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やっとこさ本編
……僕の高校生活は
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『だったら一人くらい紹介しろ』
「なっ何言い出すの!?アナタ恋人居るでしょうが!」
僕小田原誠は只今通話中でございます。お相手は畠中伽月君、住んでる地域が違うので同じ学校に通ってたとかではないけれど、僕の父と彼のお兄さんが同じ職場という縁で十歳の頃からの知り合いで、クラスメイトとかよりも全然信頼できる友人なんです。
『別れたよ、でないとこんな事言える訳ないだろ?』
「そっか、ただ今は約束出来ないよ」
何で?伽月君は不思議そうに訊ねてきます。
「だって彼女たちが伽月君に紹介して大丈夫なのか見極めないと。後で変な子だって分かるとか嫌だもん」
『そんなの俺が自分で判別するよ、でもお前の親切はありがたく受け取っとく』
伽月君はそう言って笑ってます。
彼は中学生になったくらいからみるみる痩せてきて、これまで付いていたお肉が全部身長に行っちゃったんじゃないか、ってくらい。だって今百八十センチほどあるんだよ、元々背は高かったけど。しかもモデル体型みたくなって、星哉君とは違うタイプではあるけど彼すっかりイケメン君なんです。
僕は力士ばりのおデブちゃん時代を知ってるし、案外タラシなところあるから別にときめきはしないけど……ここで申し上げますに僕はゲイです、この事を知ってるのは家族と伽月君だけなんです。
中学の時、何かのゲームで僕が負けちゃって、罰ゲームで秘密を一つカミングアウトする事になって。別にもっとライトなのを話しても良かったんだけど、ただのゲームとは言えテキトーな事したくなくてその事をカミングアウトしたんです。
そしたら「そっか」で終わり、反応が呆気なさ過ぎて思わず「蔑視しないの?」って聞いたら「する訳ないだろ、それともして欲しいのか?」って言われちゃって。
星哉君の事もあるから免疫付いてるのかも知れないけど、あれから今日まで僕との付き合い方を一切変えたりしなかったんだ。それが凄く嬉しくて、かえって友人関係を強める結果になって、この出逢いを神様に感謝したのを覚えています。
それから少しして通話は切ったんだけど、伽月君と話をするとこれまでの嫌な事とかもやもやしてた感情とかがすうっと消えていくんだから不思議です。実は今日、学校でちょっと嫌な事があったんです……。
ちょうど昼休み、僕は近所の席の女の子三人とお弁当を食べていました。すると見たことの無い男子生徒がずかずかと教室に入ってきて僕の前に立ちました。
『小田原誠って君だよね?』
『え?……あっ、はい……』
そう返事するや否や、僕の腕を掴んで強引に立たせるといきなり教室から連れ出して、人気の無い体育館の裏手に連れ込まれました。そしてその人は名乗りもしないでとんでもない事は言い出したんです。
『今からイイコトしない?』
こっこの人いきなり何言い出すの!?僕はただただその人を睨み付けていましたが、僕の目力が弱くて効果はありませんでした。
『君ゲイでしょ?見れば分かるよ』
『違います、離してください』
そう言って立ち去ろうとすると、壁に体を押し付けられて身動きが取れなくなってしまいました。最近やっと百五十センチを超えたばかりの小さな体では全く歯が立ちません。
『知らない人とこんな事したくありません……!
『看護科二年二組、氷泉翔太、これで良い?』
『良くないです、僕はあなたみたいな人は嫌いです』
後輩の僕がそんな口の聞き方をするとは思ってなかったみたいで、急に態度を変えて乱暴に僕の顎を掴んでキスをしてきました。
僕のファーストキスを返せ!僕は首を振って逃げようとしましたが、指が皮膚に食い込んでくるので痛くて抵抗もままなりません。それを良いことに僕の顎を引き上げて口を開かせると舌を入れてきて、これが半端無く気持ち悪くて泣きそうになりました。
こうなったらヤケクソだっ!僕は氷泉とか言う人の舌を噛んでやると、相手は驚いて唇を離しました。怯んでる隙に逃げる作戦に出た僕は必死に走り、学校中を走り回って追い掛けて来るのを振り切りました。
気分はもう最悪です……知らない人に誘惑されて強引にキスされて、本当にもう泣きたいです。僕は近くのトイレに入って顔を洗って口を何度もゆすぎました。口の中はまだ舌の感触が残っていて、顔を洗いながら本当に泣いてしまいました。
入学してまだ一月どころかゴールデンウィークもまだなのに、僕の高校生活は早くも暗雲が立ち込めています。こんな事がたて続いたら僕もう立ち直れない……そんな心理状態の中での伽月君からの電話、何が解決した訳でもないのに落ち込んでいた気持ちが消えてしまったんです。
こんな後輩くそ生意気だから、と二度と近付いて来ないかも知れないし……僕の心は楽観的に考えられる余裕もちょっと出てきたところで今日のうちに宿題を済ませる事にしました。
「なっ何言い出すの!?アナタ恋人居るでしょうが!」
僕小田原誠は只今通話中でございます。お相手は畠中伽月君、住んでる地域が違うので同じ学校に通ってたとかではないけれど、僕の父と彼のお兄さんが同じ職場という縁で十歳の頃からの知り合いで、クラスメイトとかよりも全然信頼できる友人なんです。
『別れたよ、でないとこんな事言える訳ないだろ?』
「そっか、ただ今は約束出来ないよ」
何で?伽月君は不思議そうに訊ねてきます。
「だって彼女たちが伽月君に紹介して大丈夫なのか見極めないと。後で変な子だって分かるとか嫌だもん」
『そんなの俺が自分で判別するよ、でもお前の親切はありがたく受け取っとく』
伽月君はそう言って笑ってます。
彼は中学生になったくらいからみるみる痩せてきて、これまで付いていたお肉が全部身長に行っちゃったんじゃないか、ってくらい。だって今百八十センチほどあるんだよ、元々背は高かったけど。しかもモデル体型みたくなって、星哉君とは違うタイプではあるけど彼すっかりイケメン君なんです。
僕は力士ばりのおデブちゃん時代を知ってるし、案外タラシなところあるから別にときめきはしないけど……ここで申し上げますに僕はゲイです、この事を知ってるのは家族と伽月君だけなんです。
中学の時、何かのゲームで僕が負けちゃって、罰ゲームで秘密を一つカミングアウトする事になって。別にもっとライトなのを話しても良かったんだけど、ただのゲームとは言えテキトーな事したくなくてその事をカミングアウトしたんです。
そしたら「そっか」で終わり、反応が呆気なさ過ぎて思わず「蔑視しないの?」って聞いたら「する訳ないだろ、それともして欲しいのか?」って言われちゃって。
星哉君の事もあるから免疫付いてるのかも知れないけど、あれから今日まで僕との付き合い方を一切変えたりしなかったんだ。それが凄く嬉しくて、かえって友人関係を強める結果になって、この出逢いを神様に感謝したのを覚えています。
それから少しして通話は切ったんだけど、伽月君と話をするとこれまでの嫌な事とかもやもやしてた感情とかがすうっと消えていくんだから不思議です。実は今日、学校でちょっと嫌な事があったんです……。
ちょうど昼休み、僕は近所の席の女の子三人とお弁当を食べていました。すると見たことの無い男子生徒がずかずかと教室に入ってきて僕の前に立ちました。
『小田原誠って君だよね?』
『え?……あっ、はい……』
そう返事するや否や、僕の腕を掴んで強引に立たせるといきなり教室から連れ出して、人気の無い体育館の裏手に連れ込まれました。そしてその人は名乗りもしないでとんでもない事は言い出したんです。
『今からイイコトしない?』
こっこの人いきなり何言い出すの!?僕はただただその人を睨み付けていましたが、僕の目力が弱くて効果はありませんでした。
『君ゲイでしょ?見れば分かるよ』
『違います、離してください』
そう言って立ち去ろうとすると、壁に体を押し付けられて身動きが取れなくなってしまいました。最近やっと百五十センチを超えたばかりの小さな体では全く歯が立ちません。
『知らない人とこんな事したくありません……!
『看護科二年二組、氷泉翔太、これで良い?』
『良くないです、僕はあなたみたいな人は嫌いです』
後輩の僕がそんな口の聞き方をするとは思ってなかったみたいで、急に態度を変えて乱暴に僕の顎を掴んでキスをしてきました。
僕のファーストキスを返せ!僕は首を振って逃げようとしましたが、指が皮膚に食い込んでくるので痛くて抵抗もままなりません。それを良いことに僕の顎を引き上げて口を開かせると舌を入れてきて、これが半端無く気持ち悪くて泣きそうになりました。
こうなったらヤケクソだっ!僕は氷泉とか言う人の舌を噛んでやると、相手は驚いて唇を離しました。怯んでる隙に逃げる作戦に出た僕は必死に走り、学校中を走り回って追い掛けて来るのを振り切りました。
気分はもう最悪です……知らない人に誘惑されて強引にキスされて、本当にもう泣きたいです。僕は近くのトイレに入って顔を洗って口を何度もゆすぎました。口の中はまだ舌の感触が残っていて、顔を洗いながら本当に泣いてしまいました。
入学してまだ一月どころかゴールデンウィークもまだなのに、僕の高校生活は早くも暗雲が立ち込めています。こんな事がたて続いたら僕もう立ち直れない……そんな心理状態の中での伽月君からの電話、何が解決した訳でもないのに落ち込んでいた気持ちが消えてしまったんです。
こんな後輩くそ生意気だから、と二度と近付いて来ないかも知れないし……僕の心は楽観的に考えられる余裕もちょっと出てきたところで今日のうちに宿題を済ませる事にしました。
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