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真実2
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警察官は口を開いた。
「桜木努さんですねーー少し伺いたい事があります」
「ーーはい」
俺は警官に支えれられるようにして、フラフラしながら車に乗った。
パトカーがサイレンを鳴らしながら、進んでいく。
警察署、取調室。
俺は初めてそこに入った。
つい昨日まで記憶を無くしていたのに、思い出した途端にこれだーーついてない。
ある意味人生最大のラッキーだとも言える。
人生の中で、取調室に入る事なんか滅多にないだろう。
これはこれで、良かったのかも知れない。
俺が殺されそうになった相手ーーそれは裕美の現在の彼氏何だろう。
その理由は、裕美を奪われたから。
そう考えれば、つじつまが合う。
「ーーそれで」
警察官が何かを言いかけたのを制して、俺は話し始めた。
「あの、俺、思い出したんです」
「何を?」
「3年前の3月25日ーー俺は田中裕美さんを勢い余って殺してしまいました」
「では、その日。何があったんですか?詳しく話してください」
「あの日、俺は彼女と待ち合わせをしました。丸一日デートをして、帰り際に一緒になってくれないか?とプロポーズしたんです。」
「それで?」
「ーー彼女は黙って頷いてから言ったんです。俺とは遊びだ、、他に好きな人がいるとーー。俺悔しくて、気持ちを弄ばれた様に感じてしまい、、頭の中が真っ白になってしまって、気がついたら目の前に彼女が横たわっていたんですーー。血塗れで、、それで俺、怖くなってその場から逃げてしまいました。すいません」
これでもか、って言うくらい深々と頭を下げた。
涙が溢れてくる。
好きだった人を殺してしまった自分の心の弱さに、悔し涙が止まらなかった。
「おい、裏を取れ」
上司だろう男が警官に指示を出す。
「ーーそれはそれとして、我々があなたに聞きたかった事はあなたが銃で撃たれたと言う事件の事です」
「あぁ、、俺、あんまり覚えてないですよ?ーー振り向き様に撃たれてしまったので」
「どんな状況だったか、話してくれますか?」
「はい、あの日。すごく雨が降っていて、時間はわからないですが、薄暗かったです。そんな時後ろから声をかけられたんです。すいません、ちょっといいですか?と」
「その声はどんな声でした?」
「男の人の声に聞こえましたが、、わかりません」
「それで振り返ったら、いきなり腹部を撃たれ、俺が倒れた後で頭を撃たれたんだと思います」
「ーー相手に心当たりは?」
「俺、記憶を取り戻すために、自分の事をいろいろと調べていて、その時に、事件の目撃者の方とお会いして、話を聞かせてもらったんですが、、俺が倒れている横で、犯人は「裕美の恨み」とか言ってたらしいんですよね?ーーそれくらいしか俺にはわかりません。すいません」
「わかりました。ありがとうございます。今日のところは帰ってもらって構いませんよーー確認してからまた伺います」
事実確認をしてからの逮捕なのだろう。
「桜木努さんですねーー少し伺いたい事があります」
「ーーはい」
俺は警官に支えれられるようにして、フラフラしながら車に乗った。
パトカーがサイレンを鳴らしながら、進んでいく。
警察署、取調室。
俺は初めてそこに入った。
つい昨日まで記憶を無くしていたのに、思い出した途端にこれだーーついてない。
ある意味人生最大のラッキーだとも言える。
人生の中で、取調室に入る事なんか滅多にないだろう。
これはこれで、良かったのかも知れない。
俺が殺されそうになった相手ーーそれは裕美の現在の彼氏何だろう。
その理由は、裕美を奪われたから。
そう考えれば、つじつまが合う。
「ーーそれで」
警察官が何かを言いかけたのを制して、俺は話し始めた。
「あの、俺、思い出したんです」
「何を?」
「3年前の3月25日ーー俺は田中裕美さんを勢い余って殺してしまいました」
「では、その日。何があったんですか?詳しく話してください」
「あの日、俺は彼女と待ち合わせをしました。丸一日デートをして、帰り際に一緒になってくれないか?とプロポーズしたんです。」
「それで?」
「ーー彼女は黙って頷いてから言ったんです。俺とは遊びだ、、他に好きな人がいるとーー。俺悔しくて、気持ちを弄ばれた様に感じてしまい、、頭の中が真っ白になってしまって、気がついたら目の前に彼女が横たわっていたんですーー。血塗れで、、それで俺、怖くなってその場から逃げてしまいました。すいません」
これでもか、って言うくらい深々と頭を下げた。
涙が溢れてくる。
好きだった人を殺してしまった自分の心の弱さに、悔し涙が止まらなかった。
「おい、裏を取れ」
上司だろう男が警官に指示を出す。
「ーーそれはそれとして、我々があなたに聞きたかった事はあなたが銃で撃たれたと言う事件の事です」
「あぁ、、俺、あんまり覚えてないですよ?ーー振り向き様に撃たれてしまったので」
「どんな状況だったか、話してくれますか?」
「はい、あの日。すごく雨が降っていて、時間はわからないですが、薄暗かったです。そんな時後ろから声をかけられたんです。すいません、ちょっといいですか?と」
「その声はどんな声でした?」
「男の人の声に聞こえましたが、、わかりません」
「それで振り返ったら、いきなり腹部を撃たれ、俺が倒れた後で頭を撃たれたんだと思います」
「ーー相手に心当たりは?」
「俺、記憶を取り戻すために、自分の事をいろいろと調べていて、その時に、事件の目撃者の方とお会いして、話を聞かせてもらったんですが、、俺が倒れている横で、犯人は「裕美の恨み」とか言ってたらしいんですよね?ーーそれくらいしか俺にはわかりません。すいません」
「わかりました。ありがとうございます。今日のところは帰ってもらって構いませんよーー確認してからまた伺います」
事実確認をしてからの逮捕なのだろう。
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