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11. 新たな試練
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中庭での前代未聞の「お詫び鍋パーティー」事件から数日。
あの出来事をきっかけに私と騎士団の関係は、また新たなステージへと移行していた。
彼らの暴走が完全に止んだわけではない。一条くんは相変わらず「乃蒼様!」と叫んでは私を過剰に心配し、如月くんは時折、私の幸福度を計測したレポートを提出してくる。倉吉くんは気配を消して私を見守り、早苗くんは隙あらばスキンシップを図ってくる。
だがそこに以前のような悲壮感はなかった。私が彼らの奇行を「はいはい、また始まった」と、ある種の諦めと共に受け流せるようになったこと。そして何より、莉緒ちゃんという強力な緩衝材兼ツッコミ役が加わったことが大きかった。彼女は騎士団のズレた行動を「面白いじゃん!」と大笑いし、時には私以上に的確なツッコミで彼らを黙らせることもあった。
おかげで私の胃痛は快方に向かい、夜も少しずつ眠れるようになってきた。クラスでの孤立も莉緒ちゃんが頻繁に私のクラスに遊びに来てくれるようになったことで、以前よりは気にならなくなっている。
平凡な日常とは、やはりまだ程遠い。
しかしこれはこれで、一つの「日常」の形なのかもしれない。
そんな風に私がようやく思い始めた矢先のことだった。
新たな試練は全く予想だにしない方向から、静かに、しかし確実に、私たちに忍び寄ってきていたのだ。
ゴールデンウィークが明け、高校の授業が本格的にスタートした。中学までの復習範囲を終え、いよいよ高校レベルのより専門的で難解な内容へと足を踏み入れていく。
「はぁ……やっぱり、難しいな」
数学の授業中、私は黒板に書かれた複雑な二次関数の数式をノートに写しながら、小さくため息をついた。冒険家の両親のせいで私の基礎学力は正直言ってかなり怪しい。猛勉強してなんとか高校には合格できたが、油断すればあっという間に置いていかれてしまうだろう。気を引き締めなければ。
そんなことを考えていた時、ふと、教室の後方から何やら奇妙なうめき声が聞こえてきた。
「むむむ……」
「なんだ、こりゃ……暗号か?」
声の主は一条彰人と早苗翔だった。
見ると二人は揃ってノートの上で腕を組み、黒板の数式をまるで初めて見る古代の象形文字でも解読するかのような、険しい顔つきで睨みつけていた。
その姿に私は首を傾げた。
一条くんは入学式の新入生代表挨拶を見事に務め上げ、クラス委員としてもそのカリスマ性を遺憾なく発揮している。早苗くんだって、コミュニケーション能力は非常に高く、クラスの男子の中心的存在だ。てっきり二人とも勉強もそつなくこなすタイプだと思っていたのだが。
異変は、数学の授業だけではなかった。
次の英語の授業。
ネイティブの先生が流暢な発音で教科書の本文を読み上げる。私も必死に耳を傾け、その意味を理解しようと努めていた。
すると、またしても後方から囁き声が聞こえてくる。
「……なあ、彰人。今の、どこの訛りだ?」
「わからん。少なくとも、アレンアン王国周辺で使われていたどの言語とも違う。……あるいは、ルーハンド帝国の田舎の方言かもしれんな」
「なるほどなー」
……何を言っているんだ、あの二人は。
あれは訛りでも方言でもなく、現代の標準的なアメリカ英語だ。というか、前世の知識を基準に考えるのをやめてほしい。
そして、極めつけは古典の授業だった。
『徒然草』の一節。「つれづれなるまゝに、日くらし、硯にむかひて……」
誰もが一度は聞いたことのある有名な一文だ。私も、受験勉強で必死に暗記した記憶がある。
しかし。
「……おい、翔。なんだ、この呪文は」
「さっぱりわかんねえ。多分、古代エルフ族の魔法の詠唱とか、そんな感じじゃねえか?」
「それだ! さすがだな、翔!」
もう、だめだ。
私は、額を押さえて天を仰ぎたくなった。
彼らは本気で、そう信じている。現代日本の高校生として十数年間生きてきたはずなのに、彼らの知識のベースは完全に剣と魔法の異世界なのだ。
その日の放課後、私は莉緒ちゃんと連れ立って帰路についていた。
「……というわけで、今日の授業は本当に大変だったんだよ」
「あははは! マジで!? 古典がエルフの呪文って! お腹痛い!」
莉緒ちゃんは、涙を流しながら大爆笑している。
「笑い事じゃないよ……。あんな調子でこれから先、大丈夫なのかな、あの二人」
「いやー、でも不思議じゃない? だって彼ら、日本で生まれて、日本の小中学校に通ってたんでしょ? なんで急にそんなことになってんの?」
莉緒ちゃんの素朴な疑問に、私はハッとした。
そうだ。彼らの設定によれば、彼らは日本の普通の赤ちゃんとして生まれ、日本の両親に育てられてきたはずなのだ。高校の入学式で私と再会したことで前世の記憶に覚醒した、と彼らは言っていた。
「……もしかして」
私は一つの仮説に思い至った。
「前世の記憶が覚醒した衝撃で現代で学んできたはずの知識が、上書きされちゃったとか……?」
前世の騎士団長レノーと特攻隊長ルイとしての人格。そのあまりにも強烈な自我が、現代日本の少年である一条彰人と早苗翔としての人格を覆い隠してしまっているのではないか。
「うわ、ありそう。だとしたら、かなりヤバくない? 下手したら、小学校の九九からやり直しだよ?」
「……だよね」
一方で、如月くんと倉吉くんは、全く問題ないようだった。
如月くんは、どんな授業でも涼しい顔で完璧にこなし、時には教師の回答の矛盾点を指摘することさえある。彼の軍師としての知性は現代の学問にも遺憾なく発揮されているらしい。倉吉くんは、目立たないようにしているのか、常に小テストでは平均点あたりをキープしているようだが、その瞳の奥には全てを理解しているような余裕が感じられた。諜報担当として、あらゆる知識を吸収する能力に長けているのかもしれない。
騎士団内での致命的なまでの学力格差。
それは彼らにとって、そして、なぜか彼らの面倒を見なければならないような空気になっている私にとって新たな、そして非常に厄介な試練の始まりを告げる、不吉な鐘の音のように思えた。
まさかこの後、私が赤点寸前のダメ騎士二人の家庭教師役を押し付けられることになるなどとは、この時の私はまだ予想だにしていなかったのである。
あの出来事をきっかけに私と騎士団の関係は、また新たなステージへと移行していた。
彼らの暴走が完全に止んだわけではない。一条くんは相変わらず「乃蒼様!」と叫んでは私を過剰に心配し、如月くんは時折、私の幸福度を計測したレポートを提出してくる。倉吉くんは気配を消して私を見守り、早苗くんは隙あらばスキンシップを図ってくる。
だがそこに以前のような悲壮感はなかった。私が彼らの奇行を「はいはい、また始まった」と、ある種の諦めと共に受け流せるようになったこと。そして何より、莉緒ちゃんという強力な緩衝材兼ツッコミ役が加わったことが大きかった。彼女は騎士団のズレた行動を「面白いじゃん!」と大笑いし、時には私以上に的確なツッコミで彼らを黙らせることもあった。
おかげで私の胃痛は快方に向かい、夜も少しずつ眠れるようになってきた。クラスでの孤立も莉緒ちゃんが頻繁に私のクラスに遊びに来てくれるようになったことで、以前よりは気にならなくなっている。
平凡な日常とは、やはりまだ程遠い。
しかしこれはこれで、一つの「日常」の形なのかもしれない。
そんな風に私がようやく思い始めた矢先のことだった。
新たな試練は全く予想だにしない方向から、静かに、しかし確実に、私たちに忍び寄ってきていたのだ。
ゴールデンウィークが明け、高校の授業が本格的にスタートした。中学までの復習範囲を終え、いよいよ高校レベルのより専門的で難解な内容へと足を踏み入れていく。
「はぁ……やっぱり、難しいな」
数学の授業中、私は黒板に書かれた複雑な二次関数の数式をノートに写しながら、小さくため息をついた。冒険家の両親のせいで私の基礎学力は正直言ってかなり怪しい。猛勉強してなんとか高校には合格できたが、油断すればあっという間に置いていかれてしまうだろう。気を引き締めなければ。
そんなことを考えていた時、ふと、教室の後方から何やら奇妙なうめき声が聞こえてきた。
「むむむ……」
「なんだ、こりゃ……暗号か?」
声の主は一条彰人と早苗翔だった。
見ると二人は揃ってノートの上で腕を組み、黒板の数式をまるで初めて見る古代の象形文字でも解読するかのような、険しい顔つきで睨みつけていた。
その姿に私は首を傾げた。
一条くんは入学式の新入生代表挨拶を見事に務め上げ、クラス委員としてもそのカリスマ性を遺憾なく発揮している。早苗くんだって、コミュニケーション能力は非常に高く、クラスの男子の中心的存在だ。てっきり二人とも勉強もそつなくこなすタイプだと思っていたのだが。
異変は、数学の授業だけではなかった。
次の英語の授業。
ネイティブの先生が流暢な発音で教科書の本文を読み上げる。私も必死に耳を傾け、その意味を理解しようと努めていた。
すると、またしても後方から囁き声が聞こえてくる。
「……なあ、彰人。今の、どこの訛りだ?」
「わからん。少なくとも、アレンアン王国周辺で使われていたどの言語とも違う。……あるいは、ルーハンド帝国の田舎の方言かもしれんな」
「なるほどなー」
……何を言っているんだ、あの二人は。
あれは訛りでも方言でもなく、現代の標準的なアメリカ英語だ。というか、前世の知識を基準に考えるのをやめてほしい。
そして、極めつけは古典の授業だった。
『徒然草』の一節。「つれづれなるまゝに、日くらし、硯にむかひて……」
誰もが一度は聞いたことのある有名な一文だ。私も、受験勉強で必死に暗記した記憶がある。
しかし。
「……おい、翔。なんだ、この呪文は」
「さっぱりわかんねえ。多分、古代エルフ族の魔法の詠唱とか、そんな感じじゃねえか?」
「それだ! さすがだな、翔!」
もう、だめだ。
私は、額を押さえて天を仰ぎたくなった。
彼らは本気で、そう信じている。現代日本の高校生として十数年間生きてきたはずなのに、彼らの知識のベースは完全に剣と魔法の異世界なのだ。
その日の放課後、私は莉緒ちゃんと連れ立って帰路についていた。
「……というわけで、今日の授業は本当に大変だったんだよ」
「あははは! マジで!? 古典がエルフの呪文って! お腹痛い!」
莉緒ちゃんは、涙を流しながら大爆笑している。
「笑い事じゃないよ……。あんな調子でこれから先、大丈夫なのかな、あの二人」
「いやー、でも不思議じゃない? だって彼ら、日本で生まれて、日本の小中学校に通ってたんでしょ? なんで急にそんなことになってんの?」
莉緒ちゃんの素朴な疑問に、私はハッとした。
そうだ。彼らの設定によれば、彼らは日本の普通の赤ちゃんとして生まれ、日本の両親に育てられてきたはずなのだ。高校の入学式で私と再会したことで前世の記憶に覚醒した、と彼らは言っていた。
「……もしかして」
私は一つの仮説に思い至った。
「前世の記憶が覚醒した衝撃で現代で学んできたはずの知識が、上書きされちゃったとか……?」
前世の騎士団長レノーと特攻隊長ルイとしての人格。そのあまりにも強烈な自我が、現代日本の少年である一条彰人と早苗翔としての人格を覆い隠してしまっているのではないか。
「うわ、ありそう。だとしたら、かなりヤバくない? 下手したら、小学校の九九からやり直しだよ?」
「……だよね」
一方で、如月くんと倉吉くんは、全く問題ないようだった。
如月くんは、どんな授業でも涼しい顔で完璧にこなし、時には教師の回答の矛盾点を指摘することさえある。彼の軍師としての知性は現代の学問にも遺憾なく発揮されているらしい。倉吉くんは、目立たないようにしているのか、常に小テストでは平均点あたりをキープしているようだが、その瞳の奥には全てを理解しているような余裕が感じられた。諜報担当として、あらゆる知識を吸収する能力に長けているのかもしれない。
騎士団内での致命的なまでの学力格差。
それは彼らにとって、そして、なぜか彼らの面倒を見なければならないような空気になっている私にとって新たな、そして非常に厄介な試練の始まりを告げる、不吉な鐘の音のように思えた。
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