見る。
なんでこんなところにいるのかは知らないが、僕を突き落としたことを後悔してここに来た――なんて人間じゃないことはよくわかってる。
お前のこと、許していないからな。ウッズ。
僕は、遙か上にいるその男を睨みつけた。
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