どら焼は恋をつなぐ

谷内 朋

文字の大きさ
26 / 145
やっとこさ本編

……最近僕の周辺が

しおりを挟む
 放課後、文化祭の準備も佳境に入って大忙しの中、体育の先生が教室を覗きにやって来ました。きっと授業内容を記した用紙だろうなぁ……でもレポート作業にも多少慣れてきて、これさえ真面目に提出しておけば単位は頂けるので、授業を受けるよりは良いやと最近タカを括っています。この先生の授業はスパルタ過ぎて僕には付いていけません、コレってワガママでしょうか?
 「小田原、文化祭の準備は出来るんだな」
 ううぅ、この先生若干嫌味な言い方するんだよねぇ。まぁ僕半分ほどしか授業出てませんから。……えぇ、アナタの授業ほどキツくないですので。なんて事は言いませんよ、ここはなるべく穏便に。
 「保健室で休ませて頂けたお陰です」
 「ほう、俺の授業がそんなに嫌か?」
 「はい。あっ……」
 しまった!思わず本音言っちゃった!僕は恐る恐る先生の顔を見上げると、顔は真っ赤になってます。うわぁ??、地雷踏んじゃったかも。
 「どう嫌なんだ?」
 先生はどうにか感情を抑えて問い質してきます。僕アナタの授業でしょっちゅう倒れてるんですけど……そこは都合良くお忘れなんですね。
 「純粋にキツすぎるんです、僕の体力では一時間こなせません」
 僕は後に退けなくなって正直に答えました。ちょっと言い過ぎたかな?
 「……そうか、よく分かった」
 先生は普段の堂々とした態度とは違い、シュンと肩を落として教室を出て行かれました。僕は後になってとんでもない事しでかしたんじゃないかと思い、腰が抜けてその場にへたり込んでしまいました。そんな僕を皆が気遣ってくれて、大丈夫だよと声を掛けてくれました。
 「あの先生スパルタだけど会話はちゃんと出来る方だから。きっと何かしらの対策は講じて下さるよ」
 僕を椅子に座らせてくれた和多柚杞乃ワダユキノちゃんが震えてる僕の手を握ってくれました。彼女は先生と部活動で接点があり、所属してるソフトボール部の監督なんです。それもあって僕の事を慰めてくれたのですが……あ~もしかしてやらかしちゃったかなぁ……?

 ……と先生への失言を少々気にしつつ下校中の僕の前にまたもや氷泉が現れました。
 「君●●町だよね?送ってくよ」
 「いえ、結構です」
 僕はあからさまに嫌な顔を向けてやります。
 「今日だけの話だよ、良いから付き合え」
 氷泉は僕の腕を掴んで逃がさない様にしてきます。痛い!と抗議をしても手を離してくれません。
 「通学中に人とつるむの嫌なんです」
 「意外と強情なんだな、お前……」
 奴は僕を呆れ顔で見つめてようやく手を離しました。僕は仕方無く氷泉と一緒に帰る事になりましたが、はっきり言って話す事などありません。
 「ところでさ、文化祭の準備はどうなんだ?」
 「えっ……?」
 「君ヒロイン役やるんだよな、予行演習の時体育館に居たんだ」
 「……あれ見てらしたんですか?」
 コイツには見られたくなかった……僕は思いっきり嫌そうな顔をしてた……と思います。
 「それにしても君のクラス衣装はスゴいよ、あそこまでの技術持ってる奴、二年生には居ないなぁ……」
 へぇ、ひかりちゃん凄いんだな。そう言えば二年生は料理上手の生徒が多くて、スイーツ甲子園の出場を決めてるチームがあったはず。学年によって得意ジャンルが全然違います。
 「やっぱり君可愛いよな、一般客の中には間違って惚れちゃう男も出るんじゃないのか?」
 「それは無いと思います」
 僕は冷たくあしらいながらもこの前の様に身の危険は感じません。氷泉はこれまで見せてこなかったフツーな一面を見せています。この人意外と悪人ではいのかな?保健室での事は頂けないけど。
 「まぁ君の事は俺が落としてみせるさ、処女はちゃんと守っとけよな」
 「ですから僕はゲイじゃありません、それに恋人いらっしゃるんじゃ……」
 「そんなの居ないよ。まぁセフレなら何人かは……」
 アンタ下半身のだらしなさ全然気にしてないだろ……ってかあの男の子セフレ扱い?その事実を知られたらあの感じだと多分泣き付かれるよ。
 「君の処女が頂けたらそいつらはスパッと切るよ」
 「いえ、どうぞご自由に。僕があなたに惚れる事はありませんので」
 「そうこなくちゃ面白くないよ♪」
 そんな会話をしている間に僕の家の前まで来ていたので、氷泉は自転車にまたがると、また明日。と手を振って▽▽区方向へ消えていきました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

はじまりの朝

さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。 ある出来事をきっかけに離れてしまう。 中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。 これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。 ✳『番外編〜はじまりの裏側で』  『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。

学校一のイケメンとひとつ屋根の下

おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった! 学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……? キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子 立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。 全年齢

イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話

タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。 瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。 笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~

水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。 アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。 氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。 「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」 辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。 これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

処理中です...