初めの頃に書いたものです😅よければ😁(笑) 一応、完結

みゆたろ

文字の大きさ
16 / 35

第十五話

しおりを挟む
彼の名前は藤田圭(けい)。
どうやら秀二と恵。その二人に話したい事があるのだと言う。
父の死から、立ち直れないまま二人は圭を迎え入れる。
彼にお茶を注ぎ、差し出すと恵も座った。

「それで話と言うのは?」
「こんな事、話すのもどうなのかと思って、随分迷ったんだけど、、」
「どーゆー話なんだ?」
「お前の、、父親の事なんだ」
「うん。父さんが死んでもー2ヶ月以上たっているけど、、未だに立ち直れないよ」
秀二はぼやいている。
「ーー覚悟して、聞いてほしいんだ」
深刻そうな藤田圭の顔を見れば、いい話ではないのは分かった。
大きく深呼吸を二度ほど繰り返してから、僕は言った。
「ーーそれで?」
恵は黙ったまま、真剣な顔をしている。

「うん。ーーすごく言いにくいんだけど」
「遠慮はいらない。話してくれ」
秀二が言った。
「健吾、殺されたんだろ?」
「警察は自殺だって言ってるよ。ーーでも、僕らは違うと思ってる」
「健吾は間違いなく殺されたんだーー俺、あの時、犯人を見たんだ」
「ーー犯人を?」
「あぁ」
「どんな人だった?」
「体格はがっしりとしてて、メガネ、、かけてたな。髪型が短髪で天然パーマだったな、、」
「ほんとか?」
「あぁ、名前はわからないけどーー」
「これを見てくれ!」
父が僕に残した四人の名前しか書かれていない紙を、圭に差し出す。
「何だこれ?」
圭は不思議そうな顔をしている。
「多分、この四人の中の誰かが父を殺したんだーー僕はそう思っている」
「ーーで、いたのか?俺が見たような人物は?」
「あぁ、山田太郎と言う男だ」
「念のため、圭にも会ってみて欲しいんだ」
「わかった」
「今電話するから、少し待っててくれ」
圭は頷いた。
その日の夜、秀二と圭は山田太郎に会うことになった。

あえて少し離れて別席に座った圭。秀二と太郎が話していると、秀二のケータイのラインが鳴り響く。

「あぁ、アイツだーー間違いない」
俺にそう教えてくれた。

「ところで、犯人を見たって言うその話、警察には??」
「聞きに来たら話そうと思ってたんだけど、、聞きに来ないから、まだ話してないよ」
「そっか。警察に話す前に僕に話してくれてありがとう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

処理中です...