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18. 夜食と、ほんの少しの前世の記憶
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私の怒りの鉄槌が下されてから、騎士団の学習態度は劇的に変化した。
いや、学習態度というより試練に立ち向かう姿勢と呼ぶ方が正しいかもしれない。
一条彰人は本当に校庭を走りながら、汗だくで歴史の年号を叫び続けた。途中、下校途中の生徒たちから奇異の目で見られていたが彼は一切気にしなかった。
早苗翔も本当に図書室の蔵書数を数え始めた。何度も途中で数を間違えてはそのたびに「ちくしょう!」と叫びながら最初からやり直していた。司書の先生からは最終的に「君、静かにできないなら出ていきなさい」と、こっぴどく叱られていた。
彼らの行動は学習効率という点では、相変わらずゼロに等しいかもしれない。
しかし、その姿にはこれまでなかった必死さと覚悟が滲み出ていた。私の理不尽な命令に彼らは文句一つ言わず、ただひたすらに、真正面から向き合っている。
そして、その変化は彼ら二人だけにとどまらなかった。
如月伊呂波は、破り捨てられた自分の学習計画書をセロハンテープで修復しながらも、私の鬼教官ぶりを「……なるほど。論理や効率だけでは、人の心は動かせない、ということか。興味深いデータだ」と、何やら真剣に分析していた。
倉吉凪は私のスケッチをする手を止め、黙々と、ダメ騎士二人が使うであろう参考書の重要箇所にマーカーを引いたり、付箋を貼ったりする作業に徹していた。
私の一喝がバラバラだった彼らの心を、図らずも一つにしたのかもしれない。
打倒・中間試験、そして、乃蒼教官の期待に応えるという、共通の目的の下に。
結局、その日は、閉館時間ギリギリまで図書室に残りその後、私たちの戦いの舞台は、近くのファミリーレストランへと移された。
「……というわけで、昨日の一条と早苗の醜態は全て私の監督不行き届きによるもの。この埋め合わせは、必ずや」
「もういいから、如月くん。それより、注文しないとお腹すいたよ」
「しかし、乃蒼様……」
「いいの。それより、一条くんと早苗くん、大丈夫? まだ生きてる?」
私の問いにテーブルの向かい側に座る二人は、まるで幽鬼のように、力なく顔を上げた。
「……乃蒼様……。俺は、走り切りました……。そして、悟りました……。人間、やればできる、と……」
「……指の数が全部で十本あることの奇跡を、俺は今、噛み締めている……」
二人とも完全に燃え尽きて、抜け殻のようになっていた。
そんな彼らの前に注文したハンバーグやらパスタやらが、次々と運ばれてくる。その匂いで、二人の目にようやく生命の光が戻った。
「「いただきます!」」
ものすごい勢いで、料理にがっつき始める二人。その姿は騎士というより、数日間何も食べていなかった野生動物のようだった。
「まあまあ、ゆっくり食べなよ。喉詰まらせるよ」
莉緒ちゃんが、呆れながらも水の入ったコップを彼らの前に置いてあげる。
全員が食事に集中し、しばらくの間、店内には食器の音だけが響いていた。
その穏やかで、どこにでもあるファミレスの光景がなぜだか私の心をじんわりと温かくした。数週間前まで、こんな風に彼らと食卓を囲む日が来るなんて想像もできなかった。
「……うめえ」
唐揚げを頬張りながら、早苗くんがぽつりと呟いた。
「なんか、死ぬほど疲れた後に食うメシって、格別だな」
「うむ。身体に染み渡るようだ」
一条くんもハンバーグを噛み締めながら、深く頷く。
「……そういえば」
彼はふと、何かを思い出したように、遠い目をした。
「前世でも、こんなことがあったな」
「え?」
私が聞き返すと彼は少し照れたように、はにかんだ。
「ルーハンド帝国との、大きな会戦の後だ。我々は三日三晩、飲まず食わずで戦い続け、辛くも勝利を収めた。戦いが終わった後、生き残った者たちで焚き火を囲んで、なけなしの干し肉と硬いパンを分け合って食べたんだ」
「……」
「決して、美味いものではなかった。だが、あの時のパンの味は王宮で食べるどんな豪華な料理よりも美味しく感じられた。……今、このハンバーグを食べて、ふと、その時のことを思い出した」
彼の言葉に、早苗くんも頷く。
「あったな、そんなこと。あの時、彰人、最後のパンを一番年下の新兵に譲ってただろ。団長なのに」
「当然だ。上に立つ者は常に、部下のことを第一に考えねばならん」
「へへっ。そういうとこ、昔から変わんねえよな、あんたは」
二人は顔を見合わせて、懐かしそうに笑った。
それは私がこれまで見たことのない、一条彰人と早苗翔の穏やかで、少しだけ大人びた表情だった。
いつもは、私の前で「乃蒼様!」「乃蒼さま!」と騒いでばかりいる彼ら。
でも、彼らには私の知らない、彼らだけの記憶と絆がある。
剣と魔法の世界で騎士として、仲間として、生死を共にしてきた、確かな時間。
その事実が、すとんと、私の胸に落ちてきた。
「……乃蒼様が我々に分け与えてくださった、あの夜食のスープの味も、忘れられませんな」
不意に、如月くんが、静かに言った。
「戦場で冷え切った我々の身体をあの温かいスープがどれだけ癒してくれたことか」
「……え? 私が、スープ?」
はいと、凪くんが小さく頷く。
「貴女様はご自分の分を、いつも負傷した兵士に分け与えておられた。そして、おっしゃるのです。『民を守るのが、王族の務めですから』と。そのお姿に我々は、何度、心を奮い立たされたことか」
四人の視線が私に集まる。
その瞳にはいつもの狂信的な熱量ではなく、ただ純粋な、深い敬愛と懐かしさの色が浮かんでいた。
私にはそんな記憶は、もちろんない。
でも、彼らが語る「前世の私」は私が思っていたよりも、ずっと立派で、優しい女王様だったのかもしれない。
「……そう、ですか」
私はなんと返事をしていいかわからず、ただ、そう呟くことしかできなかった。
その時、莉緒ちゃんがにっと笑って、私の背中をパンと叩いた。
「へえー! 乃蒼ちゃん、前世では結構いい女王様やってたんだね!」
「り、莉緒ちゃん!」
「よし、決めた! その女王様お手製の夜食スープとやらを再現してもらおうじゃないの! 試験勉強の夜食は、それで決まりだね!」
「ええええええ!?」
莉緒ちゃんのあまりにも無茶な提案に、私は素っ頓狂な声を上げた。
しかし、騎士団の四人は、「おお!」「それは素晴らしい!」と、大いに盛り上がっている。
こうして私の意思とは全く関係なく、中間試験までの残り一週間、私が彼らのために夜食を作ることがなぜか決定してしまった。
平凡な日常とはやっぱり違う。
でも、目の前で本当に美味しそうにご飯を食べる彼らの姿を見ていると、まあ、夜食くらい、作ってあげてもいいかな、なんて。
ほんの少しだけ、本当に、ほんの少しだけそう思ってしまったのだった。
いや、学習態度というより試練に立ち向かう姿勢と呼ぶ方が正しいかもしれない。
一条彰人は本当に校庭を走りながら、汗だくで歴史の年号を叫び続けた。途中、下校途中の生徒たちから奇異の目で見られていたが彼は一切気にしなかった。
早苗翔も本当に図書室の蔵書数を数え始めた。何度も途中で数を間違えてはそのたびに「ちくしょう!」と叫びながら最初からやり直していた。司書の先生からは最終的に「君、静かにできないなら出ていきなさい」と、こっぴどく叱られていた。
彼らの行動は学習効率という点では、相変わらずゼロに等しいかもしれない。
しかし、その姿にはこれまでなかった必死さと覚悟が滲み出ていた。私の理不尽な命令に彼らは文句一つ言わず、ただひたすらに、真正面から向き合っている。
そして、その変化は彼ら二人だけにとどまらなかった。
如月伊呂波は、破り捨てられた自分の学習計画書をセロハンテープで修復しながらも、私の鬼教官ぶりを「……なるほど。論理や効率だけでは、人の心は動かせない、ということか。興味深いデータだ」と、何やら真剣に分析していた。
倉吉凪は私のスケッチをする手を止め、黙々と、ダメ騎士二人が使うであろう参考書の重要箇所にマーカーを引いたり、付箋を貼ったりする作業に徹していた。
私の一喝がバラバラだった彼らの心を、図らずも一つにしたのかもしれない。
打倒・中間試験、そして、乃蒼教官の期待に応えるという、共通の目的の下に。
結局、その日は、閉館時間ギリギリまで図書室に残りその後、私たちの戦いの舞台は、近くのファミリーレストランへと移された。
「……というわけで、昨日の一条と早苗の醜態は全て私の監督不行き届きによるもの。この埋め合わせは、必ずや」
「もういいから、如月くん。それより、注文しないとお腹すいたよ」
「しかし、乃蒼様……」
「いいの。それより、一条くんと早苗くん、大丈夫? まだ生きてる?」
私の問いにテーブルの向かい側に座る二人は、まるで幽鬼のように、力なく顔を上げた。
「……乃蒼様……。俺は、走り切りました……。そして、悟りました……。人間、やればできる、と……」
「……指の数が全部で十本あることの奇跡を、俺は今、噛み締めている……」
二人とも完全に燃え尽きて、抜け殻のようになっていた。
そんな彼らの前に注文したハンバーグやらパスタやらが、次々と運ばれてくる。その匂いで、二人の目にようやく生命の光が戻った。
「「いただきます!」」
ものすごい勢いで、料理にがっつき始める二人。その姿は騎士というより、数日間何も食べていなかった野生動物のようだった。
「まあまあ、ゆっくり食べなよ。喉詰まらせるよ」
莉緒ちゃんが、呆れながらも水の入ったコップを彼らの前に置いてあげる。
全員が食事に集中し、しばらくの間、店内には食器の音だけが響いていた。
その穏やかで、どこにでもあるファミレスの光景がなぜだか私の心をじんわりと温かくした。数週間前まで、こんな風に彼らと食卓を囲む日が来るなんて想像もできなかった。
「……うめえ」
唐揚げを頬張りながら、早苗くんがぽつりと呟いた。
「なんか、死ぬほど疲れた後に食うメシって、格別だな」
「うむ。身体に染み渡るようだ」
一条くんもハンバーグを噛み締めながら、深く頷く。
「……そういえば」
彼はふと、何かを思い出したように、遠い目をした。
「前世でも、こんなことがあったな」
「え?」
私が聞き返すと彼は少し照れたように、はにかんだ。
「ルーハンド帝国との、大きな会戦の後だ。我々は三日三晩、飲まず食わずで戦い続け、辛くも勝利を収めた。戦いが終わった後、生き残った者たちで焚き火を囲んで、なけなしの干し肉と硬いパンを分け合って食べたんだ」
「……」
「決して、美味いものではなかった。だが、あの時のパンの味は王宮で食べるどんな豪華な料理よりも美味しく感じられた。……今、このハンバーグを食べて、ふと、その時のことを思い出した」
彼の言葉に、早苗くんも頷く。
「あったな、そんなこと。あの時、彰人、最後のパンを一番年下の新兵に譲ってただろ。団長なのに」
「当然だ。上に立つ者は常に、部下のことを第一に考えねばならん」
「へへっ。そういうとこ、昔から変わんねえよな、あんたは」
二人は顔を見合わせて、懐かしそうに笑った。
それは私がこれまで見たことのない、一条彰人と早苗翔の穏やかで、少しだけ大人びた表情だった。
いつもは、私の前で「乃蒼様!」「乃蒼さま!」と騒いでばかりいる彼ら。
でも、彼らには私の知らない、彼らだけの記憶と絆がある。
剣と魔法の世界で騎士として、仲間として、生死を共にしてきた、確かな時間。
その事実が、すとんと、私の胸に落ちてきた。
「……乃蒼様が我々に分け与えてくださった、あの夜食のスープの味も、忘れられませんな」
不意に、如月くんが、静かに言った。
「戦場で冷え切った我々の身体をあの温かいスープがどれだけ癒してくれたことか」
「……え? 私が、スープ?」
はいと、凪くんが小さく頷く。
「貴女様はご自分の分を、いつも負傷した兵士に分け与えておられた。そして、おっしゃるのです。『民を守るのが、王族の務めですから』と。そのお姿に我々は、何度、心を奮い立たされたことか」
四人の視線が私に集まる。
その瞳にはいつもの狂信的な熱量ではなく、ただ純粋な、深い敬愛と懐かしさの色が浮かんでいた。
私にはそんな記憶は、もちろんない。
でも、彼らが語る「前世の私」は私が思っていたよりも、ずっと立派で、優しい女王様だったのかもしれない。
「……そう、ですか」
私はなんと返事をしていいかわからず、ただ、そう呟くことしかできなかった。
その時、莉緒ちゃんがにっと笑って、私の背中をパンと叩いた。
「へえー! 乃蒼ちゃん、前世では結構いい女王様やってたんだね!」
「り、莉緒ちゃん!」
「よし、決めた! その女王様お手製の夜食スープとやらを再現してもらおうじゃないの! 試験勉強の夜食は、それで決まりだね!」
「ええええええ!?」
莉緒ちゃんのあまりにも無茶な提案に、私は素っ頓狂な声を上げた。
しかし、騎士団の四人は、「おお!」「それは素晴らしい!」と、大いに盛り上がっている。
こうして私の意思とは全く関係なく、中間試験までの残り一週間、私が彼らのために夜食を作ることがなぜか決定してしまった。
平凡な日常とはやっぱり違う。
でも、目の前で本当に美味しそうにご飯を食べる彼らの姿を見ていると、まあ、夜食くらい、作ってあげてもいいかな、なんて。
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