ナヨナヨ男vs筋肉ムキムキ女の恋

みゆたろ

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ヒーロー

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茜の思いが嬉しかった反面ーー生き延びれて良かった。
心からそう思う。

あれから一週間程度の時間が流れたけれど、あの借金の取り立ては来ていない。

茜は少し離れたところから、ナヨナヨ男(和樹)の姿を見ている。
いわゆる「おとり捜査」だ。

黒のセダンが和樹の背後から近づいていく。
ゆっくりとーーどう見ても不審車だ。
茜は注意深く、その車を見た。

黒のセダンが止まると、中から3人の男達が飛び出してくる。

その3人の手によって和樹は強引に車に乗せられそうになった。

「ーー私の男に何してんだ?」

まるでスーパーマンのように現れたのは茜だ。来てくれる事は分かっていたんだけど。

「関係ないヤツは黙ってろ...」

そこまで言った途端、ものすごい音がした。

ーーガン。

茜のパンチを食らったサングラスの男が、遠くまで飛んでいく。

「てめぇ、何してんだ?!」

二人に囲まれている茜の後ろに隠れて震えていると、数秒後に茜が口を開いて言う。

「帰るぞ!」
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