強引な男はお断りです!

朱月野鈴加

文字の大きさ
19 / 20

《十九話》初めての *

しおりを挟む
 麦はみやびを抱きしめると、またキスをしてきた。
 労るようなキスに、みやびの身体から力が抜けていく。

「みやび、好きだ」

 耳元で囁かれる甘い言葉に、みやびの身体はびくりと跳ねた。
 それと同時に、全身を甘い気持ちが駆け巡っていく。

「わたし、も、好き」

 唇が腫れるのではないかというほどキスをして、気がついたら、みやびはベッドの上に押し倒されていた。

「みやび、脱がせるよ」
「あ……んっ」

 腰の辺りに麦の手が伸びてきて、スウェットの下と下着をするりと脱がされた。

「あっ、いきなり……っ」
「上から脱がせた方が良かったか?」

 少し意地悪な声音の麦に、みやびは小さく首を振った。

「優しくしなきゃと思うのに、みやびの反応がかわいすぎて、ちょっと無理」
「かわいくなんて……っ」
「かわいいだろ、オレがキスをしたら幸せそうに身体を持たれ掛けてくるとか、慣れないのに、必死で舌を絡めて来てくれるところとか」
「そういうこと、言わないでっ」
「みやびがどれだけかわいいか、知って欲しくて言ったんだけど、嫌だったか」
「嫌というか、恥ずかしい」
「それなら、どれだけかわいいか説明してやる」

 麦はみやびの足を手でさすると、みやびは身体をひねった。

「くすぐったいか?」
「あ……や、すごく、恥ずか……しい」
「みやびの肌、すごく綺麗だ。それに、オレと同じ匂いがするなんて、なんか、すげー嬉しい」

 麦のゴツゴツした手がみやびの足をさすり、みやびはぞくぞくとした感じが背中を駆け抜けていく。

「んぅ」

 鼻から抜けていく吐息が甘ったるく、みやびは戸惑った。
 初めての時は感じないだとか、痛いだけだとか聞いていたのに、このぞくぞくした感覚はそれとはまったく違う物。

「もっとキス、していいか?」
「……はい」

 唇が腫れて火照っている感覚があるけれど、それでも麦とキスがしたいと思ったため、みやびがうなずくと、くすりと笑われた。

「オレとのキス、気持ちいい?」
「う……ん、はぁ、気持ち、いい」

 特にディープキスをされると、身体全体がぞくぞくとして、これが気持ちがいいっていう感覚なのだろうとみやびは思う。

「オレもみやびとのキス、すっげー気持ちいい」

 麦の手はみやびの太股を撫でていたと思ったら、内股に手が伸びてきた。
 キスに夢中になっているみやびは、気がついていない。
 内股を撫でながら、足の付け根へと麦は手を伸ばし、黒い茂みをかき分けて、花芯へと指を伸ばす。軽く触れた途端、みやびの身体が大きく跳ねた。

「なにっ」
「みやびのクリトリスに触れた」

 あけすけな言い方に、みやびは顔を真っ赤にさせた。

「みやび、足を広げて?」
「恥ずかしいっ」
「じゃあ、閉じたままでやる? たぶん、ものすごく痛いよ?」

 麦はもう一度、指先でぐりぐりと花芯を優しく押しつけると、みやびの身体はびくびくと跳ねた。
 麦はさらに指を伸ばし、蜜口へと触れた。

「ここ、濡れてる」
「言わないでっ」

 そこが濡れているのは、みやびも気がついていた。

「オレとのキスで感じてくれたって分かって、すっげー嬉しい」
「麦の意地悪っ」
「オレは意地悪だよ。特に好きな子に対しては、意地悪をしたくなる」
「そんなことない。麦は優しいよ」
「水無瀬さんじゃなくなったんだ」
「あ……っ」

 麦と呼ぶのが自然なような気がして、そう呼んでしまったけれど、早急だっただろうか。
 そんなことをよそに、麦は嬉しそうに笑った。

「ようやく名前、呼んでくれた」
「水無瀬さんって呼ぶより、麦って呼んだ方が呼びやすいし……それに……好き、だから」
「そういうかわいい不意打ち、禁止」

 麦は指先で、みやびの花芯を先ほどより少し強めに押して、みやびの身体を煽った。
 みやびの身体は大きく跳ね、股の力が抜けた。
 蜜口へと麦は指を置くと、入口あたりをくちゅくちゅと音をさせて、撫で回した。

「はっ、はっ、はっ」

 みやびの口から荒い息が吐き出され、それをふさぐようにして、麦はみやびにキスをした。

「指、入れるよ」

 麦の声に、みやびはぼんやりとうなずいた。
 麦の指が、みやびの中へと埋め込まれていく。みやびの中からあふれだした蜜のおかげでどうにか指が入るが、そこはタンポンさえ入ったことのない場所。初めての異物にみやびは顔をしかめた。

「痛い?」
「痛くはないけど……なんか、すごい違和感が」
「オレの指、分かる?」
「……指っ?」
「うん、指入れて、ここ、広げないとね」

 にゅるにゅると指が出し入れされ、みやびは違和感に麦の服をギュッと握りしめた。

「痛い?」

 もう一度、同じことを聞かれ、みやびは首を横に振った。

「痛くないけど、なんか、変な感じ」
「一本はどうにか入ったけど、二本目、行くよ」
「二本っ?」
「オレの、指三本よりは太いと思うんだけど、最低でも三本は入るようにしておかないと、むちゃくちゃ痛いと思う」
「嘘……」

 ぬるりと指が抜けたかと思ったら、二本の指が中へと入ってきた。違和感は先ほどよりも強くなった。

「二本も行けたな。三本、大丈夫かな」

 すぐに指が抜けて、三本の指が入ってきた。中からの圧迫感がすごい。

「三本、行けたな。じゃあ、入れるからな」

 ぬるりと指が抜けたかと思ったら、麦はスウェットを脱ぎ捨てて、枕の下に隠していたコンドームを付けると、みやびの足を大きく広げさせた。
 初めて見る麦の身体に、みやびは釘付けになっていた。
 服を着ていても均整の取れた身体をしていると思っていたけれど、脱いでみると、うっすらと筋肉がついていて、綺麗だった。
 その点、みやびはと言うと、胸はそこそこあるけれど、標準体重で、少しお腹周りに肉がついている、あまり自慢できるような体型をしているわけではなかったので、余計に恥ずかしかった。

「みやび、挿入するよ」

 蜜口に熱いなにかが当てられたと思ったら、ぐいっと押しつけられ、中へと入り込んできた。

「んんっ」
「みやび、力抜いて」
「無理っ」

 力を抜けと言われても、なにかが入ってくるのだから、それは難しい。
 麦は困ったように苦笑した後、みやびの唇を塞いだ。
 舌と舌を絡めていると、みやびの身体から力が抜けていくのが分かった。
 麦はぐいぐいと腰を進めて、みやびの中へと押し入った。

「あ……いた、い」
「ごめん、痛いよな」
「あ……っ」

 奥まで入り込んだと思った途端、麦の中で弾けそうになって、ぐっと我慢した。

「ぐっ……」
「麦、大丈夫っ?」
「オレの心配より、自分のことを心配しろ。痛くないか?」
「痛い……。痛いけど、なんか、変な感じなの。中がむずむずするって言うか」
「動いても大丈夫そうか?」
「……うん、たぶん」

 麦の手が、みやびの腰を掴むと、ゆっくりと腰を動かし始めた。
 ゆるゆると抜けて、ゆるゆると奥へと戻っていく。
 その感触が段々と快感へと変わっていくのが、みやびに分かった。

「あっ、あぁぁんっ」
「みやび、気持ちいい?」
「ん……分かんない、けど、たぶん」

 みやびを気遣いながら、麦は抜き差しをして、徐々にその速度が上がっていった。

「みやび、ちょっともう、オレ、我慢できそうにない」
「んっ、あ、あ、あぁっ」

 麦は腰を押しつけると、膜越しに白い飛沫を吐き出した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...