23 / 30
23. 騎士団式・早朝トレーニング
しおりを挟む
私が不本意ながらも応援団長に就任することが決定した、その翌朝のことだった。
ピピピピッ、ピピピピッ――。
まだ薄暗い午前五時。けたたましい目覚まし時計の音に、私は重たい瞼をこじ開けた。
(……眠い)
昨夜は応援団長という重圧と、これから始まるであろう地獄の日々を想像して、ほとんど眠れなかったのだ。せめて、あと一時間……。
私が二度寝の誘惑に抗えずに、再び布団に潜り込もうとした、まさにその時だった。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!
玄関のチャイムがまるで非常ベルのように、けたたましく鳴り響いた。
こんな早朝に、一体誰だ。新聞の勧誘? それとも、何かの事件だろうか。
「はーい、今、行きます……」
眠い目をこすりなが、寝間着のスウェット姿のまま、私は玄関のドアを開けた。
そして、その光景に、完全に目が覚めた。
「おはようございます、乃蒼団長!」
「おはよーっす、団長!」
「……おはようございます」
「乃蒼様、清々しい朝ですね」
ドアの前には、なぜか、揃いの真っ赤なジャージに身を包んだ、騎士団の四人がやけに爽やかな笑顔で立ってい た。その手には、竹刀やら、木刀やら、ヌンチャクやら、物騒な得物まで握られている。
「……な、なんで、あなたたちが、ここに……?」
私のあまりにも当然の疑問に、一条くんが、自信満々の笑顔で答えた。
「何を仰いますか! 体育祭という聖戦を前に我々騎士団が、身体を鍛え上げるのは当然のこと! そして、我らが団長である貴女様に、その成果を検分していただくのもまた、当然の義務であります!」
「は?」
「というわけで!」
早苗くんが、元気よく私の腕を掴んだ。
「今日から体育祭本番まで、毎朝、オレたちと一緒に早朝トレーニングと洒落込もうぜ、団長!」
「いや、意味がわからないんですが!?」
私の抗議など、彼らの耳には届かない。
有無を言わさず、私は家の外へと引きずり出され、そのまま近所の公園まで連行されてしまった。
そして、公園の広場で世にも奇妙な「騎士団式・早朝トレーニング」の幕が上がった。
まずは、準備運動からだった。
「よし、まずは柔軟からだ! 伊呂波、号令を頼む!」
「了解した。……一、二、三、四!」
如月くんの冷静な号令に合わせて、四人が一糸乱れぬ動きでストレッチを始める。その動きは、高校生の部活動のそれとは、明らかに異なっていた。一つ一つの動作に、無駄がなく、まるで戦場での実戦を想定したかのような、鋭さと殺気が込められている。
「……乃蒼様も、どうぞ」
倉吉くんがそっと私の隣に立ち、手本を見せてくれる。彼の身体は、信じられないほど柔らかく、まるで軟体動物のようにしなやかに曲がっていた。諜報・暗殺担当として、あらゆる場所に潜り込むために、幼い頃から訓練を積んだ結果らしい。
次に始まったのは、基礎体力トレーニング。
しかし、それもまた、常軌を逸していた。
「うおおおおおおっ!」
一条くんは公園の遊具である鉄棒を使い、片手で懸垂を始めた。それも、指一本だけで全体重を支えるという、人間離れした技を披露している。
「行くぜ、おりゃあああ!」
早苗くんは公園のベンチを、まるで軽々と飛び箱のように、次々と跳び越えていく。
そして、彼らは、私にもそれを強要してくるのだ。
「さあ、乃蒼団長! 団長たるもの、まずは兵士の模範となるべし! まずは、このベンチで腹筋百回から始めましょう!」
「無理です!」
あまりの理不尽さに私は、公園の砂場で体育座りをし、断固としてトレーニングを拒否した。すると、彼らは「仕方ない」といった様子で、次のメニューへと移行した。
それは、「前世の戦闘訓練」の再現だった。
一条くんは木刀を手に、凄まじい速さで素振りを繰り返す。ブンッ、ブンッ、と、空気を切り裂く音が、早朝の公園に響き渡る。その剣筋は素人の私が見てもわかるほど、洗練され、力強かった。
「我が剣は、乃蒼様をお守りするために!」
早苗くんは二本のヌンチャクを、まるで身体の一部のように巧みに操り、目にも止まらぬ速さで回転させる。ヒュンヒュン、と風を切る音が、彼の周囲に竜巻を巻き起こしているかのようだ。
「邪魔する奴は、誰であろうと、ぶっ飛ばす!」
如月くんは竹刀を杖のように持ち、目を閉じ、静かに精神を集中させていた。彼は、いわゆる「心眼」で、仮想の敵の動きを読み、最小の動きで、最大の効果を上げるカウンター戦術をシミュレーションしているらしい。
「全ての攻撃は、予測可能事象に過ぎない」
そして、倉吉くんはいつの間にか、公園の木の上に登っていた。彼は枝から枝へと、音もなく飛び移りながら、小石を投げて、数十メートル先の空き缶に寸分の狂いもなく命中させてみせる。
「貴女様に仇なす者は、どこにいようと、必ず……」
彼らが放つ、あまりにも本気の闘気と殺気。
その光景はもはや「トレーニング」などという生易しいものではなく、「演習」と呼ぶべきものだった。
私は砂場で膝を抱えながら、その異常な光景を、ただ呆然と見つめることしかできなかった。
(……この人たち、本気だ)
体育祭を本気で「戦い」だと思っている。
そして、その戦いで勝利を掴むため、自分たちが持つ全ての技術と能力を再び研ぎ澄まそうとしている。
その根底にあるのは、ただひたすらに純粋な、「乃蒼様のために」という忠誠心。
「……はぁ」
ため息が、自然と漏れた。
もう、何を言っても無駄だ。彼らのこの熱狂を止めることなど、誰にもできはしない。
しばらくして、彼らの激しいトレーニングがようやく終わりを告げた。
四人は汗だくになりながらも、どこか満足げな、清々しい表情で私の元へと集まってきた。
「いかがでしたか、乃蒼団長!」
一条くんが実に爽やかな笑顔で、私に問いかける。
「我々の覚悟の一端は、ご覧いただけましたでしょうか!」
私は砂まみれになったスウェットの膝を払いながら、ゆっくりと立ち上がった。
そして、彼らの期待に満ちた瞳を見つめ返し、一言だけ、告げた。
「……あなたたちが、すごいのは、よくわかりました」
「おおっ!」
「でも、明日からは私を巻き込まないで、あなたたちだけでやってください。私は、普通の女子高生なので早朝五時から、公園でヌンチャクを振り回す趣味はありませんので」
私の、あまりにも当然のしかし、彼らにとっては予想外だったであろう返答。
四人は一瞬、きょとんとした顔で固まった。
そして、朝日が昇り始めた公園に私の「早く家に帰って、朝食の準備をしなければ」という、実に平凡で、切実な心の声が虚しく響き渡るのだった。
ピピピピッ、ピピピピッ――。
まだ薄暗い午前五時。けたたましい目覚まし時計の音に、私は重たい瞼をこじ開けた。
(……眠い)
昨夜は応援団長という重圧と、これから始まるであろう地獄の日々を想像して、ほとんど眠れなかったのだ。せめて、あと一時間……。
私が二度寝の誘惑に抗えずに、再び布団に潜り込もうとした、まさにその時だった。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!
玄関のチャイムがまるで非常ベルのように、けたたましく鳴り響いた。
こんな早朝に、一体誰だ。新聞の勧誘? それとも、何かの事件だろうか。
「はーい、今、行きます……」
眠い目をこすりなが、寝間着のスウェット姿のまま、私は玄関のドアを開けた。
そして、その光景に、完全に目が覚めた。
「おはようございます、乃蒼団長!」
「おはよーっす、団長!」
「……おはようございます」
「乃蒼様、清々しい朝ですね」
ドアの前には、なぜか、揃いの真っ赤なジャージに身を包んだ、騎士団の四人がやけに爽やかな笑顔で立ってい た。その手には、竹刀やら、木刀やら、ヌンチャクやら、物騒な得物まで握られている。
「……な、なんで、あなたたちが、ここに……?」
私のあまりにも当然の疑問に、一条くんが、自信満々の笑顔で答えた。
「何を仰いますか! 体育祭という聖戦を前に我々騎士団が、身体を鍛え上げるのは当然のこと! そして、我らが団長である貴女様に、その成果を検分していただくのもまた、当然の義務であります!」
「は?」
「というわけで!」
早苗くんが、元気よく私の腕を掴んだ。
「今日から体育祭本番まで、毎朝、オレたちと一緒に早朝トレーニングと洒落込もうぜ、団長!」
「いや、意味がわからないんですが!?」
私の抗議など、彼らの耳には届かない。
有無を言わさず、私は家の外へと引きずり出され、そのまま近所の公園まで連行されてしまった。
そして、公園の広場で世にも奇妙な「騎士団式・早朝トレーニング」の幕が上がった。
まずは、準備運動からだった。
「よし、まずは柔軟からだ! 伊呂波、号令を頼む!」
「了解した。……一、二、三、四!」
如月くんの冷静な号令に合わせて、四人が一糸乱れぬ動きでストレッチを始める。その動きは、高校生の部活動のそれとは、明らかに異なっていた。一つ一つの動作に、無駄がなく、まるで戦場での実戦を想定したかのような、鋭さと殺気が込められている。
「……乃蒼様も、どうぞ」
倉吉くんがそっと私の隣に立ち、手本を見せてくれる。彼の身体は、信じられないほど柔らかく、まるで軟体動物のようにしなやかに曲がっていた。諜報・暗殺担当として、あらゆる場所に潜り込むために、幼い頃から訓練を積んだ結果らしい。
次に始まったのは、基礎体力トレーニング。
しかし、それもまた、常軌を逸していた。
「うおおおおおおっ!」
一条くんは公園の遊具である鉄棒を使い、片手で懸垂を始めた。それも、指一本だけで全体重を支えるという、人間離れした技を披露している。
「行くぜ、おりゃあああ!」
早苗くんは公園のベンチを、まるで軽々と飛び箱のように、次々と跳び越えていく。
そして、彼らは、私にもそれを強要してくるのだ。
「さあ、乃蒼団長! 団長たるもの、まずは兵士の模範となるべし! まずは、このベンチで腹筋百回から始めましょう!」
「無理です!」
あまりの理不尽さに私は、公園の砂場で体育座りをし、断固としてトレーニングを拒否した。すると、彼らは「仕方ない」といった様子で、次のメニューへと移行した。
それは、「前世の戦闘訓練」の再現だった。
一条くんは木刀を手に、凄まじい速さで素振りを繰り返す。ブンッ、ブンッ、と、空気を切り裂く音が、早朝の公園に響き渡る。その剣筋は素人の私が見てもわかるほど、洗練され、力強かった。
「我が剣は、乃蒼様をお守りするために!」
早苗くんは二本のヌンチャクを、まるで身体の一部のように巧みに操り、目にも止まらぬ速さで回転させる。ヒュンヒュン、と風を切る音が、彼の周囲に竜巻を巻き起こしているかのようだ。
「邪魔する奴は、誰であろうと、ぶっ飛ばす!」
如月くんは竹刀を杖のように持ち、目を閉じ、静かに精神を集中させていた。彼は、いわゆる「心眼」で、仮想の敵の動きを読み、最小の動きで、最大の効果を上げるカウンター戦術をシミュレーションしているらしい。
「全ての攻撃は、予測可能事象に過ぎない」
そして、倉吉くんはいつの間にか、公園の木の上に登っていた。彼は枝から枝へと、音もなく飛び移りながら、小石を投げて、数十メートル先の空き缶に寸分の狂いもなく命中させてみせる。
「貴女様に仇なす者は、どこにいようと、必ず……」
彼らが放つ、あまりにも本気の闘気と殺気。
その光景はもはや「トレーニング」などという生易しいものではなく、「演習」と呼ぶべきものだった。
私は砂場で膝を抱えながら、その異常な光景を、ただ呆然と見つめることしかできなかった。
(……この人たち、本気だ)
体育祭を本気で「戦い」だと思っている。
そして、その戦いで勝利を掴むため、自分たちが持つ全ての技術と能力を再び研ぎ澄まそうとしている。
その根底にあるのは、ただひたすらに純粋な、「乃蒼様のために」という忠誠心。
「……はぁ」
ため息が、自然と漏れた。
もう、何を言っても無駄だ。彼らのこの熱狂を止めることなど、誰にもできはしない。
しばらくして、彼らの激しいトレーニングがようやく終わりを告げた。
四人は汗だくになりながらも、どこか満足げな、清々しい表情で私の元へと集まってきた。
「いかがでしたか、乃蒼団長!」
一条くんが実に爽やかな笑顔で、私に問いかける。
「我々の覚悟の一端は、ご覧いただけましたでしょうか!」
私は砂まみれになったスウェットの膝を払いながら、ゆっくりと立ち上がった。
そして、彼らの期待に満ちた瞳を見つめ返し、一言だけ、告げた。
「……あなたたちが、すごいのは、よくわかりました」
「おおっ!」
「でも、明日からは私を巻き込まないで、あなたたちだけでやってください。私は、普通の女子高生なので早朝五時から、公園でヌンチャクを振り回す趣味はありませんので」
私の、あまりにも当然のしかし、彼らにとっては予想外だったであろう返答。
四人は一瞬、きょとんとした顔で固まった。
そして、朝日が昇り始めた公園に私の「早く家に帰って、朝食の準備をしなければ」という、実に平凡で、切実な心の声が虚しく響き渡るのだった。
0
あなたにおすすめの小説
貧乏貴族の俺が貴族学園随一の麗しき公爵令嬢と偽装婚約したら、なぜか溺愛してくるようになった。
ななよ廻る
恋愛
貴族のみに門戸を開かれた王国きっての学園は、貧乏貴族の俺にとって居心地のいい場所ではなかった。
令息令嬢の社交場。
顔と身分のいい結婚相手を見つけるための場所というのが暗黙の了解とされており、勉強をしに来た俺は肩身が狭い。
それでも通い続けているのは、端的に言えば金のためだ。
王国一の学園卒業という箔を付けて、よりよい仕事に就く。
家族を支えるため、強いては妹に望まない結婚をさせないため、俺には嫌でも学園に通う理由があった。
ただ、どれだけ強い決意があっても、時には1人になりたくなる。
静かな場所を求めて広大な学園の敷地を歩いていたら、薔薇の庭園に辿り着く。
そこで銀髪碧眼の美しい令嬢と出会い、予想もしなかった提案をされる。
「それなら、私と“偽装婚約”をしないかい?」
互いの利益のため偽装婚約を受け入れたが、彼女が学園唯一の公爵令嬢であるユーリアナ・アルローズと知ったのは後になってからだ。
しかも、ユーリアナは偽装婚約という関係を思いの外楽しみ始めて――
「ふふ、君は私の旦那様なのだから、もっと甘えてもいいんだよ?」
偽装婚約、だよな……?
※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』『アルファポリス』に掲載しております※
※ななよ廻る文庫(個人電子書籍出版)にて第1巻発売中!※
「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない
橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。
そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。
1~2万文字の短編予定→中編に変更します。
いつもながらの溺愛執着ものです。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される
絵麻
恋愛
桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。
父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。
理由は多額の結納金を手に入れるため。
相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。
放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。
地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる